【コラム】

塩田紳二のアンドロイドなう

51 「android 4.4 "Kit Kat"」を解説

塩田紳二  [2013/11/18]

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android 4.4ことKit Katは、メジャーバージョンアップにあたり、GUIなどの目に見える部分だけでなく、内部的にも改良が行われています。今回は、主に目に見える部分を中心に解説していくことにします。

なお前回紹介したNexus 5ですが、国内で販売されているNexus 5でも、どうもドコモの3G(FOMA)契約のSIMは利用できないようです。LTE契約であれば、MVNOのSIMでもOKなのですが、3GのみのFOMAのSIMを入れてもドコモのネットワークに接続しません。筆者の手もとには、ドコモショップで正式に交換したFOMAのマイクロSIMカードがあったので試してみたのですが、ネットワークに登録できないようです。この問題が起きているのは、日本だけではないようなので、ドコモのネットワークがどうか、という問題ではなく、Nexus 5に起因する問題ではあるようです。

さて、Kit Katを使って、最初に気がつくのは、スタート画面の改良でしょう。ここは、Launcherというアプリに相当するのですが、これが改良されて従来と動作や構成が違うものになりました。

従来、ホームボタンを上方向にドラッグして起動していたGoogle Nowがスタート画面の左端に配置され、画面のスライドだけで表示できるようになりました。それ以外の画面は初期状態で2つあり、右端の画面でさらに右側にアイコンを動かそうとしたり、アイコンの自動配置で配置場所がなくなった場合などに新たな画面が追加されます。また、ホームボタンを押した場合にもどる「ホームポジション」は、Google Nowの隣の左から2番目の画面になります。以前は、中央のページがホームポジションで、左右に動かして配置していくような感じでしたが、Kit Katでは、左側から順に配置していくような感じになります。パクったとはいいませんが、iOSのホーム画面の配置に似てきた感じです。もっとも、iOSのほうも、androidのウィジェット的な機能をアイコンに持たせたりしているため、お互い様という感じはしますが……。

Kit Katでは、ホーム画面の左端がGoogle Nowになり、画面スライドだけで起動できるようになった。このとなりがホーム画面のホームポジションとなる

これまで、デフォルト設定のまま、アプリをインストールしたときにそのままホーム画面にアプリショートカットを並べていたような人には、大きな影響はなさそうですが、配置を工夫して使い方を考えていた人には、ちょっと影響がありそうです。これまでは、ホーム画面のホームポジションの次にアクセスが容易なページはその左右のページでした。なぜなら、1画面の移動でアクセスできるからです。これからは、右側のページのみになります(左側は常にGoogle Now)。このため、左右のページで配置するショートカットの種類を分けるといった使い方ができなくなります。

筆者は、ホームポジションはウィジェットを中心に通知や設定変更に関係するものを配置して、右には、SNSやメールなどのコミュニケーション系を、左には、メディア再生関係のアイコンを配置していたのですが、こうした配置がもうできなくなってしまいました。

また、ホーム画面では、画面上部の通知領域と下部のナビゲーション領域の背景が透明になり、ホーム画面の壁紙が見えるようになりました。これは、android 4.4からは、対応すれば、サードパーティのアプリでも、このように全画面を使ったアプリを開発可能になります。

こうした全画面を使うアプリを「没入型」(Immersive)と呼び、このときに利用できるページ送りなどに利用できるアニメーション機能なども用意されます。ただし、利用するには、前述のように、アプリケーション自体が、こうした機能に対応する必要があるため、サードパーティアプリが登場するのはこれらかになると思われます。標準搭載のアプリでは、Playブックスなどがこの没入型アプリになっています。4.3までのPlayブックスは、上部の通知領域は消すことができましたが、下部のナビゲーションボタンのところは、黒い背景のまま残り、ボタンが一時的に暗いグレーの点として表示されていました。しかし、4.4に付属のPlayブックスでは、ナビゲーションボタンの部分もページ表示に使われています。

Nexus 5とNexus 4のPlayブックス。Kit Katを搭載したNexus 5では、画面下のナビゲーションボタン領域もアプリの表示で利用できるが、Jelly BeansのNexus 4では、常に黒く残る

Google Nowは、ホーム画面と一体になって、アクセスしやすくなっただけでなく、言語が英語の場合には、ホーム画面で「OK Google」と言うだけで自動的に音声入力待ちにすることが可能です。残念ながら、言語設定(「設定」→「言語」)が日本語の場合には、この機能は動作しません。また、同じく英語の場合には、4.3と同じで、Google Nowからリマインダーが利用できます。ただし、このリマインダー機能は、Google Keepからも設定が可能で、リマインダー機能はどちらで設定しても1つのリストしとて管理されるようです。なので、日本語の場合Google Keepを使えば、Google Nowを使わなくてもリマインダーが設定できます。

言語を英語にしてGoogle Nowを起動すると、一番下のメニューにリマインダーアイコンが表示される

リマインダーの設定自体は、Google Keepと共通。システムとして時間や位置検出を管理しているため

言語を日本語にするとGoogle Nowにはリマインダーが表示されなくなる

新規に標準となったアプリには、「写真」と「Quickoffice」があります。また、アプリではありませんが、初期段階のアップデートで、HPプリンティングプラグインがインストールされます。

「写真」は、Google+の機能だったインスタントアップロードやGoogle+側の写真アルバム機能とローカルの写真画像(/sdcard/DCIMなどの下の内蔵カメラで撮影した画像)を管理するものです。どうも独立したアプリではなく、Google+アプリの「写真」機能を直接起動するショートカットのようです。アイコンのアプリ情報を見るとGoogle+のものが表示され、「写真」を起動して、アプリアイコンをタップするとGoogle+と同じメニューが表示されます。ただし、「最近使ったアプリ」のリストでは、「写真」と「Google+」は別のものとして区別されているようです。

新アプリ「写真」は、カメラなどのローカル画像と、Google+側の画像を管理するツール

主な使い方は、インスタントアップロードの状態管理です。アプリには、「カメラ」と「ハイライト」の2つのタブがあり、前者は、ローカルの画像、後者はGoogle+にアップロードされた画像の表示に利用できます。また、ローカル画像に関しては、サムネイル表示の右下にインスタントアップロードが終了したのか、転送中なのかを表すことができる雲形のアイコンが表示されます。これまで、インスタントアップロードが行われたのかどうかは、Google+側で写真が表示されるかどうかを調べるしか方法がありませんでした。アプリとしては、ギャラリーとの使い分けが微妙な感じなので、将来的には統合してしまうのかもしれません。

「写真」は、Google+アプリの一部機能になっていて、アプリ情報を見るとGoogle+と同一になるが、タスクとしては別扱いされている

Quickofficeは、2010年にGoogleが同名の企業から買収した製品です。これは、MSオフィス互換の機能を持ち、ワープロ、表計算、プレゼンテーション文書の作成と編集が可能なアプリです。Googleの製品であるため、Googleドライブ上のファイルを直接アクセスできます。また、ゼロから作成できるという点も単なるオフィス文書ビューアーとは違っていて便利な点です。

Quickofficeは、ワープロ、表計算、プレゼンテーション文書作成、編集アプリ。オフィスファイルの編集なども可能

Quickofficeでは、Googleドライブやローカル、ダウンロードしたファイルなどを対象にできる

このほか既存のアプリにも改良が加えられています。「メール」は、Gmailアプリと同じようなユーザーインタフェースとなったため、以前よりは使いやすくなった感じがあります。

そのほか、電話アプリの着信表示などが改良され、電話帳に登録していなくてもGoogle検索により、誰からの番号なのかを通知する機能などが追加されました。ビジネス用では有効な機能ですが、個人の番号も対象にすることができるようです。Googleアカウントに登録した電話番号に対して、公開、非公開を設定できるようになるとのことです。説明には「Comming Soon」なっていたので、現時点では、利用はできないようです。なお、Googleアカウントを英語表記にしていないと、電話番号の項目がアカウントページに表示されないようです。

また、電話アプリからの検索機能でも電話帳だけでなく、近隣のビジネスやサービスの番号を検索することも可能になったようです。たとえば、「ヤマダ」で音声検索すると、電話帳に「山田」さんがいれば、もちろん表示されますが、近所の「ヤマダ電気」とか「山田うどん」なども検索候補として表示されるようです。

電話アプリから検索を行うと連絡先からの検索結果だけでなく、近くにある店舗などの検索も同時に行われる

ユーザーがオンにすれば、電話アプリに検索結果としてGoogleアカウントに登録した電話番号を表示することも可能になるようだ。ただし"coming soon"とあるようにまだ有効にはなっていないようだ。なお、言語を英語にしてGoogleアカウントにWebブラウザでアクセスすると電話番号の項目が表示されるようになる

そのほかにもいろいろとあるようですが、とりあえず、今回はここまでとしたいと思います。次回は、Kit Katの内部的な変更について解説する予定です。

本稿は、2013年11月15日にAndorid情報のWeb専門誌「AndroWire」に掲載した記事を再構成したものです。

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インデックス

連載目次
第118回 「Android N」プレビュー その2、Nの改良点
第117回 「Android N」プレビュー その1
第116回 「ZenWatch 2」の充電動作を調べて見た
第115回 Android Wearのバッテリ関連機能を検証してみる
第114回 Android Wearを再評価してみる
第113回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その3)
第112回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その2)
第111回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その1)
第110回 画面キャプチャに便利なシステムUI調整ツール
第109回 2016年の注目はタブレット
第108回 「Nexus 5X」と「USB Type-C」
第107回 「Nexus 5X」と「LTE」
第106回 Android 6.0 ストアとアプリ
第105回 Nexus 5XでみるAndroid 6.0 Marshmallow
第104回 「Nexus 5X」を買いました
第103回 「Android Mのプレビュー3」を試す(前編)
第102回 Android M プレビュー2 (準備編)
第101回 「LG G Watch」のその後
第100回 「Zenefone 2」買いました
第99回 ちいさくてかわいい「LG L20」、イギリスで買ってみました
第98回 「Google日本語入力」アップデートで何が変わった?
第97回 どのアプリで開く? 「インテント」の仕組み
第96回 「OneNote」をつかってみた
第95回 ロリポップのマテリアルデザインをまとめてみる
第94回 「Email Markup」って何?
第93回 Outlookは来たけれど
第92回 Office Previewつかってみた
第91回 Google INBOXを使ってみる
第90回 AndroidWareの文字盤を自作する
第89回 Android Ware Lollipop版
第88回 「Nexus Player」を試す - ソフトウェア編
第87回 「Nexus Player」を試す - ハードウェア編
第86回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ソフトウェア(Lollipop)編
第85回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ハードウェア編
第84回 充電しながらUSBデバイスが使えるホストケーブル
第83回 Android "L"プレビューとAndroidWareがアップデート
第82回 ちょっとイケてる「Kyocera Hydro Vibe」
第81回 Android "L" バッテリ消費を監視する
第80回 アクセスポイントの基本を知る
第79回 OneDriveとGoogleドライブ
第78回 シェルのネットワーク関連コマンド
第77回 "L"の中身
第76回 アンドロイドウェア(Android Wear)は暫定バージョン?
第75回 LGのスマートウォッチ「G Watch」
第74回 "L"がくる
第73回 次は「Lollipop」か? その前にKitKatが4.4.3に
第72回 VPNを使う その3 「VPNをアンドロイドから使う」
第71回 「Chromecast」とは?
第70回 VPNを使う その2 「VPNサーバーを立てる」
第69回 VPNを使う その1 「基礎編」
第68回 アンドロイドのストレージ
第67回 「NVIDA SHIELD」のソフトウェア
第66回 「NVIDA SHIELD」のハードウェア
第65回 HDMIとMHL、SlimPort - ディスプレイ接続端子を整理してみる
第64回 「LG L1 II」を買ってみた
第63回 アンドロイドに音楽を「聞かせる」
第62回 住所録の秘密
第61回 Outlook.comをカレンダーに表示する
第60回 ソースコードはどこにある?
第59回 AndroidのBluetoothテザリングとWindows 8.1
第58回 NFCでマニュアル参照を簡単に
第57回 あらためて「ポータブルアクセスポイント」をきちんと試してみる
第56回 「ビルド番号」ってなに?
第55回 画面キャプチャをバッチファイルで実行
第54回 adbコマンドをちょっと解説
第53回 「android 4.4 "Kit Kat"」で画面を録画する
第52回 「android 4.4 "Kit Kat"」の内部的な変更点
第51回 「android 4.4 "Kit Kat"」を解説
第50回 「Nexus 5」を買ってみた
第49回 Google Keepはリマインダーだった
第48回 android 4.2からサポートされた「ワイヤレスディスプレイ」
第47回 画面キャプチャー
第46回 ヘッドセットの秘密
第45回 Nexus 7のLTEモデル
第44回 Nexus 4買いました。アメリカで。
第43回 ブートローダーとfastboot
第42回 Jelly Beans 4.3 Returns
第41回 Chromecast、テレビに刺さる
第40回 デバイスマネージャでAndroidの位置を確認
第39回 新しいNexus 7を買ってみた
第38回 Jelly Beans 4.3
第37回 レノボ「K900」を国際版化
第36回 NFCで遊ぶ
第35回 自宅で簡単ファイル転送
第34回 レノボ「K900」のカスタマイズされたJelly Beansを見てみる
第33回 CloverTrail+のスマートフォン、レノボ「K900」を買ってみた
第32回 AndroidがBluetooth 4.0を正式サポート
第31回 ARMの次世代CPU「Cortex-A12」
第30回 SDKをインストールしよう
第29回 ウィジェットを活用
第28回 QRコードでお手軽設定
第27回 XPERIA Tipoとロンドンアンロック屋事情
第26回 diNovoキーボードを使う
第25回 キーボードをカスタマイズする
第24回 Androidキーボードのしくみ
第23回 2段階認証を使おう
第22回 いらないプリインストールアプリを削除
第21回 64bitなんて必要なのかしら?
第20回 アメリカでアンドロイドの読書端末を買ってみた
第19回 Android 4.2の新機能
第18回 Android Beamって何だ?
第17回 NFCで何ができる?
第16回 Nexus 7をアメリカで買ってみた
第15回 AndroidをPCにつなぐと
第14回 Androidの記憶領域
第13回 Google Nowを使ってみる
第12回 AndroidのUSBホスト機能
第11回 デュアルSIMを使ってみる
第10回 キーボード一体縦型Androidマシン
第9回 Androidの言語設定
第8回 アンドロイドに道を聞く
第7回 Google Playはどうやってアプリの公開を制御しているのか?
第6回 「Acer A100」がICSになった
第5回 つながっているのはACアダプタ、それともUSB端子
第4回 スマートフォンを普通の電話としてつかってみた
第3回 Androidからの通知を表示可能な腕時計
第2回 アームを誤解してませんか?
第1回 MWCで見たAndroid

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