心理学者が分析! AKB48総選挙でメンバーを競わせる理由

  [2012/01/19]

 2011年、日本の芸能界でひときわ輝いていたのはAKB48ではなかったでしょうか。昨年リリースしたシングル5作品全てがミリオンセラーを達成、今年1月にはシングル総売上枚数が歴代女性グループの中でトップに立ちました。そんな彼女たちの人気を支えるのはファン参加型の大握手会や総選挙などのイベントです。

 特に総選挙と名付けられた人気投票は、全国の映画館や海外でも生中継されるほどの注目を集めています。ファンにとっては応援のしがいがあるイベントですが、年頃の女の子たちを競わせて仲が悪くなってしまわないか、ちょっと心配も……。そこで今回は、心理学者の内藤誼人(ないとうよしひと)先生に、「AKB総選挙」を心理学的に分析していただきました。

男性より女性は負けず嫌いが多い!

「競争させることは、女性のやる気を高めるためにとても効果的なんですよ! これは心理学的な実験でも裏付けられています。アメリカ・ロチェスター大のエドワード・デシは、女性の被験者を二つのグループに分け、『いかに早くパズルを完成させるか』という実験を行いました。一つのグループには、自分のペースでパズルを完成させるように伝え、周囲の人より早く完成することを求めませんでした。しかしもう一つのグループには、周りの人より早く完成させることを求めました。その結果、周囲の人と競争をさせなかったグループはパズルを完成させるのにかかった平均タイムは170.8秒でしたが、競争させたグループの平均タイムは55.9秒と大幅にタイムが短くなりました。そして驚くべきことに、男性の被験者に同様の実験を行ったところ、女性ほど差が開きませんでした。男性より女性の方が、負けず嫌いが多いといえます」(内藤先生)

 なるほど! みんなで仲良くやろうよというより、メンバー同士で切磋琢磨し合った方が、個人の能力は磨かれるということなんですね。そして、AKB48が女性グループだからこそ、総選挙でメンバー同士を競わせるというシステムが成功したとも言えるようです。

ファンはアイドルの頑張る姿に弱い!?

 内藤先生は、AKB総選挙がメンバーの成長に役立つだけでなく、「総選挙は『AKB48の進化は止まらない』ことをアピールする良いイベントの一つであり、ファンの心を掴む効果もある」と話します。

「100万枚を売り上げるトップアイドルへと成長しても、総選挙を行うことでメンバーたちは『少しでも順位を上げたい』、『次のシングルを歌いたい』、『メディアに出演したい』といった目標を持って努力をし続けています。そんな努力する姿にファンは弱いのです。例えば、昨年の総選挙で3位に躍進した柏木由紀さんの人気を支えたのは、握手会での対応だとか。一人ひとりにきちんとファンサービスを行う姿に心を打たれ、彼女のファンが増えたのでしょう。ただ、こうしたアイドルが頑張る姿を見せ、人気を集める手法はAKBに始まった訳ではありません。モーニング娘。がデビューしたばかりのころは、テレビでCDを一枚一枚手売りしている姿などを放送していましたよね。今後のAKB人気は、彼女たちの努力を総選挙、握手会以外にどのようにアピールしていくかにかかっているのではないでしょうか」

 昨年が人気のピークなのか、それとも今年もまだまだ人気は続くのか。確かに正念場の年かもしれませんね。でも、プロデューサーの秋元康氏はきっと次の手を考えているはず。次はどんな新たなプロジェクトで、私たちをびっくりさせてくれるのでしょうか。今年も彼女たちから、まだまだ目が離せませんね。

文●ペンダコ



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