今回から5回にわたって、20代~30代の方に、「今読んでおくべき」資産形成に関する情報をご紹介します。資産形成は時間を味方につけることが重要な要素になります。後になって、「もっと早く知っておけばよかった」と言うようなことがないよう、多くの方の参考になれば幸いです。第1回は若者の不安と意識について、等身大の視点でお話ししていきます。

資産形成というとどんなイメージをお持ちでしょうか。株やFXなどの資産運用を思い浮かべる方や、日本人に馴染みの深い預貯金などの貯蓄を思い浮かべる方が多いと思います。では、20代では一体どの程度の貯蓄や備えがあるのでしょうか。

ある研究所の就労者に対する調査では、20代の平均保有金融資産は500万円以上との結果が出ていました。この金額には、預貯金以外の株などの金融資産も含まれていますが、多くは預貯金と考えられます。

この20代の平均保有金融資産額を聞いた同世代のリアクションとしては、「マジかよ」と「まぁ、そんなもんでしょ」という二通りが予想されます。

ひとつ目の「マジかよ」というリアクションについては、筆者自身共感するところでもあります。私はこの数字を大変な驚きを持って受け止めました。恐らくこの記事を読んでいる方の中でも、私と同じような思いを持った人は少なくないはずです。

保有金融資産が増えない理由としては、「(1) そもそもの収入が少ない」か「(2) 支出が多い」かの2つの要素が考えられますが、筆者自身は交際費をはじめとした出費が重なっていることが要因と自分なりに分析しています。

20代の平均保有金融資産額に対するもう一方のリアクションとしては、人数の割合は少ないかもしれませんが「それくらいだよね~」や「まぁ、そんなもんでしょ」といったリアクションも考えられます。22歳で新卒入社として企業に就職し、年間60万円の貯蓄を30歳になるまでの8年間続けた場合でも480万円貯めることができます。決して楽な金額とは言えませんが、職種や勤め先によっては達成不可能な金額ではないでしょう。

しかしながら、この金額の貯蓄で安心と言えるのでしょうか。アクサ生命が行った調査では、20代のおよそ7割が将来(老後)に不安を感じていることがわかっています。

(出所) アクサ生命「将来のお金に関する意識調査」 2017年3月

将来の年金不安や税金等による可処分所得の減少等、お金の収入と支出に関する不安がある中で、30歳時点で500万円の貯蓄が果たして人生100年時代に安心できる老後の備えになるでしょうか。その答えは、30代~40代の資産形成期における人生設計(ライフプラン)にあると思われます。

結婚、住宅購入、子供の養育費等をライフプランに盛り込んでいるのであれば、現時点での500万円の貯蓄は、いくらかライフイベントのコストに消えてしまうでしょう。

では、今から老後に備えて何をすべきか。それは、収入を増やす努力・支出を減らす努力もそうですが、"お金にも働いてもらう"という考え方が重要になってきます。

詳細は、次回以降でお話ししますが、選択肢が多い今のうちから、20代で500万円貯められる方もそうでない方も、老後に向けた資産形成を考えてみませんか。

※写真と本文は関係ありません

執筆者プロフィール:アクサ『若者の資産形成を考える』プロジェクト


アクサは世界最大級の保険・資産運用グループ。日本ではアクサ生命等の生命保険事業、アクサダイレクトの自動車保険で知られる損害保険事業、資産運用事業、アシスタンスサービス事業を展開している。保険を活用した資産形成の分野ではユニット・リンク保険のパイオニア的存在。