『ドラえもん』といえば、誰もが知っている国民的マンガ。あんなことも、こんなことも知っているような気がするけれど、実は案外知らないこともありそう。読者から「ドラえもんはもともと黄色だったと知ってびっくり!」(女性/大阪府/29歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)という声が寄せられたため、今回はドラえもんの初期設定を探ってみたい。
『ドラえもん百科[第1巻]』(小学館 1979年刊)によれば、誕生したときは黄色だったが、ネズミに耳をかじられて青ざめたことになっている。1995年に公開された映画『2112年 ドラえもん誕生』では、ネズミ型ロボットに耳をかじられた後、立ち直るつもりで「元気の素(もと)」という薬を飲んだ……つもりが間違えて「悲劇の素」を飲み、三日三晩泣き続けるはめに。泣いた振動でメッキがはがれて、現在のように青くなったのだという。しかし、1976年発売の原作『ドラえもん』11巻(小学館刊 定価:410円[税込み])では、耳をかじられた前後で色は変わっておらず、最初からずっと青いままだ。
そもそも藤子・F・不二雄さんが、ドラえもんを青く描いた理由は何なのだろう。答えは小学館文庫『ド・ラ・カルト―ドラえもん通の本』(小学館刊 定価:460円[税込み])に記されている。連載誌の扉ページは背景が黄色、タイトル文字は赤になることが多かったことから三原色の赤青黄の残りひとつ、青にしたというのが真相。ちなみに、耳がない理由も同書により、巨大な化けネコのように見えることを防ぐために「耳を取っちゃえ」と思ったと、藤子さんは述べている。
「猫なのになぜ耳がないの?」という質問に答えるために、ネズミに耳をかじられるというエピソードを作ったのだろう。青い理由は「連載誌の事情」ではあまりに素っ気ないので、チビッ子たちにはぜひ『2112年 ドラえもん誕生』の設定を教えてあげてほしい。「なぜ耳が無いの? なぜ青いの?」という質問に答えるために作られたこの映画は、作者も認めるドラえもん初期設定の決定版。ドラえもんの疑問を解決したいときは、この映画を見てみては?
文・塩澤真樹(C-side)
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