専門医に聞く。鼻うがいの正しい方法

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専門医に聞く。鼻うがいの正しい方法

  [2012/01/15]
専門医に聞く。鼻うがいの正しい方法

アレルギー性鼻炎である筆者が最近はまっているのは、「鼻うがい」です。大型のドラッグストアでは、市販の鼻うがい薬に「売れています!」とポップが貼(は)ってある人気ぶり。でも、その方法など詳細についてはあまり知られていないようです。

そこで、正しい情報を知るべく、耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科院長の遠山祐司先生にお話をうかがいました。


■真水で鼻うがいをしてはいけない

――鼻うがいがどのようなものか教えてください。

遠山先生 「鼻洗浄」とも呼びます。鼻から専用の洗浄剤や生理食塩水を注入して、ほこり、ウイルス、うみなどの汚れを取り除く方法です。

鼻の奥にあたる上咽頭(じょういんとう。鼻の奥とのどの境界付近で、その少し前方の耳管咽頭口からは中耳とつながっています)まで洗うことができるので、鼻をかむよりすっきりとした感覚になります。

――アレルギー性鼻炎や花粉症など、鼻のトラブルの改善に効果はありますか。

遠山先生 正しい方法で行えば、鼻のトラブルには有効でしょう。感染症などで鼻の奥にうみがあるときに、鼻うがいをしてから軽く鼻をかむとうみを除くこともできます。

――鼻うがいは、のどのうがいと同様に、食塩水を使うと有効なのですよね。

遠山先生 鼻うがいはのどのうがいと違って、重要な注意点があります。それは、「鼻は、真水でうがいをしてはいけない」ということです。

真水で行うと、つまり、真水を鼻から入れると、「つーん」という感触がして、鼻の奥や耳の奥が激しく痛みます。シャワー中やプールで鼻から水が浸入してきたときに、そんな経験はありませんか。これは、体液と水の浸透圧が違うために起こります。

――あの、つーん、はつらいですね。そうならないようにするには、どうすればよいのでしょうか。

遠山先生 人間の体液の浸透圧と同じ、0.9%の食塩水で行うようにしてください。1リットルの水に、9グラムの食塩を溶かして作ります。薬品メーカーが洗浄液を市販していますが、値段が高いとよく言われますね。耳鼻科で処方することもあります。

■鼻から食塩水を吸って鼻か口から出す

――鼻うがいの方法は、大きく分けて2通りあると言います。

遠山先生 慣れないうちは、まず、洗面器を使っての鼻うがいをお勧めします。0.9%の食塩水を作るところから始めます。具体的な方法は次のとおりです。

1.洗面器に2リットル(ペットボトル1本)程度のぬるま湯(25~30度)を入れます。そこに、18グラム(大さじ1杯程度)の食塩を入れます。

2.鼻から水がこぼれて洋服や床がぬれることがあるので、タオルなどをかけておきます。

3.洗面器の食塩水に顔を近づけて、片方の鼻の穴を指で押さえ、もう片方の鼻の穴から食塩水を吸い込みます。飲み込まないように、少しだけ息を止めましょう。

4.洗面器から顔をはずし、吸い込んだ食塩水を鼻から出します。

5.もう片方の鼻も同じ要領で行います。これを、3~5回繰り返します。

6.軽く鼻をかみます。鼻の奥にたまっているものが出やすくなるでしょう。ただし、食塩水が鼻に残ったままかんではいけません。鼻の粘膜が炎症を起こす原因になります。

――これなら気軽にチャレンジできそうです。慣れてきたらどうすればいいでしょうか。

遠山先生 先の4番のところで、少しだけ上を向き、口の方へ水を落とし、口から水を吐き出すようにします。わりとしっかり吸い込まないと口まで届きませんが、一気に吸い込んだり、強く吸い込んだりし過ぎないようにしてください。

洗面器でなくても、「コップ1杯のぬるま湯(200cc)にティースプーン1杯(1.8グラム)の食塩を溶かしたものを使用する」とか、「ドレッシングボトルのような、細いノズルがついている容器に0.9%の食塩水を入れてから鼻に注入する」という方法もあります。

この場合は、やや上を向き、片方の鼻を指で押さえ、もう片方の鼻からノズルを利用して、ゆっくりと食塩水を注入します。このとき、「えー」と声を出しながら行うと注入しやすくなりますよ。

――鼻うがいの最中にうがい水を飲んでしまったことがあるのですが、体に悪いですか。

遠山先生 自分の体の中のものを飲んだだけですから、悪くはありません。しかし、鼻うがいの最中に唾(つば)やうがい水を飲み込むと、耳に流れて中耳炎になることがあります。「プールで鼻から水が入って中耳炎になった」というのと同じ現象です。ですから、飲み込まないように注意してください。

実践したけれど、抵抗感があってうまくできない、つい飲み込んでしまう、どうも不安、というときは、耳鼻咽喉科で相談してください。適切な指導をしてくれると思います。

――よく分かりました。ありがとうございました。

先生の注意事項にあるように、筆者も耳が痛くなったり、鼻にうがい水が残ったままで不快だったりという覚えがあります。特に、アレルギーや蓄膿(ちくのう)症、花粉症、風邪、インフルエンザなどの症状があるときは、医師のアドバイスを仰ぐことをお勧めします。

監修:遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科院長。
とおやま耳鼻咽喉科 TEL: 06-6923-4187 大阪市都島区御幸町1-9-1 地下鉄谷町線都島駅から徒歩7分 http://www.is-is.org/tohyamajibika/ 

(藤井空/ユンブル)

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