株主優待は、株取引の楽しみのひとつ。「株主優待を入口に、株式投資を始めた」という人も多いようです。しかし、株式を持っていれば、どんな場合でももらえるわけではなく、株主優待を受けるには一定の条件があります。株主優待を利用するには、どうすればいいのでしょうか。

株主優待とは

株主優待とは、企業が株主に対して、品物やサービスを提供する制度です。その中身は、その企業が取り扱う商品やサービスの優待券や商品券、割引券など様々です。

上場企業の中には、株主優待を行う企業とそうでない企業がありますが、現在、約1300社もの企業が株主優待を実施しています。株主優待を行う企業としては、株式を長期保有してもらえる、自社の製品やサービスを知ってもらうきっかけになるという狙いがあります。一方、株主側からすれば、値上がり益や配当のほか、株主優待で品物やサービスといった利益を受け取ることができるのです。

株主優待を受けるには

とても魅力的な株主優待。ただ、株主優待をもらうためには、一定の基準を満たしている必要があります。通常、株式は銘柄ごとに決められた売買単位(単元株)で取引されます。1単元は100株や1000株に定められている銘柄が多いですが、株主優待も、ほとんどの銘柄で1単元以保有していることで受けられるようになります。

ただし、株取引には「単元未満株」という1単元未満の株数でも取引できる制度があります。銘柄の中には、1単元に満たない株数でも「端株優待」という優待を発行したり、優待物を換金して分配したりすることもあります。興味のある株主優待は、何株以上保有していれば受けられるのか、しっかり確認してみましょう。

なお、銘柄によっては、保有している株数や期間により、優待品の量や優待内容が変わることもありますので、こちらも併せて確認が必要です。

「権利付最終日」に注意しよう

株主優待を受けるためには、もうひとつ、重要な条件があります。それは、「権利確定日」の3営業日前の「権利付最終日」までに株式を買い付け、その日の大引け時点で保有していることです。権利確定日は、優待や配当を受け取る権利のある株主として登録される日のことで、主に決算日が該当します。銘柄ごとに決算日は異なりますので、注意しましょう。

株主優待は、どのようにすればもらえるのか知らなかったという人も多いのではないでしょうか。せっかく株式を購入したのに、優待が受けられなかったということにならないよう、もらえる条件はしっかりと調べておくことが大切です。

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筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。