【コラム】

塩田紳二のアンドロイドなう

66 「NVIDA SHIELD」のハードウェア

塩田紳二  [2014/04/01]

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先週、米国で開催されたNVIDIAのイベントに参加して、NVIDAのSHIELDを入手しました。ニュースなどで報じられているように、参加者に配布が行われたのです。基本的に筆者の製品レビューは、自腹で購入したものなのですが、SHIELDは、国内販売もされておらず、ご存じない方もいらっしゃると思い、紹介することにしました。

NVIDA SHIELDの液晶を開いたところ。開けるとコントローラー類が出てくる

SHIELDは、TEGRA 4を使ったアンドロイドの「ゲームマシン」です。なぜかというと、ゲーム専用機のコントローラーのような形状をしていて、フタの部分が液晶で、開くと2つのアナログスティックやカーソルキー、4つのファンクションボタンなどがあるのです。これまでに携帯用のゲーム専用機はいくつも登場したのですが、最大の特徴は、標準のアンドロイド(最新版はAndroid 4.3Jelly Beanだが2014年4月にKit Katの提供が予定されている)が搭載されており、Playストアも利用でき、液晶はタッチパネル付きなので、形状以外は、ごく普通のアンドロイドマシンとして利用できるのです。

ゲーム機なので、携帯電話のネットワークには接続できませんが、Wi-FiとBluetoothがあって、アンドロイドのタブレット同様にネットワーク接続して利用可能です。

SHIELDの形状は、前述のようにゲーム専用機のコントローラーと同じですが、フタがついていて、そこが液晶になっています。持つとずしりとした重さがあります。Webサイトによると579グラムあるとのことです。重い理由の1つは、大容量のバッテリが搭載されているからです。28.8Wh(ワット時)となっているため、3.7ボルト出力だとしたら、7800mAhになり、普通のスマートフォンに比べるとかなり大きなサイズになります。重いのでスマートフォンのように片手で持つのはツライ感じです。背面を見ると、排気口があり、もしかしたらファンが入っているのかもしれません。SHIELDには、後述するように自宅のテレビなどに接続してゲームを行う機能もあります。

フタの表側は、銀色で、それ以外は黒、材質はプラスティックですが、底面の左右(手のひらで支える部分)は、少し柔らかく、摩擦のあるザラザラした感触があります。滑り止め的な意味があるのでしょう。

感じとしては、PS系よりもXBOX系のコントローラーに似ている感じです。SHIELDに限らず、米国のゲームパッドやコントローラーは、みんなXBOXのものによく似ています。日本国内のゲームパッドがファミコンのそれによく似ているのと同じ感じです。

フタの銀色の部分は、磁石で固定されていて、「カスタムアーマー」と呼ばれています。外れるようになっていて、オプションのカスタムアーマーが用意されているようです。グラスファイバー模様などのアーマーがあり、変えると見た目の印象が少し変わりますが、2種類程度しかなく、変えたとしても周囲は黒なので、大きく印象を変えて、かわいい女の子が持っていても似合うなんてことはなさそうです。

フタを占めた状態のSHIELD。両手に持って使う形状で、なんとなく、宇宙人の戦闘機的な感じがある

本体前面部分ここにコネクタ類が週中している。写真では見えないがスリットの奥にヒートシンクがみえる。左右にあるのがアナログトリガーとパンパーボタン

ゲーム機のコントローラーと同じく、液晶の下には、カーソルキー、アナログスティック2本(押し込みボタン付き)とA、B、X、Yの4つファンクションボタン、アンドロイドのバックキーやホームキーに相当する4つのボタンと緑に光るNVIDIAボタンがあります。また、持ったときに人差し指にあたる部分には、アナログトリガーとバンパーボタンが左右に配置されています。

NVIDIAボタンは電源ボタンを兼ねていますが、起動中に押すと、NVIDAメニュー画面が開きます。また、NVIDAボタンのまわりにある4つのボタンのうち「スタート」ボタンは、一般的なアンドロイドには装備されていないキーです。アンドロイドでは、物理ボタンは原則キー扱いで、キーボードと同じ部分で処理が行われます。なので、「スタートキー」なのでしょうが、NVIDIAは「スタートボタン」としているため、その呼び方に従いました。

最近のアンドロイドには必須の「最近使ったアプリ」ボタンは、ホームキーの連続2回押しで起動します。ホームキーの長押しは、Google Nowになっているので、このような割り当てになったのだと思われます。

また、左右のトリガーボタンの間には、コネクタ類が配置されていて、充電端子兼用のマイクロUSBコネクタ、ミニHDMIコネクタ、マイクロSDカードスロット、ヘッドセット/ヘッドホン端子があります。ここにスリットがあり、その奥にヒートシンクのようなものが見えます。

スピーカーはステレオで、コントローラー面の上部に配置されています。基本的には、ゲーム用に作られた配置といっていいでしょう。

中央の大きなボタンがNVIDIAボタン。周囲にあるのがバックキー(左下)、ホームキー(右下)、ボリュームキー(左上)、スタートボタン(右上)、上部左右の銀色の部分がスピーカー

カスタムアーマーを外したところ。2種類のカスタムアーマーがオプションとして販売されている。価格は19.99ドル

付属のACアダプタとUSBケーブル。ACアダプタはNVIDIAのロゴ入り。USBケーブルにはSHIELDアイコンが付いている

スペックは(表01)のようなものです。画面は、1280×720ドット、液晶サイズは5インチで、標準状態では、横長状態で使います。一部のアプリは、画面の向きに関係なく強制的に縦向き表示するものがあります。また、機能としては、SHIELDにも画面回転機能があるのですが、このとき、コントローラー側の動作を90度ずらす機能はないようです。なので、横になった画面をみながら、直角の方向のキーを動かすという面倒な場面もあるのですが、たいていは、タッチでなんとかなるので、実用上の問題はないでしょう。

■表01
NVIDA SHIELD
SoC Tegra 4
CPU Cortex-A15×4+1
クロック周波数 最大1.9GHz
GPU 専用GPU
画面解像度 1,280×720
画面サイズ 5インチ
ストレージ 16ギガバイト
メモリ 2ギガバイト
無線LAN 802.11a/b/g/n(2.4/5ギガヘルツ)
メモリカード マイクロSDカードスロット
外部モニタ出力 ミニHDMIコネクタ
Bluetooth 4.0
センサー GPS/Gyro/加速度
バッテリ 28.8 Wh
サイズ 158×135×57mm
重量 579グラム

さて、ざっとさわってみたのですが、一般的なアンドロイドをコントローラーで利用するために、いろいろとソフトウェア的な工夫がされているようです。たとえば、左アナログスティックは画面のスクロールに利用でき、右アナログスティックはポインティングデバイスとして動作します。

今週も米国なので、このあたりのソフトウェア的な部分については、次回ご紹介します。

ざっとさわった感じ、全体の仕上げはわるくなく、筆者のようにゲームになれていないユーザーでも1時間程度はゲームで遊べるぐらいの感じで使えます。バッテリもあまり減らない感じがあり、丸一日の外出をカバーできそうな感じがあります。ただ、良くも悪くもアンドロイドなので、アンドロイドのゲームでもいいという人向けでしょうか。

本稿は、2014年3月31日にAndorid情報のWeb専門誌「AndroWire」に掲載した記事を再構成したものです。

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インデックス

連載目次
第118回 「Android N」プレビュー その2、Nの改良点
第117回 「Android N」プレビュー その1
第116回 「ZenWatch 2」の充電動作を調べて見た
第115回 Android Wearのバッテリ関連機能を検証してみる
第114回 Android Wearを再評価してみる
第113回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その3)
第112回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その2)
第111回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その1)
第110回 画面キャプチャに便利なシステムUI調整ツール
第109回 2016年の注目はタブレット
第108回 「Nexus 5X」と「USB Type-C」
第107回 「Nexus 5X」と「LTE」
第106回 Android 6.0 ストアとアプリ
第105回 Nexus 5XでみるAndroid 6.0 Marshmallow
第104回 「Nexus 5X」を買いました
第103回 「Android Mのプレビュー3」を試す(前編)
第102回 Android M プレビュー2 (準備編)
第101回 「LG G Watch」のその後
第100回 「Zenefone 2」買いました
第99回 ちいさくてかわいい「LG L20」、イギリスで買ってみました
第98回 「Google日本語入力」アップデートで何が変わった?
第97回 どのアプリで開く? 「インテント」の仕組み
第96回 「OneNote」をつかってみた
第95回 ロリポップのマテリアルデザインをまとめてみる
第94回 「Email Markup」って何?
第93回 Outlookは来たけれど
第92回 Office Previewつかってみた
第91回 Google INBOXを使ってみる
第90回 AndroidWareの文字盤を自作する
第89回 Android Ware Lollipop版
第88回 「Nexus Player」を試す - ソフトウェア編
第87回 「Nexus Player」を試す - ハードウェア編
第86回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ソフトウェア(Lollipop)編
第85回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ハードウェア編
第84回 充電しながらUSBデバイスが使えるホストケーブル
第83回 Android "L"プレビューとAndroidWareがアップデート
第82回 ちょっとイケてる「Kyocera Hydro Vibe」
第81回 Android "L" バッテリ消費を監視する
第80回 アクセスポイントの基本を知る
第79回 OneDriveとGoogleドライブ
第78回 シェルのネットワーク関連コマンド
第77回 "L"の中身
第76回 アンドロイドウェア(Android Wear)は暫定バージョン?
第75回 LGのスマートウォッチ「G Watch」
第74回 "L"がくる
第73回 次は「Lollipop」か? その前にKitKatが4.4.3に
第72回 VPNを使う その3 「VPNをアンドロイドから使う」
第71回 「Chromecast」とは?
第70回 VPNを使う その2 「VPNサーバーを立てる」
第69回 VPNを使う その1 「基礎編」
第68回 アンドロイドのストレージ
第67回 「NVIDA SHIELD」のソフトウェア
第66回 「NVIDA SHIELD」のハードウェア
第65回 HDMIとMHL、SlimPort - ディスプレイ接続端子を整理してみる
第64回 「LG L1 II」を買ってみた
第63回 アンドロイドに音楽を「聞かせる」
第62回 住所録の秘密
第61回 Outlook.comをカレンダーに表示する
第60回 ソースコードはどこにある?
第59回 AndroidのBluetoothテザリングとWindows 8.1
第58回 NFCでマニュアル参照を簡単に
第57回 あらためて「ポータブルアクセスポイント」をきちんと試してみる
第56回 「ビルド番号」ってなに?
第55回 画面キャプチャをバッチファイルで実行
第54回 adbコマンドをちょっと解説
第53回 「android 4.4 "Kit Kat"」で画面を録画する
第52回 「android 4.4 "Kit Kat"」の内部的な変更点
第51回 「android 4.4 "Kit Kat"」を解説
第50回 「Nexus 5」を買ってみた
第49回 Google Keepはリマインダーだった
第48回 android 4.2からサポートされた「ワイヤレスディスプレイ」
第47回 画面キャプチャー
第46回 ヘッドセットの秘密
第45回 Nexus 7のLTEモデル
第44回 Nexus 4買いました。アメリカで。
第43回 ブートローダーとfastboot
第42回 Jelly Beans 4.3 Returns
第41回 Chromecast、テレビに刺さる
第40回 デバイスマネージャでAndroidの位置を確認
第39回 新しいNexus 7を買ってみた
第38回 Jelly Beans 4.3
第37回 レノボ「K900」を国際版化
第36回 NFCで遊ぶ
第35回 自宅で簡単ファイル転送
第34回 レノボ「K900」のカスタマイズされたJelly Beansを見てみる
第33回 CloverTrail+のスマートフォン、レノボ「K900」を買ってみた
第32回 AndroidがBluetooth 4.0を正式サポート
第31回 ARMの次世代CPU「Cortex-A12」
第30回 SDKをインストールしよう
第29回 ウィジェットを活用
第28回 QRコードでお手軽設定
第27回 XPERIA Tipoとロンドンアンロック屋事情
第26回 diNovoキーボードを使う
第25回 キーボードをカスタマイズする
第24回 Androidキーボードのしくみ
第23回 2段階認証を使おう
第22回 いらないプリインストールアプリを削除
第21回 64bitなんて必要なのかしら?
第20回 アメリカでアンドロイドの読書端末を買ってみた
第19回 Android 4.2の新機能
第18回 Android Beamって何だ?
第17回 NFCで何ができる?
第16回 Nexus 7をアメリカで買ってみた
第15回 AndroidをPCにつなぐと
第14回 Androidの記憶領域
第13回 Google Nowを使ってみる
第12回 AndroidのUSBホスト機能
第11回 デュアルSIMを使ってみる
第10回 キーボード一体縦型Androidマシン
第9回 Androidの言語設定
第8回 アンドロイドに道を聞く
第7回 Google Playはどうやってアプリの公開を制御しているのか?
第6回 「Acer A100」がICSになった
第5回 つながっているのはACアダプタ、それともUSB端子
第4回 スマートフォンを普通の電話としてつかってみた
第3回 Androidからの通知を表示可能な腕時計
第2回 アームを誤解してませんか?
第1回 MWCで見たAndroid

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