管理栄養士が教える。飲みすぎはデブのもと!

      [2011/07/13]
    管理栄養士が教える。飲みすぎはデブのもと!

    飲み会の翌日、体重計に乗ると太っていた、なんてことはよくあります。「飲み過ぎると太ってしまう」ということは感覚的には分かっていますが、お酒は一体どのぐらいのカロリーになるのでしょうか? 

    お酒好きには気になる「お酒とカロリーの関係」について、糖尿病と肥満の専門外来・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)の管理栄養士・西山和子さんにお話をうかがいました。


    ■アルコール度数が高いお酒ほど高カロリー

    ――お酒と肥満の関係について教えてください。
    西山さん「アルコール飲料に含まれる糖類と純アルコールに分けて考えると分かりやすいでしょう。糖類は腸からブドウ糖として吸収され、エネルギーとして『人体で代謝できる』材料となるので太ります。純アルコールはアルコール度数で表示され、そのお酒に含まれるアルコールの濃度を指し、一般的にはお酒の強さの目安となります。

    専門的には、純アルコール1グラム=7.1kcalで栄養価の計算をします。100ミリリットル=100グラムではなく、お酒の種類ごとに変化します。たとえばビール(淡色)の場合は、100ミリリットル=100.8グラムとなります。一般的には、おおまかに

    摂取カロリー=容量(ミリリットル)×表示のアルコール度数割合(%)×7kcal

    を目安とすれば理解しやすいでしょう。

    たとえば、アルコール度数が5%表示のビールとアルコール度数が15%表示の日本酒の100ミリリットルあたりのカロリーを比べた場合、ビールは約35kcal、日本酒は約105kcalとなり、計算しやすいです。

    ご飯はお茶碗1膳(ぜん)が平均的に150グラム=240kcalですが、ここでは計算しやすく、軽く1膳(ぜん)120グラム=200kcalとすると、ビール約570ミリリットル(中ジョッキ1杯強)、あるいは日本酒を約190ミリリットル(コップ1杯強)飲むことは、ご飯1膳(ぜん)を食べることと同じ計算になります。

    ですから、アルコール度数が高いお酒ほど、高カロリーだと覚えておくとよいでしょう」

    ――では、「アルコールの適量」とは、どのぐらいの量のことを言うのでしょうか。

    西山さん 「1日の摂取カロリーの目安はデスクワークなど動きの少ない男性で1,600~1,800kcal、女性で1,400~1,600kcalです。1日3回の食事とのバランスを考えると、アルコールはし好食品ですから、1日200kcalまでが適量といえます。

    200kcalの目安は、『ほろ酔い気分になってきた段階』です。そのあたりでとめておくと太ることはなく、健康に良い飲酒となります」

    ――お酒を飲んだ日はご飯を減らすことで、カロリーの調節はできますか?

    西山さん 「できません。人の体ではアルコールを直接エネルギーとして利用するための機能が不充分です。一方で、お米やパンは消化分解されて、体内にブドウ糖として吸収されると速やかにエネルギーとして燃焼されるので、お酒をたくさん飲んだ日に、一食分を減らす方法での調節は望ましくないのです」

    ――お酒を飲むときに、一緒に食べるとカロリーの上昇が抑えられる、太りにくい食べ物はありますか。

    西山さん「食物せんいが豊富なものを選んでください。腸からのブドウ糖の吸収速度をゆるやかにすることと、せんいに吸着させて油脂を体外に排泄する効果があります。 特に、食事の最初に、野菜やきのこ類、ワカメやもずく、めかぶなどの海藻類を食べておくと、あとから食べる料理の過剰な油脂の吸収を防ぐことができます。

    また、たんぱく質を一緒にとることで、肝臓の代謝を助け、アルコールの解毒やカロリー代謝がスムーズになるので、植物性たんぱく質の豊富な冷ややっこ(湯豆腐)やえだまめをおつまみとすることをおすすめします。

    避けたい料理の代表は、お肉の脂身や鶏の皮などに多い動物性の脂肪(飽和脂肪酸)です。アルコールとの相乗効果で血糖(血液中の糖分)がジワジワと増加し太る原因となりますので、これは極力抑えるようにしましょう」

    ――「ビールや日本酒は太りやすく、焼酎やウイスキーは太りにくい」と聞きますが、本当ですか?

    西山さん「カロリーは、種類ではなくて、含まれる糖質の量とアルコール度数(濃度)で決まるので、お酒の種類だけで『太る、太りにくい』ということを判断することはできません。

    確かにビール、日本酒は焼酎などの蒸留酒(穀物などを発酵させてつくったお酒を、蒸留させてアルコール濃度を高めたお酒)に比べて糖質が多く含まれていますが、その量はビールジョッキ1杯で、スティックシュガー約5本。しかしアルコール飲料のカロリーの大半はアルコールの濃度によります。お酒のなかのアルコールの割合で決まるわけです。

    度数が高いほどカロリーは多くなりますので、度数が低いお酒を選ぶか、度数は高くても飲む量を控えるのか、をあらかじめ決めておくことが大切です」

    ――チューハイやカクテルなどの甘いお酒は太りやすい、というイメージがありますが、いかがでしょうか。

    西山さん「果汁を加えていたり、砂糖シロップ(たとえばメロンシロップ)を加えていたりするものは、糖質が加わっているため太りやすい飲料だと言えます。生レモン果汁でも、カロリーはあります。缶チューハイなど市販のアルコール飲料は、カロリーの表示を見て確認するクセをつけるようにしましょう」

    ■太りにくいアルコールの目安は「生ビール1杯」

    ではここで、お酒のカロリーを具体的にご紹介します。

    ●主なお酒/100ミリリットルあたりのカロリー (1杯の目安)

    ・生ビール/約35kcal (中ジョッキ1杯……約180kcal)
    ・チューハイ/約54kcal (ジョッキ1杯……約140kcal)
    ・グラスワイン赤、白/約73kcal (グラス1杯……約110kcal)
    ・シャンパン/約100kcal (グラス1杯……約80kcal)
    ・日本酒/約105kcal (とっくり1本……約200kcal)
    ・焼酎/約145kcal (コップ1杯……約250kcal)
    ・梅酒/約162kcal (コップ1杯……約162kcal)

    ●カクテル/100ミリリットル当たりのカロリー (1杯の目安)

    ・カルアミルク/約122kcal (グラス1杯……約205kcal)
    ・カシスオレンジ/約101kcal (グラス1杯……約176kcal)
    ・キール/約42kcal (グラス1杯……約70kcal)

    居酒屋ではおなじみの、「取りあえず、生(ビール)で!」という注文で、約180kcal、つまりほぼ1日の目安量を飲むことになるのです。

    でも、乾杯の1杯で我慢するというのはなんとも忍びないもの。なにかよい方法はないものでしょうか。

    ――太りにくいお酒の飲み方を教えてください。

    西山さん「飲み物が手元にないとさみしいものですね。そこで、グラスを2個用意し、アルコールの横に水やお茶をセットして、交互に飲むと良いでしょう。お酒の中でも、おすすめは焼酎のお湯割りです。そもそも100グラム当たり、清酒には5.0グラム、ビールには3.1グラム、ワインには2.0グラムの糖質が含まれていますが、焼酎やウイスキーにはほとんど含まれていません。

    そこで、焼酎を熱いお湯で半分以下に割りましょう。熱ければ少しずつしか飲めないうえに、少量でも体が温まってアルコールが回りやすいので、飲みすぎない効果もあります。

    焼酎が飲めない人は、ほかに薄く割って飲むことができる同じ蒸留酒のウイスキーやブランデー、糖質が少なめなワインなどもおすすめします。

    ただし、ワインをボトルで頼むと、大きいもので750ミリリットル(550kcal)となります。もったいないからと、二人で1本をあけてしまうとカロリーはやや多めですので、2~3人の場合はグラスで頼むようにしましょう」

    食事には気を配ってもお酒のカロリーはノーマークだったという人、どきっとしませんでしたか。

    「アルコール度数が高いほど高カロリー」だと知っているだけでも、お酒を選ぶときに気をつけることができます。また、よく飲むお酒のカロリーをチェックしておくと、ふと思い出したときに飲み方を工夫することができそうです。




    監修:西山和子氏。糖尿病・肥満外来のふくだ内科クリニック(大阪市淀川区。http://www.mog.gr.jp/)勤務の管理栄養士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたっている。

    (岩田なつき/ユンブル)

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