筆者は、K12教育機関(幼稚園から高校まで)とのプロジェクトに長年取り組んできましたが、常に感じていた問題の1つが帯域幅の不足です。新しいテクノロジを導入している学校でさえ、この問題に頭を悩ませていました。この問題は、2012年のFCC(米連邦通信委員会)による報告書「Measuring Broadband in America(アメリカのブロードバンド)」でも取り上げられており、教育やビジネスのニーズを満たすブロードバンド接続を確立できていない学区が全体の80%を占めています。

いったいなぜでしょうか。

このような状況をもたらした最大の要因は、教育期間を取り巻くトラフィックが大きく変化したことにあります。教師は授業にオンラインの教材を積極的に取り入れるようになり、オンライン試験のニーズも増えています。また、事務などの教育補助部門でもファイル転送、データアップロード、GPSや地図のダウンロードなどの操作を行っています。さらに、生徒や一般の人々はそれぞれ私有の端末でインターネットにアクセスし、ここからもトラフィックが生成されます。このような状況に対応できる接続環境を実現するには、帯域幅をプロアクティブに管理する必要があります。そうでなければ、無制限に使える予算が必要になるでしょう。

ほとんどの学校は、生徒のインターネットアクセス環境の安全を守る方法として、Webコンテンツフィルタリングを採用しています。Webフィルタリングといえば、不適切なコンテンツをブロックするための機能ですが、帯域幅管理にも利用することができます。Barracuda Web Filterでは帯域幅管理に活用できるツールがいくつか用意されているので、ここではその特徴をご紹介しましょう。

最初の特徴は、強力なレポート機能です。Barracuda Web Filterではさまざまなレポートが用意されており、ドメイン、カテゴリ、オンラインでのアクセス時間、帯域幅の消費量などのデータをレポートでチェックできます。アプライアンス専用のレポートエンジンが搭載されているので、データベースやソフトウェアを追加する必要はありません。レポート機能については、後でまた説明します。

次の特徴は、幅広いアプリケーションへの対応です。これは、効率的な帯域幅管理に不可欠な機能の1つであり、ストリーミングメディア、Skype、P2Pファイル共有、メッセージングなど幅広いアクティビティの制御をサポートします。ポリシーを設定することで、アプリケーションへのアクセスが必要なユーザのみにアクセスを許可し、それ以外のユーザにはアクセスを禁止することが可能です。たとえば、マルチメディアサイトへのアクセスは特定のクラス、キャリア関連のWebサイトへのアクセスはHR部門、Skypeへのアクセスは教師と事務スタッフ、というようにアクセスを制限するポリシーを設定できます。さらにレイヤ7のプロトコル分析とLDAPを連携させることで、グループポリシーの適用が可能になっています。

Barracuda Web Filterでは、一部のモデルでSSLインスペクションがサポートされています。現在、SSLを使用するWebサイトとソーシャルメディアプラットフォームが非常に多くなっているので、学校のネットワークに送信されるSSLトラフィックのチェックも必要です。SSLインスペクションでは、Web Filterで調査を行うドメインとカテゴリを設定できます。この設定に基づいて、Web Filterは調査対象のSSLトラフィックを復号化し、コンプライアンスポリシーを適用します。ソーシャルメディアへのアクセス制御については、バラクーダネットワークスのベン・バートル(Ben Bartle)が詳しく説明していますのでご覧ください。

以上のツールはすべて、ユーザによるコンテンツアクセスの管理を目的としたものですが、この機能は帯域幅の最適化でも効果を発揮します。インターネット使用状況のレポートでは、帯域幅の消費量を確認できるので、対策が必要な部分を特定できます。不明なSSLトラフィックがボトルネックの原因になっている場合は、SSLインスペクションできめ細かくチェックし、結果に基づいてポリシーを作成すれば問題を解決できます。午前中にネットワークが大幅に低速になるような場合には、各ユーザが午前中にどのような処理を実行しているかをレポートで確認します。この問題を解決するには、ポリシーの設定や、管理者との調整が必要になるでしょう。いずれにしても、正確で詳細なレポートは 帯域幅管理をサポートする素晴らしい味方になります。

最後に忘れてはならないのは、Barracuda Web Filterに内蔵されているスパイウェアおよびウイルス対策機能と、スパイウェアおよびマルウェアの除去機能です。ネットワークの帯域幅(とデータ)を浪費するマルウェアからネットワークを保護し、攻撃を防御することができます。また、USBドライブや私用の端末から侵入するマルウェアへの対策には、Barracuda Malware Removal Tool(マルウェア除去ツール)を利用し、マルウェアを検出して除去します。

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※本内容はBarracuda Product Blog 2014年3月14日 Bandwidth management with Barracuda Web Filterを翻訳したものです。

クリスティーン・バリー(Christine Barry)(バラクーダネットワークス、チーフブロガー)

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』4月4日付の記事の転載です。