【コラム】

リンゴ印のライフハック

11 新しいiMacがキビキビしている理由

11/39

ノートパソコンの売りが「身軽さ」だとすれば、デスクトップパソコンの売りは「速さ」ではないでしょうか。速さは操作のキビキビ感に直結しますから、日々の作業効率にも影響してきます。今回は、最新型iMacのキビキビ感の理由に迫ります。

"キビキビ感"がもっとも重要

パソコンを使うとき"もっとも気になる"部分はどこでしょうか? ハードウェアデザインやシステムの完成度を置いておくとすれば、意のままに操れるかどうか、キビキビとした反応が得られるかどうかではないでしょうか。その反応のよさが、生産性を向上するだけでなく、操作時のストレスを和らげてくれます。考えてもみてください、キーを1回叩くたびに一瞬待たされるとしたら……そんなパソコン、誰も使いたがりませんよね。

だから、Macを選ぶときに「処理速度」は重要な指標となります。その判断材料としては、CPUの性能(クロック数やコア数)、搭載するメモリの容量、内蔵ディスクの種類(HDDまたはSSD)などが挙げられますが、どれを欠いても速度低下の原因となります。

とはいえ、Webブラウジングやメールの読み書き、iTunesでの音楽再生といった比較的軽めの処理では、それほど高いCPU性能は求められません。数年前に発売されたMacでも、これらの処理は軽々やってのけるでしょう。メモリの容量も、不足するとシステム全体の反応が鈍くなる -- 仮想メモリの一部をディスク上に退避させる「スワップ」と呼ばれる処理が発生するため -- ものの、操作のキビキビ感には直接影響しませんし、いざとなれば増やすことが可能です(MacBook Airのように増設できないMacもあります)。

実際のところ、日常作業でのキビキビ感にもっとも強く影響するのは、内蔵ディスクの種類ではないでしょうか。内蔵ディスクがSSDであれば、システムの起動がスピーディーに完了しますし、アプリケーションもすぐに起動します。ファイルの読み書きも、HDDに比べ圧倒的に高速です。数年前のMacでも、内蔵ディスクをHDDからSSDに交換すれば、最新機種に劣らないほどのキビキビ感で作業できることでしょう。

しかし、SSDは容量当たりの単価が高く、HDD並の大容量をおいそれと手に入れることはできません。HDDの大容量とSSDの高速さがあれば……そんな要求を満たしてくれるのが、最新のiMac(Late 2012)とMac mini(Late 2012)の一部モデルに採用されている「Fusion Drive」。早い話が、HDDとSSDの"いいとこ取り"で、これからのデスクトップ型Macには必須ともいえる機能です。

「このMacについて」で内蔵ディスクを確認したところ、HDDとSSD各1台が搭載されているにもかかわらず、「Fusion Drive」が1台と表示されています

「システム情報」を表示したところ、1TBのHDDと128GBのSSDが内蔵されていることを確認できました

Fusion Driveのしくみ

Fusion Driveは、SSDとHDD各1台で構成される論理ドライブ -- OSの機能であたかも物理的に存在するかのように構成されたドライブ -- です。iMacを例にすると、1テラバイトのHDDと128GBのSSD各1台が内蔵されていますが、Finderや「このMacについて」では1台のディスクとして認識されています。

システム上は1台のボリュームですから、ユーザはSSDとHDDの関係を意識する必要がありません。1台のディスクとして読み書きできますし、どのフォルダに書き込めば速い/遅いか、といった使い方による性能差も生じません。

ただ、読み書きは(独立して存在する)SSDに直接行うときと変わらないほど高速です。システムの再起動は10秒前後で完了しますし、アプリケーションもDock領域でアイコンが1~2回バウンドする程度で起動します。ファイルの読み書きを伴う処理で待たされることは、かなり減るでしょう。

そのしくみですが、おおまかにいうと「SSDを優先的に使い、容量が不足したらHDDに書き込む」という処理がシステムレベルで実行されています。あわせて使用頻度の高いファイルを定期的にHDDへ再配置し、SSDに空き領域を確保することも行われます。

SSDからHDDへファイルが再配置されるときには、外周部から内周部へ向かって書き込まれます。これは、円盤状の構造を持つHDDの特性を考慮したもので、外周部のほうがアクセス速度に優れ、内周部へ近づくにつれ速度が低下するからです。

このように、SSDの高速性とHDDの大容量を組み合わせたディスクとして無意識に使えるFusion Driveですが、一部の機能に制限があります。それは、1台のFusion Driveに作成できるパーティションは最大2つで、第2パーティションはSSDを参照できない、つまり高速性を発揮できるのは第1パーティションだけ、ということです。パーティションを分割して使い分けよう、と考えている場合には注意しましょう。

Finder上では、特に変わりのない1台の内蔵ディスクとして認識されています

Fusion Driveに作成できるパーティションは最大2つ、しかも第2パーティションは高速化されないという注意点があります

11/39

インデックス

連載目次
第39回 Macでも「Siri」を使いこなそう
第38回 「macOS Sierra」に備えよう
第37回 ACアダプタのケーブル被膜が破れたら
第36回 Macの「Spotlight」はこう使おう
第35回 USBメモリを快適に、安全に使うには
第34回 TABキーをマスターすればMac使いこなしレベルがランクUP!
第33回 「iPhoneのテザリング」を徹底活用
第32回 Macのありがちトラブル、これで解決(2)
第31回 Macのありがちトラブル、これで解決(1)
第30回 Macだからできる、iPhoneユーザにとってメリットのある機能は?
第29回 iPhoneの流儀はMacに通じる!? (2)
第28回 iPhoneの常識はMacにも通用する!? (1)
第27回 Macで確定申告に挑戦! ~完結編~
第26回 Macで確定申告に挑戦! ~苦闘編~
第25回 Macで確定申告に挑戦! ~導入編~
第24回 Macbook Airの発熱は、内蔵ファンの掃除で予防!
第23回 Windows XPからMacへ
第22回 NASを買うなら「nasne」がおトク!
第21回 「画面共有」を使えば、こたつから離れた部屋のMacを操作できる!
第20回 トラブルシューティングには「Apple Diagnostics」
第19回 Wi-Fiが遅い!? その原因を探るには
第18回 ある日Macが起動不能に!? もしものデータ消失に備えよう
第17回 MacBook Airで本当に"使える"テザリング環境を目指して
第16回 MacBook Airにベストフィットのポータブルオーディオは?
第15回 Mavericksのインストールディスクを作成しておくと、後々ベンリ!!
第14回 MacBook Air 11インチに最適のモバイルストレージは?
第13回 「ThunderboltはあるけれどUSB 3.0非対応なMac」のパワーアップ
第12回 いまあるMacを「Mavericks」で快適に使いたい (前編)
第11回 新しいiMacがキビキビしている理由
第10回 iTunesのレンタル映画を徹底的に楽しむ方法
第9回 まだマウス? iMacでも使いたい「Magic Trackpad」
第8回 近ごろのMacで音楽を愉しむための"お約束"
第7回 MacBook Airのディスクスペースを増やす"おまじない"
第6回 iPhoneとセットで使いこなしたい「Webページ同期術」
第5回 MacBook Airを買ったら! お勧めの基本ワザ10選(後編)
第4回 MacBook Airを買ったら! お勧めの基本ワザ10選(前編)
第3回 Retinaディスプレイなら花の写真がよりキレイに
第2回 外出先で便利な「テザリング」をご紹介!
第1回 はじめてのMac、最初の一歩は「iCloud」から

もっと見る

人気記事

一覧

新着記事