「Pixel 2」のロック画面(写真01)では、従来と同じく、壁紙が表示され、時刻や通知カードが表示されます。ロック画面では、画面下左右のアイコンでカメラとGoogle Assistantを起動することが可能になっています。

写真01: Pixel 2のロック画面。通常は中央に通知が表示される。画面下の左右は、カメラとGoogle Assistantの起動アイコン

Androidでは、一定時間利用しないと、自動的にスリープ状態に入り、画面が消えますが、Pixel 2では、常に時刻や通知アイコンを表示する「アンビエント表示」が可能です(写真02)。多少バッテリ寿命に影響するはずですが、気になるほどではなく、デフォルトでオンになっています。これは、扱いとしては、従来のAndroidのスリープ状態と同じようです。Android Wearに時計を表示するための同様の機能があるので、そこから来た機能なのかもしれません。なお、バッテリ寿命に関しては、もう少し調べてから別途レポートします。

写真02: 「設定 ⇒ ディスプレイ ⇒ 常に画面表示」を使って、アンビエント表示をオンオフできる。また、画面のダブルタップでスリープを解除することも設定可能

アンビエント表示をやめると、「端末を持ち上げて通知をチェック」機能が利用できるようになります(写真03)。こちらの機能は従来からあった機能です。

写真03: アンビエント表示をオフにすると、「端末を持ち上げて通知をチェック」が利用できるようになる

曲名を表示できる

また、このアンビエント表示では、その場で聞こえる音楽を自動的に検索して曲名を表示する機能(写真04)があり、設定でオンオフを行うことができます(写真05/06)。この機能、ヘルプによれば、オフラインで音楽を認識し、Googleへ情報が送られることはないといいます。その代わりなのでしょうか、音楽認識用のクラウドサービスなどと比較すると認識できる曲が少ないようです。筆者の手持ちの日本の曲はまったく認識されず、QueenやBeatlesなどの超有名アーティストの多くの曲は認識されるものの、Tangelin Dreamあたりになるとまったく認識されませんでした。

写真04: アンビエント表示やロック画面では、音楽を認識して曲名を表示する機能がある。ただし、表示は、曲名とアーティスト名だけの簡易なもの。本文にあるように認識できないことも少なくない

写真05/06: 「設定 ⇒ セキュリティと現在位置 ⇒ ロック画面の設定」で音楽認識機能のオンオフが可能。設定ページの説明によると、この機能はオフラインで動作し周囲の音などをGoogleに送信することはないという

曲の認識には30秒から1分程度かかります。場合によっては1分30秒程度かかったものもあります。一回認識が行われたのち1分程度で認識表示が消えるところをみると、1分程度待っても認識されないものは対象外と考えてよさそうです。そう考えると、曲名が表示されていたらラッキー程度の機能なのかもしれません。音楽認識アプリは、無料のものがいくつもあるので、特にこの機能に依存する必要はないでしょう。

指紋リーダー

Androidでは画面が消えてスリープ状態に入っているときには、電源ボタンでスリープを解除してロック画面を表示します。Pixel 2では、アンビエント表示やスリープ状態から画面をダブルタップしても画面がオンになり、ロック画面を表示できます。これは設定でオンオフが可能です。

Pixel 2がロック状態のとき、実際には、「ロック画面表示中」、「スリープ(画面オフ)」、「アンビエント表示」の3つの状態があります。アンビエント表示は、CPUなどはスリープ状態にあり、実際には、スリープ状態に「画面オフ」と「アンビエント表示」の2つの状態があります。これに対してロック画面を表示しているときにはスリープは解除された状態になっています。

このうち電源ボタンや画面のダブルタップ(設定したとき)は、スリープの解除は行いますが、ロック画面を表示します。これに対して、指紋リーダーは、前記のどの画面からでもロックを解除し、ロック画面を表示さずに、ロック前に表示していた画面に復帰します。

また、Androidには、スマートロック機能があり、信頼した「場所」、「Bluetoothデバイス」、「顔」、「音声」でロックを解除することができます(写真07)。ただし、これは、ロックを解除するときにPINやパスワード入力が不要になるだけで、電源ボタンなどでスリープを解除してもロック画面自体は表示され、手でスライドさせて前回利用中の画面に復帰させなければなりません。

写真07: Pixel 2では、「場所」、「他のBluetoothデバイス」、「音声」、「顔」でロックを解除できる。また、持ち歩いているときに一回ロックを解除するとその状態を続ける設定も可能

この点からすると、ロックを解除するのは、指紋リーダーを使うのが一番便利です。Pixel 2の指紋リーダーは、ホーム画面などでは、指を下にスライドさせると「通知シェード」を開き、さらにスライドさせると「クイック設定」を開いてくれます。上にスライドさせると、クイック設定や通知シェードを閉じます。なので、スリープ状態から通知を確認するのは、「指紋リーダーのタッチ」、「下にスライド」といった指の操作だけで完了でき、通知シェードを閉じるのも指紋リーダーを指を上にスライドさせるだけです。

クイック設定には、背面カメラのLEDフラッシュをオンにするライト機能があり、これをオンにするのも、指紋リーダータッチ、スライド、スライド、アイコンタッチと4手で操作でき、しかも真っ暗でも操作が可能です。

最初のうち、指紋リーダーでロックを解除したのち、画面を操作して通知を表示させてしまいたくなりますが、慣れてしまうと、かなり便利で他の機種には戻りたくなくなるほどです。

指紋リーダーの位置に関しては、NFCアンテナとの関係で、側面や正面といった位置を好む人もいます。筆者も他の場所に指紋リーダーがある機種を使ったことがあります。それぞれに一長一短ありますが、背面の場合、ポケットなどに出し入れする場合に間違って触る可能性がなく、前述のようにスライド操作などが行いやすいというメリットがあります。反面、液晶面を上にして机の上などに置いた場合には、持ち上げないと指紋リーダーが使えない、支払アプリなどでNFCとの併用がしにくいといった面もあります。

前者に関しては、アンビエントモードで常に時計が表示されていること、電源ボタンでスリープ解除ができることからあまり問題にならないはずです。後者に関しては、Pixel 2のNFCアンテナが背面上部(色が変わっている部分)、カメラの隣あたり、つまり指紋リーダーの上にあるため(写真08)、支払時にこの部分をNFC機器に当てる必要があります。相手機器の形状やプロトコルなどにも関連するので、常に使いにくいともいえないのですが、問題になる場合もあるでしょう。

写真08: GoogleのPixel 2ヘルプページ。これによれば、図の「8」の位置にNFCアンテナがある。このため、NFCで通信を行いながら指紋認証を行うのが困難になる可能性がある(こちらのヘルプより)