学生の頃年金払っていなくてそのままほったらかし……忘れたことにしているけど、実はどうなっているのか超気になっているんです、という話がポロポロとあります。ほったらかしていたらどうなるのか、そしてどう対策したらいいのかおさらいしていきましょう。

ほったらかしていたら受け取る年金額が減る

20歳から60歳までの40年間、国民年金の被保険者になり保険料を支払うことが義務付けられています。「え、今も払っていませんが……」と焦った方、会社員の国民年金保険料は厚生年金保険料に含まれており「厚生年金保険料」という名目で給与天引きされているのでご安心くださいね。

話を戻して……20歳から60歳までの40年間保険料を支払うと65歳から亡くなるまで毎年77万9,300円を受け取ることができます(平成29年度価格)。学生時代の2年間支払っておらず、残りの38年間は支払った場合には、38年分を受け取ることができます。支払った分に見合った額を受け取れるという考え方です。

学生時代に2年間支払っていない場合

実際に試算をしてみると、毎年受け取れる年金額は74万335円。本来の77万9,300円より3万8,965円少ないという計算です。毎月で考えると約3,247円少なくなります。

対策その1

「毎月3,247円か…大した額じゃないからいいか」と感じた方。このまま忘れておいていいでしょう(国民の義務から考えると違反ですが……)。

「毎月3,247円? 意外と大きいじゃないか」とか「毎月にするとそんなに大きくないけれど、年間にすると3万8,965円。仮に100歳まで生きるとするとその35倍……!? デカっ!!」と感じた方は対策2に進みましょう。

対策その2

「学生の頃に支払っていなかった」と一口に言っても実は2通りあります。1つ目は、「払えません」と申し出て学生納付特例を認められた場合。もう1つは、手続きをせずに届く納付書をことごとく無視していたという未納・滞納の場合。後から支払える制度として、学生納付特例には追納制度、未納・滞納には後納制度があります。

・学生納付特例の場合
平成29年度に追納する場合の追納額(月額)は以下の表の通りです。当時の保険料に加算額が加えられます。

学生納付特例の場合(出典:日本年金機構サイト)

・未納・滞納の場合
平成29年度に後納する場合の後納額(月額)は以下の表の通りです。当時の保険料に加算額が加えられます。

未納・滞納の場合(出典:日本年金機構サイト)

例えば、学生納付特例を使っていた方が、平成19年度、20年度の分を追納する場合は、1万5,040円×12カ月+1万5,160円×12カ月=36万2,400円となります。なかなかの金額かもしれません。

ですが、受取額が年間で3万8,965円増えるということは9年ちょっと受け取れば元が取れるということ。65歳から受け取れるのだとすると74歳ちょっとで元が取れます。ボーナスでまとめて支払ってしまいましょう。また、追納や後納した金額には社会保険料控除を適用することができるので、節税につながりますよ。

「ちょっと待って。この表に載ってないんですけど……」という方、追納は10年以内、後納は5年以内でないとできないのです。そんな方は対策その3へ進んでください。

対策その3

自力で貯めましょう。

いくら貯めたらいいのかというと、老後の自分に毎月仕送りをすると考えてみましょう。例えば、今35歳なのであれば、65歳の自分のために毎月不足する3,247円を貯めてあげましょう。

これを65歳までの30年間続けると、単純に考えても65歳から95歳まで毎月3,247円取り崩すことができるので年金額は減っていないでしょ、という考え方です。運用益を考えると受け取るときにはもう少し増えているかもしれませんね。

自力で貯める場合のイメージ

年金とか社会保険料とか全然分からないし、興味ない……と言いたいものの自分にどう関わってくるのかを考えると心配、という方は是非一度FPの勉強をしてみてくださいね。素敵な知識がたくさん詰まっていますよ。

執筆者プロフィール : 国分さやか


お金の教室 おさいふほんわか心もほんわか 代表
創価大学教育学部を卒業後、旧日本興業銀行の保険代理店や政府系金融機関に従事。"得をする方法を知りたい!"という一般生活者が多いものの、実は金融知識の不足から損をしている場面、しかも損をしていることにすら気付かない場面があまりに多い現実に問題意識を抱く。これを解消することを決意し、金融教育に携わる仕事を希望してFPの資格を取得。金融資産が増やすことだけでなく、幸福度数も増えることを大切にしている。現在、個人相談業務と並行して、金融の基礎知識を学ぶためのセミナーやFP資格講座、高校・大学、企業への出張講義などで活動中。


2013年
・第4回日本一のマネー講師決定戦E1グランプリにてグランプリ受賞
・第4回FP向上のための小論文コンクールにて奨励賞受賞
2014年
・三省堂より初めての出版(その後、学研出版等より計5冊の出版)
・日本FP協会電話相談員
・資格の学校TAC専任講師
2015年
・NHKラジオ「午後のまりやーじゅ」「ごごラジ!」お金のコーナー担当
2016年
・日本FP協会パーソナルファイナンスインストラクター

<保有資格>:CFP、FP技能士1級、相続アドバイザー2級、小学校教諭第一種、幼稚園教諭第一種