10代の若者の間に広がるネットいじめについてはさまざまなリサーチセンターが調査を行っていますが、3人に1人、4人に1人、5人に1人など調査結果にばらつきがあります。ばらつきがあるのは問題ですが、それよりも問題なのは被害を受けている若者の割合が20%を下回ることがない、という点です。たとえば生徒数25人のクラスの場合、もしもこのクラスが「一般的」なクラスであれば、少なくとも5人の生徒がネットいじめの被害を受けているという計算になります。

オンラインコンテンツの作成方法が多数あるように、いじめにもさまざまな方法があります。少し考えてみただけでも、ソーシャルネットワーク、フォーラム、ブログ、写真投稿などがありますが、ほとんどのいじめは次の3つのタイプに分類できるでしょう。

直接的な嫌がらせ

非常に悲しいことですが、このタイプの嫌がらせはとても簡単にできてしまいます。よく使われる手段には、メール、SMS、インスタントメッセージなどがあります。また、ソーシャルネットワークやブログに誰かのうわさ話を書き込むというのもよくある手口です。また次のように、巧妙ないじめもあります。

  • 被害者のソーシャルネットワークの「警告」機能を使って、被害者の調査を依頼したり、アカウント停止に追い込む
  • 被害者の個人情報をインターネットに公開することにより、被害者をID盗難などの危険にさらす
  • 被害者にとって不愉快な質問(「彼女は太っていると思いますか」といった悪意のある質問)を作成する
  • マルウェアなどのアプリケーションを使って被害者の行動を偵察、または被害者のコンピュータを乗っ取る

ネットいじめの犯人は、あらゆる手段をつくして匿名または別人になりすまします。

別人になりすます

これもよくある手口であり、Gmailやhotmailなど本人確認なしの無料メールアカウントを使えば簡単にできます。被害者によく似た名前でアカウントを作成し、被害者になりすまして悪質な行為をオンライン上で行うわけです。また、次のような手口もあります。

  • 被害者のパスワード(またはデバイス)を盗み、本人になりすましてチャットを行う
  • ソーシャルネットワークで、被害者のアカウントプロフィールを無断で変更する
  • ソーシャルネットワークで、被害者の名前を使ってアカウントを設定する

このような行為は、被害者の社会的信用やイメージの低下をもたらします。

写真と動画

これは非常に酷い手口です。無防備な状態の写真を掲載して欲しい人など誰もいないわけですから、ネットいじめではよく使われる手口です。被害者が気付かない状態で撮影した写真(ジム、ロッカールーム、浴室など)や、プライベートな状態で撮影した写真が狙われます。いずれの場合も、次のような目的に悪用されます。

  • 要求通りに行動しなければ写真を公開すると脅迫する
  • PCメールや携帯電話のメールで写真をばらまく
  • 不特定多数が閲覧できるインターネットサイトに投稿する

また、これも非常に残酷な手口ですが、「実際に」いじめを行っている様子を動画に記録し、インターネットに投稿するというケースもよくあります。

このようないじめの標的になっているのは、10代の若者だけではありません。「She's a Home Wrecker」など、他人に復讐することを目的に作られたサイトがあります。また、すでに閉鎖されていますが「Is Anyone Up」など他人のヌード写真を無断でアップロードするサイトもあります。このようなオンラインコンテンツを取り締まる法規制はいくつかあるのですが、明らかな違法行為をしていない場合には、「Is Anyone Up」はまだ活動を続けている(しかも収益を上げている)可能性があります。

誰もがネットいじめの標的になる可能性があります。最も被害に逢いやすいのは10代の若者ですから、学校や大学での安全を確保することは社会の責任です。K12(幼稚園から高校まで)に携わっている方であれば、いじめに関するトレーニングをいくつも受講されたことでしょう。いじめのサインや兆候を見抜くことができれば、対処しやすくなります。

最後に、10代の若者が酷いいじめに逢い、それを克服したストーリーがGawkerに掲載されているのでご紹介しましょう。

※本内容はBarracuda Product Blog 2014年1月28日 3 types of cyberbullying that threaten students を翻訳したものです。

クリスティーン・バリー(Christine Barry)(バラクーダネットワークス、チーフブロガー)

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』2月18日付の記事の転載です。