今回の選書

7日間で人生を「進化」させる方法(井口晃) マガジンハウス

7日間で人生を「進化」させる方法(井口晃) マガジンハウス

選書サマリー

不満や不安を解消したい人、金銭的にも、精神的にも豊かになりたい人、とにかく現状を打破したい人は、今すぐ変わるべきだ。取り巻く環境が日々変化しているのだ。私たち自身も「進化」すべきだ。

これから紹介する方法は、あなたが変化していくためのプロセスだ。ここで紹介するプログラムに沿って進めば、最短7日間で、あなたの人生を変えることが可能だ。

1日目は、自分の現在地を知ることだ。「自分が今どこにいるのか」が分からなければ、家には帰れない。居場所がわかるから、最寄りの駅まで行って、電車に乗って帰ることかできるのだ。

人生も同じだ。自分の現在地を知ることだ。自分はどういう人間で、どういう信念の持ち主で、収入は幾らあり、社会にどれだけの価値を社会に与えているのか、などを客観的に知ることだ。

2日目は、「どこに行きたいのか」、すなわち「理想の自分」を知ることだ。そのためには、次のステップに沿って、実際に紙に書き出していくことが重要だ。

まず、自分がやりたいことを書き出していく。次に、達成予定日数を書き出す。さらに、必ず達成したい目標を3つ選ぶ。次に、優先順位をつける。

そして、目標を達成したい理由を見つけることも重要だ。目標が達成できないのは、必要に迫られていないからだ。さらに、その目標は、どんな人なら達成できるかを明確にする。

最後に、目標をチェックする。ポイントは3つある。まず「具体的か」だ。数字が入っていることが重要だ。次に「計測可能か」だ。最後は、「それを心の底から達成したいのか」だ。

もちろん、優秀なコーチについて学んだり、メンターを見つけたりすることも効果的だ。「こんな人になりたい」と思うメンターがいるなら、積極的にアプローチするべきだ。

3日目は「絶対なりたい理由を見つけること」だ。多くの人が、年頭に目標を立てるが、すぐにその目標を忘れてしまう。理由は「なぜ?」が足りないのだ。理由がないから行動しないのだ。

大事なことは、あなたの人生に明確な理由があるかどうかを探すことだ。「ビッグ・ホワイ」、つまり「大きな、なぜ」が、あなたの人生にあるだろうか。

「なぜ、自分は、それを達成したいのか?」が重要なのだ。これを発見できるかどうかで、命運は決まる。ところが、多くの人が、この「なぜ」が弱い。言い換えれば、具体的な目標がないのだ。

だから、たとえ達成できなくても悔しくない。ここが、何かを達成できる人と、できない人の違いだ。「ビッグ・ホワイ」があるかどうか、明確で、大きな「なぜ」があるかどうかで決まるのだ。

行動に移すコツは、モデリングだ。すなわち「うまくやっている人の真似をすること」だ。つまり、あなたが目標とする誰かを真似するのだ。

もちろん、自分で発明したり創造したりしてもいいが、発明や創造には膨大な時間と労力がかかる。たとえば、クルマを作るにしても、すべてゼロから作ろうとすれば、一生完成しないはずだ。

であれば、目標になるクルマを分析・研究することだ。そうすれば、より性能のいいクルマを、より早く作ることさえできるはずだ。

具体的には、メンターが「買え」と言ったものを買い「揃えろ」と言った道具を揃えて「やれ」と言ったことを時間どおりにやるのだ。そうすれば、同じ結果を、より早く得ることができる。

いきなり結果を出すと、周りの人は不思議がるかも知れない。だが、そこに秘密はない。結果が出ない人は、言われたとおりにやっていないだけなのだ。

なお、この場合、一部だけ取り入れてはだめだ。何もやらないよりはマシかも知れないが、結果が得られない。まず、言われた通にやるべきだ。そして、結果が得られたら、変えるところは変えるのだ。

選書コメント

コーチングのメソッドを活かした成功本です。著者は人気コーチで、自ら主宰するプログラムには、年間1000人以上の方が参加するということです。

そんな著者も、かつてはニューヨークで3畳の部屋に住み、食費にも事欠く「金なし、人脈なし、アイデアない、自信なし」のダメ人間だったそうです。

ところが、数々のメンターや、コーチたちと出会い、学んだことで、人生を激変させることができたそうです。その経験を、体系的なノウハウにまとめ、紹介するのが本書です。

成長過程でまとめられた「人生逆転の7つのステップ」は、誰でも活用でき、自分の人生を変えることができるメソッドです。本書は、それを分かりやすく、実践しやすく教えてくれます。

この本では、成功へのプロセスを7日間で修了することを目指しています。そのため、書籍の構成も、1日1章を割いて、丁寧に説明します。そして、一週間で読破できる手順になっています。

さすがに、7日間で一連のステップを、すべてを踏むことは厳しいかもしれません。ただ、本書のステップに従って、歩みを止めなければ、マイペースでも必ず成功にたどり着けそうです。

何事も、大切なことは、はじめに正しいゴールを設定し、そこに至るプロセスを、しっかり設計することです。さらに、それを具体的な計画レベルにまで落とし込めれば言うことはありません。

新しいことを始めるにはちょうどよい時期です。これを機会に、新たな一歩を踏み出したい人、人生を切り開きたいと考えている人の味方になってくれる、頼もしい本だと思います。

選者紹介

藤井孝一

経営コンサルタント。週末起業フォーラム代表。株式会社アンテレクト代表取締役

1966年千葉県生まれ。株式会社アンテレクト代表取締役。経営者や起業家という枠にとどまらず、ビジネスパーソン全般の知識武装のお手伝いを行うべく、著作やメールマガジン、講演会、DVDなど数々の媒体を活用した情報発信を続けている。著書にベストセラーとなった『週末起業』(筑摩書房)はじめ、『かき氷の魔法』(幻冬舎)、『情報起業』(フォレスト出版)など。

情報提供: ビジネスパーソンの情報サイト「ビジネス選書&サマリー