スタイルに惹かれて購入したものの、イマイチ使い方がわからなくて……という声を耳にすることもある「MacBook Air」ですが、はてさて。ちょっとした知識や設定変更で悩みは氷解、一気に新次元へ到達しますよ。今回は、MacBook Airビギナー向け基本ワザ10選の後編をお届けします!

6. 「秒速シャットダウン」でバッテリー節約!

数時間以上Macを使わないとき、どうしていますか? ノート型Macは、液晶パネルを閉じればスリープモードに入りますから、なにも考えずパタンと閉じればOK。しかし、半日とかまる1日使いそうにない、とすれば……スリープモードとはいえど、ある程度は電力を消費しますから、システムをシャットダウンしたほうがバッテリーの節約になります。

シャットダウンは手間と時間がかかるからイヤ、という考え方はMacBook Airにはあてはまりません。現行機種は全モデルがSSDを採用していますから、システムの終了/再起動もそれぞれ数十秒程度。HDDほど電力も消費しません。

それに、シャットダウンがとてもかんたん。キーボード右上にある電源キーを押すと、「システム終了」というボタンが選択された状態でダイアログが現れるので、そのままenterキーを押せばいいのです。スリープとあまり変わらない速さでシャットダウンできますよ。

シャットダウンの操作はかんたん、まずはキーボード右上の電源キーを押しましょう

表示されたダイアログでは「システム終了」ボタンがあらかじめ選択されているので、電源キーを押した指を下へ滑らせenterキーを押せば、数秒ほどでシャットダウンできます

7. iPhoneのバックアップ先は「iCloud」で決まり

MacBook Airを選ぶユーザの多くは、携帯電話にiPhoneを利用していることと思います。iPhoneが気に入ったから(Appleつながりで)パソコンをMacに変えた、という話もよく耳にします。実際、アプリ間の連携などの使い勝手においてはWindowsマシンを上回ります。

でも、よく考えて。MacBook Airの内蔵ディスクはSSDですから、容量は少なめです。11インチモデルを例にすると、64GBと128GBの二択(Apple StoreのBTOを除く)、しかも工場出荷時点でOSなどシステム用に約20GBが消費されています。iPhoneのアプリや写真/動画が増えると、バックアップファイルはすぐにGB単位になりますから、貴重なMacBook Airのディスクスペースを圧迫します。

自宅に他のパソコンがない場合、iPhoneのバックアップ先は「iCloud」にすることをお勧めします。無料で最大5GBを利用できますから、ヘビーユーザでないかぎり追加料金は発生しません。

iPhoneのバックアップはワイヤレスで処理できるからかんたんですが、貴重なSSDの空きスペースを大量に使ってしまいます

iPhoneで『設定』→「iCloud」→「ストレージとバックアップ」の順に画面を開き、「iCloudバックアップ」スイッチをオンにすれば、バックアップ先はiCloudに変更されます

8. ときどきキャッシュを削除する

他のMacに比べてディスクスペースが少なめのMacBook Airですが、「ムダ」なファイルをまめに削除すれば、ふだん使うには不自由することはありません。使わないアプリケーションはすぐ削除、動画や写真といった嵩ばるファイルはまめに外部ディスクへ保存、といった効率的な使い方を心がけましょう。

次第に増える「キャッシュファイル」にも要注意です。特にサイズが嵩むのはSafariなどWebブラウザのキャッシュファイル。再表示を高速化する目的で、近ごろのWebブラウザは表示内容をキャッシュとして保存するため、閲覧したページ数が増えるにつれキャッシュは増加します。

Safariの場合、メニューバーで「Safari」→「環境設定...」を選択し、「詳細」タブの下にある「メニューバーに"開発"メニューを表示」をチェックします。すると、メニューバーに「開発」という項目が追加されるので、そこから「キャッシュを空にする」を選択すれば、すべてのキャッシュが削除されます。

Safariの環境設定パネルで「詳細」タブを開き、「メニューバーに"開発"メニューを表示」をチェックします

メニューバーに「開発」が追加され、そこから「キャッシュを空にする」を選択できます

9. Time Machineの「ローカルスナップショット」を知ろう

OS Xの「Time Machine」は、起動ボリュームのすべてを外部ディスクにバックアップする機能です。例外を設けないかぎり、一定のサイクルであらゆるファイルがコピーされるため、いらないと思い削除したファイルが実は重要だった、などということがありません

しかし、基本的に外部ディスクが保存先として利用されるため、持ち運ぶことが多いMacBook Airはバックアップが滞りがちです。それではTime Machineの効果はない……

いえいえ、それなりのメリットはあります。Time Machineには「ローカルスナップショット」という機能があり、外部ディスクを接続していなくても内蔵ディスクの空きスペースを利用し、変更が生じたファイルを自動バックアップしてくれます。大容量の外部ディスクがなくても、使わなくなったUSBメモリを(ダミーの)Time Machine用ディスクにしておけば、うっかり削除したファイルの復元に役立ちますよ。

使用していないUSBメモリを(ダミーの)Time Machine用ディスクとして登録すれば、そのまま外していても「ローカルスナップショット」が動作します

ローカルスナップショットはTime Machineディスクを接続していない状態でも動作するので、うっかり消してしまったファイルの復元に役立ちます

10. 「HDMIアダプタ」で大画面出力

MacBook ProにあってMacBook Airにないものの1つが「HDMIポート」です。HDMIケーブルで大画面テレビにつなげば、資料を複数メンバーで見たいとき、仕事でプレゼンしたいときに役立ちますが、残念ながらMacBook Airにはありません。

しかし、Thunderboltポートを使う手があります。ThunderboltはMini DisplayPortとピン互換ですから、Mini DisplayPortをHDMIに変換するコネクタを用意すればいいのです。いくつかのサードパーティーから2~3千円程度で販売されているので、好みのものを選べます。

Thunderboltポートでは、Mini DisplayPort用HDMI変換アダプタを利用できます(写真はBelkin Mini DisplayPort-HDMIアダプタ)

液晶テレビなど大型のディスプレイに、MacBook Airの画面を出力することができます