保存したファイルを探すときに起動する「Spotlight」。反応が速く便利なツールですが、ファイル検索だけで満足ですか? 今回は、知ってトクするSpotlightの基本ワザと応用テクをお届けします。

とにかく速くSpotlightを起動するには

Spotlightに期待される最大の役割は「クイックレスポンスの検索」です。ひと呼吸おかなければ起動しないようでは利用価値が半減するため、とにかくスピーディーに起動できるようシステム設定を見直しましょう。

Spotlightの起動は、メニューバー左端の虫メガネをクリックするか、ショートカットキー「Command」+「スペース」を押します。虫メガネのクリックは一見かんたんですが、トラックパッドでカーソルを移動し狙いを定めてタップ/クリックすると最低数秒はかかります。ここはぜひ、ショートカットキーをマスターすべきでしょう。

幸い、ショートカットキーは自分が使いやすい組み合わせにカスタマイズ可能です。システム環境設定の「キーボード」パネルを開き、左側の欄で「Spotlight」を選択しましょう。現れた右側の欄で「Spotlight検索を表示」を選択(青色の状態)し、returnキーを押してから任意のキーの組み合わせを押せば……他の機能に使われていなければ、以降それがSpotlightを起動するためのショートカットキーとなります。お勧めは左手ですばやく起動できる「control」+「TAB」ですが、自分にとって覚えやすい組み合わせがベストです。

自分にとって覚えやすく使いやすく、かつ他のアプリと重ならないショートカットキーを割り当てましょう

アプリの起動にも使える

Macでアプリを起動する場合、画面下の「Dock」に登録したアイコンをクリックするか、Finderでアプリケーションフォルダを開きアイコンをダブルクリックするものですが、前者の場合事前にアイコンを登録しておかなければならず、後者の場合時間がかかります。しかし、Spotlightを使えばもっとスピーディーに起動できるかもしれません。

手順はかんたん、ショートカットキーでSpotlight画面を開き、そこにアプリ名の(先頭から始まる)一部を入力するだけ。日本語でも英語でもOKです。たとえば、「メモ」は「メ」と入力するだけで候補に「メモ」が、現れ、「no」と入力すれば「notes」(メモアプリの英語名は「notes」です)と残りを補完してくれます。カレンダー (Calendar)やシステム環境設定(System Preferences)など他の標準装備アプリはもちろん、サードパーティー製アプリでも同じ方法で起動できます。

この起動方法は、Spotlightで検索可能な領域であれば、アプリをどこに保存していても利用できます。ただし、アプリ名をある程度正確に記憶していることが前提ですから、アイコンの図柄を頼りに起動している人には不向きでしょう。

アプリ名の一部を日本語/英語で入力すれば、アイコンを探さずにアプリを起動できます

あんなことも、こんなこともSpotlightで

Spotlightは、ファイル検索/全文検索のためだけに存在するわけではありません。Macで作業するときに生じた"ふとした疑問・雑事"をすばやく片付けることが存在理由で、ファイル検索や全文検索もそのひとつに過ぎません。

たとえば、ちょっとした計算はSpotlightだけで片付けられます。使い方は「1500*25」など数式を入力するだけ、計算結果はただちにウインドウ内に表示されます。Yahoo!など多くの情報系WEBサイトと連携しますから、最新の為替レートの表示などお手のものです。ほかにも、天気や株価、測定単位の変換などにSpotlightを利用できます。

OS X El Capitanの時点では、マップアプリ上の地名やTwitterのタグ検索にも対応していますが、残念ながら日本語を含む文字列の検索は期待通りに動作しないことが多く、利用をお勧めできません。次のmacOS Sierraでの改良に期待しましょう。

為替レートの変換はSpotlightの得意ワザ。ブラウザを起動するまでもありません

ファイル名がわからなければ全文検索で

作成途中のファイル名を忘れてしまった、ということはありませんか? ファイルフォーマットにもよりますが、ワープロ文書など文字を含む書類の場合、そこに含まれる単語を手がかりにSpotlightで全文検索するという方法で解決できるかもしれません。Finderでやみくもに書類を開く前に、行方不明の文書で入力したはずの単語で検索してみましょう。

そう、Spotlightの強みは全文検索にあります。ワープロ文書にスプレッドシート、PDFまでもが全文検索の対象となります。それぞれ対応するアプリを起動することなく"串刺し検索"できることも、Spotlighの強みといえるでしょう。

「利用証明書」で検索したところ、PDFにある「利用証明書」という語句に反応しました

検索結果をじっくり確認するには

Spotlightの画面サイズは固定です。文字が小さくて読みにくい、ヒットしたPDFの内容をしっかり見たいけれど開くのも面倒、そんなときはFinderにあとの処理を委ねましょう。なぜなら、Finderを使えば「Quick Look」という"チラ見"に最適な機能を利用できるからです。

検索結果をFinderで表示するには、Spotlight画面のいちばん下にある「Finderにすべてを表示」を選択します。すると、Wikipediaや辞書アプリなどファイルとして存在しない一部の項目を除き、Spotlight画面の内容がFinderウインドウに表示されます。あとはじっくり見たいファイルを選択し、スペースキーを押せばQuick Lookするのもアプリで開くのも自由自在です。

「Finderにすべてを表示」を選択すれば、Spotlightの検索結果をFinderに引き継ぐことができます