コンプライアンス

「アーカイブする理由」シリーズ3回目の今日は、コンプライアンスを取り上げます。コンプライアンスがビジネスに影響を及ぼす脅威となる可能性と、そのリスク軽減にアーカイブソリューションを活用する方法について説明します。

コンプライアンスは重要か?

メールは主要なコミュニケーション手段として多用されていますが、それに伴い、ビジネスでのメールの価値も高まっています。そこで各国政府や規制当局は、メールの適切な管理を目的としたコンプライアンス標準と法規制の策定に取り組んでいます。このような法規制の違反には厳しい罰則が科せられるケースもあります。

したがって、コンプライアンスは多くの組織にとって重要な要件の1つになり、全社的なガバナンスガイドラインを設定する企業が増えています。ガバナンスガイドラインを企業全体のあらゆる領域で徹底することによって、コンプライアンスを順守した方法で業務を実施していることを実証し、法規制リスクを軽減する必要があります。

コンプライアンスが大きな課題になる理由

保管場所

メールは、Exchangeメールボックスやアーカイブだけでなく、ネットワークサーバやエンドユーザデバイス上のPSTファイルにも保存されています。つまり、組織内のあらゆる場所に分散している可能性があります。

セキュリティ

所定の期間、保管が義務付けられているデータは、故意過失を問わず、データが消去または改ざんされないように保護する必要があります。

複雑さ

大規模な企業では、非常にローカルな業務を行っている部門が存在するケースや保管要件が地域ごとに規定されているケースもあるので、企業全体でコンプライアンスを徹底する作業は難しくなる可能性があります。

可視性

政府機関や規制当局がコンプライアンスの状況確認を行い、監査が定期的に実施されることもあります。

管理

業務が複数の場所や地域に分散されている場合であっても、すべての部門を対象にコンプライアンスポリシーを適切かつ一貫した方法で適用する必要があります。

アーカイブソリューションの効果 - アーカイブする理由

上記のような課題を解決するのがアーカイブソリューションです。このソリューションでは、エンドユーザのメールボックスやアーカイブに保存されているメールデータだけでなく、デスクトップやネットワークサーバ上に存在するPSTファイル内のデータも網羅した包括的なメール管理ポリシーを適用します。ポリシーに基づいたメールの保存と削除には、次のようなメリットがあります。

法規制の順守

企業は、政府機関の法規制やコンプライアンス標準を順守し、安心して日々のメール管理を実行できます。また、法的な監査では、適切な保管/削除ポリシーが徹底されていることを実証できます。

リスク軽減

法規制で保管や調査の対象となるデータをすべて安全な方法で保持し、古いデータや不要なデータを妥当な方法で削除するポリシーを適用することにより、コンプライアンス違反/罰則/罰金の対象になる危険を回避できます。

優れた操作性

データの保管/削除ポリシーを一元的にまとめて管理することにより、ソリューションの拡張性が高まり、実施や管理も簡単になります。また、あらゆる部門に一貫した方法でコンプライアンスを徹底できます。さらに、不要な情報や古い情報は自動的に削除されるので、エンドユーザによるメール管理/検索も簡単になります。

コスト削減

古いデータや不要なデータを削除するポリシーを適用することで、Exchangeサーバとアーカイブに保存されるデータ量を削減でき、データ保存に関わるインフラコストや運用コストの削減につながります。

C2Cのコンプライアンスソリューション

C2Cは、メールの管理、保管、削除機能を1つに凝縮した統合コンプライアンスソリューションを提供します。このソリューションでは、Exchangeメールボックス、アーカイブ、個々のPSTファイルなど、企業環境内のあらゆる場所にあるメールを管理できます。重要度の高いデータについては、業界のベストプラクティスに基づいて、通常のメール環境とは別に設けたセキュアなアーカイブに保管します。また、古いデータや不要なデータは、妥当な削除プロセスに従って削除します。

このように、一元的な保管/削除ポリシーを適用するC2Cソリューションでは、メールのライフサイクル全般にわたり、一貫した方法での効率的な管理が可能になります。さらに、情報のガバナンスポリシーや法規制を順守し、コンプライアンス違反による罰則や罰金のリスクも回避できます。

次回は、ディスカバリの重要性が高まっている理由と、包括的な統合アーカイブソリューションがディスカバリにおいて発揮できるメリットについて説明します。

※本内容はBarracuda Product Blog 2014年9月8日Reasons to Archive – Complianceを翻訳したものです。

Peter Mullens

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』10月21日付の記事の転載です。