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Facebookが、メッセージングアプリからゲーミングへと買収先の転換を図りました。

火曜日の午後、Facebookが20億ドルでOculus VRを買収するという電撃ニュースがIT業界を駆け巡りました。Oculus VRは、今話題の仮想現実ゲーム会社です。20億ドルの買収金額には、現金4億ドルとFacebookの株式2,310万株が含まれています。また、一定の業績が達成された場合には、さらに3億ドルが支払われるといううわさもあります。

FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏は、モバイルアプリケーションであるWhatsAppを190億ドルで買収したばかりですが、このような相次ぐ買収は、Facebookの株価急騰を背景に、シリコンバレーで成功しようとするMark Zuckerberg氏の積極的な姿勢を表しています。WhatsAppとOculusの買収は、Facebookの150%もの株価上昇が後押ししたものであり、自社株式と現金の組み合わせにより実現されています。

Zuckerberg氏は「Facebookは、今日のプラットフォームであるモバイルから、未来のプラットフォームへと移行する準備を進めている。Oculusには、これまでよりも幅広いソーシャルプラットフォームを構築し、働き方、遊び方、コミュニケーションの仕方に変化をもたらす可能性を期待している」と述べています。

仮想現実ヘッドセットであるOculus Riftは、大量生産には至っていないものの、その圧倒的な潜在能力はゲーミング業界で高く評価されています。ソーシャルメディアでの仮想現実の位置付けについて、Zuckerberg氏がどのようなビジョンを持っているのかについてはまだわかっていませんが、今回の買収の目的がゲーミングへの注力でない可能性も否めません。

このように考えているのは筆者だけではないだろうと思い、バラクーダネットワークスのエンジニアおよびリサーチャーであるルイス・チャペッティ(Luis Chapetti)に今回の買収について意見を聞いてみました。ルイスは次のように考えています。

「FacebookやOculusにとって買収が正しい選択だったのかについては疑問です。Oculusはゲーミング市場に特化した製品を開発する企業ですが、ゲーミングについてはFacebookに訴求力はまったくありません。Facebookはソーシャルメディアでのリーチを「強化・拡大」する手段としてOculusを買収したわけですが、果たして効果はあるのでしょうか。たとえばAmazonがOculusを買収したのであれば、Oculus Primeという新製品の登場に期待できたのですが」。

Oculus Primeという名前には、Oculus Riftbookよりもずっと素敵な響きがありますね。

Zuckerberg氏は、Oculusを「新しいコミュニケーションプラットフォーム」と位置付け、「ゲームから、さらに幅広いエクスペリエンスを可能にするプラットフォームへと進化させたい。たとえば、試合会場でのスポーツ観戦、世界中の生徒や教師が集まった教室での学習、医師による対面診察などを、ゴーグルを装着するだけで、家にいながらにして体験できる世界を実現したい」と述べています。Zuckerberg氏の構想は単なる夢物語なのでしょうか。それとも私たちは、宇宙家族ジェットソンのようなライフスタイルに1歩でも近付けるのでしょうか。

OculusのCEOであるブレンダン・イリーブ(Brendan Iribe)氏はこの新しいパートナーシップについて、「MarkとFacebookのチームとのコラボレーションが、世界最高の仮想現実プラットフォームをもたらすことに大きく期待している。人々が魔法のような新しい方法でつながることができる社会では、仮想現実の位置付けは非常に明確になるだろう」とコメントしています。ブレンダン氏はこのように心強いコメントをしていますが、Oculusのファンの間からはOculusが「身売り」したことに対する不満が噴出しています。ソーシャルネットワークでは、次のようなインターネットミームが出回っています。

混乱が多少収まった今、厳しい詮索はやめて、Zuckerberg氏の手によって仮想現実の未来はどうなるのかを考えてみましょう。今回の買収は、Facebookが体勢を立て直し、誰もがびっくりするようなことを成し遂げるチャンスです。有り余る資金をVR開発に投資し、短期間でVRデバイスを市場で展開することが可能なのですから。潤沢な資金があることはコンシューマにとっては嬉しいニュースであり、最先端テクノロジの活用において長年後れをとっているSonyのような企業にこのチャンスを任せることは、賢い選択とは言えないのではないでしょうか。

ところで、仮想現実は新鮮なトピックのように聞こえるかもしれませんが、決して新しい概念ではありません。宇宙船、航空機、自動車のハイテクメーカーは、製品の設計や組み立てのシミュレーションやテストにおいてVRを長年活用してきました。このテクノロジが広く普及するまでにはまだ何年もかかりそうですが、いつの日か仮想現実デバイスの登場によって、実世界と仮想世界をインタラクティブな方法でつなげることが可能になるでしょう。

最先端テクノロジに興味をお持ちの方ならばもうご存知かもしれませんが、バラクーダネットワークスのおたくチームは、仕事の合間を活用して3Dプリンティングのさまざまな取り組みを進めています。

ケリー・パインズ(Kelli Pines)は、バラクーダネットワークスのコーポレートコミュニケーションズチームのメンバーです。ケリーとLinkedInでつながりたい方は、www.linkedin.com/in/kellipines/からどうぞ。

※本内容はBarracuda Product Blog 2014年4月4日Facebook Acquires Oculus: Are we in for a virtual disaster?を翻訳したものです

ケリー・パインズ(Kelli Pines)

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』4月15日付の記事の転載です。