先日、六本木の某高級キャバクラで人気ナンバーワンに君臨するキャバ嬢とお話しする機会に恵まれた。そのとき、彼女は男性の心をつかむ会話術の極意を僕に教えてくれたのが、それが非常に興味深かったので、ここでも紹介しようと思う。

例えば男性客との2ショットトーク。これはキャバ嬢にとって、勝つか負けるかの果し合いである。いかに男性を楽しませ、自分に好意をもたせるか。そのキャバ嬢には、そんな果し合いで確実に勝利をおさめていく明確な理論があるというのだ。

彼女曰く、人気のないキャバ嬢ほど男性に気にいられようとするとき、自分のセールスポイントをアピールすることが多いらしい。「わたしは○○だから……」とか「わたしは昔、こんなことやっていて……」などと、自分をより深く知ってもらいたいがために、自分の話を好んで喋り倒してしまうわけだ。

しかし、これが大間違いだとか。そのキャバ嬢が言うには、極端な話、男性の前で自分の話など一切しなくても良いらしく、男性を楽しませようと必死になる必要もない。そんなことより大切なのはひたすら男性に質問をすること。出身地や血液型、家族構成、趣味、特技などの基本情報は当たり前だが、質問攻撃の最大の目的は男性にとっての「楽しかった想い出話」を聞きだすことだという。

例えば、男性の過去の武勇伝でもいいし、仕事の自慢話でもいい。とにかく、男性に楽しかった頃の想い出をひたすら語らせる。人間は誰でも楽しかった頃の話を語ると楽しい気分になるものだ。つまり、ただ質問を重ねるだけで、勝手に男性が楽しい気分になってくれるというわけである。

なるほど。確かにこれは一理あると思う。僕の周りにいる男どもも、みんな自分の話をちゃんと聞いてくれる女性に弱いところがある。特に一般的に敬遠されがちな仕事の話やマニアックな趣味の話を興味津々に聞いてくれる女性がいたら、きっと男性人気は高いはずだ。さすがナンバーワンキャバ嬢、よくわかってらっしゃる。

しかも、このテクニックはキャバ嬢にとっても楽なはずである。自分はなんにも頑張ってないのに男性がどんどん喋ってくれるし、男性が勝手に「この娘と一緒にいると楽しい」と思ってくれるということだ。男性を楽しませるためには、必ずしもキャバ嬢が頑張らなければいけないというわけではないのだ。

さらに、そのキャバ嬢は男性の愚痴を聞きだすことも重要だと語っていた。質問攻撃で仕事の愚痴を男性から聞きだし、それに対して「大変ですね」とねぎらいの言葉をかける。例えば「○○さんって営業なんですか。お仕事大変ですね」「○○さんって末っ子なんですか。上の言いなりで大変だったんでしょうね」など、男性の基本情報に「大変ですね」をつけたし、それを繰り返していけば、そのうち必ず愚痴のツボにぶつかる。世の中に悩みのない人間などいないのだ。

また、男性の愚痴を聞くときは、ひたすら「ええ、わかります」と肯定的な相槌を打ち続けることが重要だという。そうすることで、さっきまで「この娘といると楽しい」と感じていた男性に対し、さらに「この娘は俺のことをわかってくれる」という信頼と安心まで与えることができる。つまり、男性に愚痴をこぼさせるだけで、勝手に男性が自分に対して好意的な感情を持ってくれるようになるというわけだ。

さらに、ここまでくると今まで「自分の話を一切しなかったこと」が絶大な効果を発揮するとか。男性にしてみれば自分だけ思う存分喋りまくり、楽しい時間を過ごしたにも関わらず、「相手のキャバ嬢のことを何も知らない」という不思議な現象が起こる。すなわち、男性は好意的な感情を抱くようになったキャバ嬢に対し、ミステリアスな印象を抱くようになり、それがやがて男性の恋愛感情に火をつけ、気づいた頃には常連客になってしまうというわけだ。

以上、これが六本木ナンバーワンキャバ嬢の必勝会話術の一つである。男性のハートをつかむという意味では、婚活に勤しむ女性にとって参考になる部分も多々あると思う。是非とも多くの女性に試していただきたいものである。

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