性能/価格のバランスがよく質感も高い「MacBook Air」ですが、内蔵SSDの容量は控えめです。絵エントリーモデルの128GBは音楽を貯め込むには明らかに容量不足、ポータブルオーディオプレイヤーを併用することが現実的です。ではなにを選ぶか……キーワードは「ハイレゾ」と「容量」です。
MacBook Airに適したポータブルオーディオを考える
MacBook Airにベストフィットのポータブルオーディオ? そりゃ「iPhone」とか「iPod touch」でしょ……という答えが一般的でしょうが、個人的にはどうなのかと思います。確かにiTunesを介して曲を同期できるのは当たり前、アプリの管理からファームウェア(iOS)のアップデート、電子ブックなどの管理まで、使いやすさの点では申し分ありません。デザインにも一貫性があるので安心して選べます。
しかし、それは「Mac」での話。MacBook Airに限定すると、どうでしょう? 内蔵SSDが128GBのエントリーモデルでいうと、システム領域を除いた実質的な空き領域が90GBほどですから、空き容量を気にせずiTunesに曲をどしどし貯め込むわけにはいきません。iPhoneユーザであれば、写真や動画を保存しておくための領域を残しておく必要があります。
それに、iPhone/iPod touchは、いわゆる「ハイレゾ音源」を考慮していない仕様となっています。Dock/Lightning経由で48kHz/24bitという情報量をデジタル出力することは可能ですが、ハイレゾ配信サイトで扱われることが多いFLACフォーマットはiTunesで扱えず(転送/同期できない)、96kHz/24bitや88.2kHz/24bitといったデータレートをそのまま再生することはできません。
では、目線を変えてApple以外の製品はどうでしょう? たとえば、SONYのウォークマン「NW-F880」シリーズ。iTunesは使えませんが、付属のMac用ソフトを使えばFinderからドラッグ&ドロップで曲を転送できます。AACやALAC(Apple Lossless)といったiTunesで扱うサウンドフォーマットのサポートはもちろん、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源も再生可能です。ノイズキャンセリング機能を使えば、騒々しい地下鉄車内でもクリアな音を楽しめます。
機能満載のハイレゾプレーヤー「AK120」を組み合わせてみた
Astell & Kern(アステルアンドケルン)の「AK120」は、機能を補完しうるという意味で、MacBook Airとベストマッチのポータブルオーディオといえるかもしれません。DSD(Direct Stream Digital、1ビットパルス信号の密度で音の大小を表現する)やFLAC 192kHz/24bitの再生が可能などハイレゾ対応はもちろんのこと、高級オーディオにも採用されているDACチップ・WM8740を左右チャンネルに各1基の計2基搭載という贅沢なスペックにも注目です。
使い方はかんたん、USBケーブルでMacと接続し、AK120側のメニューで「充電&データ」をタップすればOK。するとMacにUSBマスストレージとして認識され、Finderで操作できるようになります。曲の転送は、適当なフォルダを作成し、そこへ曲をドラッグ&ドロップするだけ。アンマウントしてケーブルを外せばAK120が自動的に楽曲データベースの更新を実行するので、あとは液晶をタップして再生などの操作を行うだけです。
ポータブルUSB DACとして使える点も特徴です。ケーブルでMacとつなぐだけでOK、ドライバは必要ありません。「Audirvana Plus」などのハイレゾ音源に対応した再生ソフトを使えば、Mac上の音源を直接楽しめます。
microSDカードスロットを2基搭載しているので、容量の上限を気にする必要はありません。現在のところ、iPhoneのディスク容量は最大64GBですが、アプリなど他の用途を考慮すれば音楽に割けるのはよくて半分といったところ。膨大な容量のサウンドライブラリを抱えているユーザにとっては、この点が最大の魅力に映るかもしれません。
デザインも秀逸です。素の状態はメタリックで男性的ですが、イタリアの職人による天然レザー使用の手作りケースを装着すると、リッチな雰囲気に一変します。イヤフォンと色をあわせるなど、シャレこんでみるのも一興かもしれませんよ。