
ファストフード(fast food)をめぐって、知っておくと面白いトリビア知識を探ってみた。
●立地の秘密
ファストフード店の立地は駅前、ロードサイド、そしてオフィス街や大学、公共施設などの近くに集中している。一般に通行量や周辺人口が多く、なおかつアルバイトの集めやすいところに立地する。つまり、立地にも戦略がある。
また、有名なマック対モス(バーガー)の戦略は店舗の個性の違いにあらわれている。マック(関西では、マクドと呼ばれている)は、1971年7月20日 日本第1号店を東京銀座三越1階にオープン(銀座店)した。
筆者はたまたま、新人のころ、上司命令でよくこの店にビッグマックを買いに走った。ちなみに、マックというのは、もともとスコットランド系の姓につけられる。
マッキントッシュ(Macintosh)や、マグレガーなども同様である。ちなみに、アップルコンピュータ社のマッキントッシュは、カナダの農家John McIntoshが発見した新種のリンゴ(マッキントッシュ)がルーツだと言われている。
一方、マックに対抗するモスは、1972年3月 東武東上線成増に実験店オープン、同6月にモスバーガー1号店「成増店」オープン。両者には戦略上の違いがあった。マックは銀座の中心や、ターミナル駅前など目立つ場所をあえてねらって立地してきた。モスの場合は、いわば路地裏立地でビルの2Fなどの地価や家賃が低いところ。
ほかに、マックはまた、ロードサイドなどを中心に子供用のプレイランドを充実させたし、モスの場合は、初期には大学生などを雇って勉強を無料で指導していたという、伝説の手法があった。
これをヒントに、モスでは、地価の安い立地に限って無料占いコーナーなどを開いたら、爆発的にヒットするかもしれない。しかも、1週間でもっとも客入りが少ない曜日、時間帯に限ればどうだろうか?
都心のホテルのフレンチレストランで、水曜日の夜はお客が集まらなかったため、水曜夜のみシャンソン歌手がピアノにあわせて歌うというイベントを実施したところ、大ヒットし、継続している例もある。
今では、水曜日の夜から予約が埋まるとのことだ。
●トレーニングの個性
FF店といえば標準化されたトレーニングシステムで有名である。各社、個性が出ているようだ。
あるハンバーガーチェーンでは、アルバイト向けのトレーニングで「事前にマニュアルを家で読んできてください。○時間分の時給を付けておきます」ということをやるそうだ。
アルバイトスタッフは「自宅で読んでも時給を付けてくれるのか!」と感動するとのこと。ある牛丼チェーンでは、ロールプレイという技法でスタッフの動作を分析し、コメントをする。どういう動作の時に身体のどちらに重心を置くべきか、といったところまで徹底したコメントをするという。トレーニングにも各社で個性がある。
●売れ残り商品のゆくえと社会的責任
また、最近ではCSR(企業の社会的責任)という立場から、売れ残った商品をボランティア団体経由でホームレスの方々へ寄付するなどの動きも見受けられる。
一昔前までは、多くのFF店では売れ残り商品を"ゴミ"として廃棄していた。理由は、売れ残りをアルバイトスタッフに配ると、アルバイトスタッフが自分たちの持ち帰り用にわざと作り過ぎるから。
コストに跳ね返ってくるというわけだ。現在、マックでは30分単位での製造・販売計画が立案され、売れ残りが起こらないよう細かな管理をしているようだ。天候、通勤・通学時間かどうかなど、立地による細やかな管理が必要である。
また、ミスドのように、製造後何時間たったらドーナツを廃棄します、ということで鮮度を売りにしているケースもある。売れ残り商品の行方は、CSRという観点からも非常に気になるところ。いずれにせよ、売れ残りを減らす努力をしている。
ほかにも、探せばファストフードのトリビアはありそうである。皆さんが知っているトリビアはどんな内容であろうか。
(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ)
●著者プロフィール

深山敏郎(みやま・としろう)高級ホテル、外車ディーラー、フィットネスクラブ等の覆面調査、接客マニュアル作りから工場の作業効率アップまでデータを用いた各種コンサルティングに20年の実績あり。ダイナミックラーニングという、5感をフル活用したトレーニング手法を用いて企業や政府のトレーニングを担当。延べ4万人あまりを直接指導してきた。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。 http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com
執筆協力:石井公一(いしいきみかず 中小企業診断士)