2つの「モナリザ」を巡る謎、美術史の新たなる発見

      [2012/02/02]





    (C)Museo Nacional del Prado
    新たに発見された「モナリザ」の模写

    「モナリザ」といえばフランスのルネサンス期を代表する巨匠、レオナルド・ダヴィンチが描いた名画として世界的に知られる作品である。この「モナリザ」は技法もさることながらモデルとなった女性が誰だったのか、など数々の謎に包まれている。多くの人を魅了し、数多の考察が成されてきたこの名画に関し、美術史が変わるかもしれない新たな発見があったようだ。

    1日、スペインの首都マドリードのプラド美術館が所蔵するレオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」の模写が、パリのルーブル美術館にあるオリジナルの最も初期の模写とみられると発表された。

    同館で発見された作品は、レオナルド・ダヴィンチが「モナリザ」を描いたのと同時期に描かれたとされている。これまでもモナリザの複製画は大量に存在し、確認されてきた。しかし、この複製画はこれまでに見つかった中でも最も初期に描かれたとみられており、モデルになった女性の真の姿を知る手がかりになるかもしれないとして注目されている。

    この複製画は、もともとプラド美術館が所蔵していたものだがこれまでは遅い時期に描かれた作品と考えられていた。発見に至った経緯は修復作業の折。黒く塗り重ねられた層の下に隠れていた肖像画が見つかった。

    フランスのルーブル美術館が所蔵する「モナリザ」の肖像画と同じ女性、そして同様の背景が描かれている。しかし、プラド美術館所蔵の作品側は、ルーブル美術館のそれと違って血色が良く、若く見える。最も、これはルーブル側の「モナリザ」の女性の顔がニスのひび割れや長年の汚れに覆われたことが原因でもあるのだが。

    ただ、ここで新たな謎が生じる。オリジナルと複製画の制作が同時期に始まり、並んで描かれていたことがうかがえるとの見解があるように、複製画を描いた画家とレオナルド・ダヴィンチとの関係性だ。よほど関係が深いのではないだろうか、との指摘もある。果たして、この“画家”なる人物とは一体何者なのだろうか。名画「モナリザ」を巡る謎はさらに深まるばかりだ。

    【記事:森野】

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