ドラマCDシリーズ『ALIVE』に出演する声優たちがライブ、朗読などを行うイベント「A.L.P 2017 SUMMER(アライブパーティー2017サマー)」が、8月13日、埼玉県・さいたま市文化センター大ホールにて行われた。

「A.L.P 2017 SUMMER(アライブパーティー2017サマー)」

『ALIVE』はムービックが手がける2.5次元芸能事務所「ツキノ芸能プロダクション」に所属するユニット、SOARAとGrowthの活躍を描いたもの。出演は、SOARAの大原空役の豊永利行、神楽坂宗司役の古川慎、宗像廉役の村田太志、七瀬望役の沢城千春。そして、Growthの衛藤昂輝役の土岐隼一、八重樫剣介役の山谷祥生、桜庭涼太役の山下大輝、藤村衛役の寺島惇太。同シリーズのTVアニメ化を控え、大きな盛り上がりを見せた夜の部の模様をレポートする。

1曲目、「Wonder Wond」の軽快なマーチのリズムに合わせ、SOARAのメンバーが一列で行進しながらステージに登場。マーチから一転したサビでSOARAらしい爽やかなロックを響かせ、早くも会場を盛り上げる。歌いながら沢城と村田がふざけあっていると、豊永が歌の途中で「ちょっとそこ! イチャイチャしない!」とツッコむ、SOARAらしさのある微笑ましい場面も見られた。

続いて、SOARAとは対照的に、美しいピアノの旋律の中静かに登場するGrowth。「月影のリフレイン」では、4人のハーモニーで神秘的な世界を作り上げていく。歌い終わると4人のポーズが、背後のビジョンに映し出されたGrowthのスチルと同じポーズになり、Growthの4人が確かにそのステージにいることが感じられた。

Growthが歌い終わると、改めてSOARAとGrowth、総勢8人の出演者がステージに集結する。さらに、『ALIVE』シリーズのマスコットキャラクター、アライヌも麦わら帽子に虫取り網を持った夏仕様の愛らしい姿で登場した。

昼夜公演の夜の部ということで、豊永は「盛り上がる準備はできてるでしょ? あったまってるでしょ? …もっとあっためてあげる」と不敵な笑みで会場を煽る。また、山下は「昼の部からの人はお腹が空いてるでしょう。俺たちの歌で、お前たちをお腹いっぱいにしてやるよ」と甘い声で囁いた。当日参加できなかったSOARAの在原守人役の小野友樹はビデオメッセージで参加。「行けなくて本当に悔しいです。歌いたかった! 最後まで楽しんでください」とファンにコメントを残した。

各キャラクターのソロコーナーのトップバッターは豊永。「声出せる準備できてるよね!」と「SKY DREAM」を爽やかに歌い上げる。空の名前にふさわしい青空が映し出されるビジョンを背に、タオルを振り回し会場を一つにした。

続いては沢城、村田が「With U」で、青と赤のペンライトが揺れる中、元気なパフォーマンスを見せる。「一緒にいれば幸せだから」というフレーズに合わせて二人が向かい合って歌う姿が印象的だった。Growthのメンバーでソロのトップバッターを務めたのは土岐。「リーラの調べ」では叙情的なピアノに乗せて、美しいファルセットを響かせた。

ステージを去っていく土岐に手を振りながら、続いて寺島が登場。眩しいほどの白い光に包まれ「リレイズ -Reraise-」を力強く歌い上げる。両手でマイクを持ち全身全霊で歌うその姿は、飄々とした衛のキャラクターとのギャップを生み、会場はステージに釘付けになっていた。

続いては、「ツキノ芸能プロダクション」ではお馴染みのラジオ風朗読劇「いぶらじ」のコーナーへ。まずはSOARAのメンバーが登場し、ファンからの質問に答えていく。

豊永演じる空へ届いた質問は、「メンバーのソロ曲は、それぞれどんなことを考えながら作曲した?」というもの。空は「モリ(守人)の優しさ、宗司のかっこよさ、廉と望の可愛さや明るさを具体的にできればと考えていました」と言い、メンバー一同その言葉に感激していた。

古川演じる宗司には「苦手なものはありますか?」という質問が。「人の泣き顔」と男前な回答をする宗司に会場からは嬌声が上がる。しかし、空からは「でも、肝試しで俺が恐怖のあまり涙目なのにゲラゲラ笑って全然助けてくれなかった!」という暴露話が。

「SOARAとGrowthのメンバーでコーディネートするならどのメンバー?」という質問に、沢城演じる望は「空かな。俺と一緒に、女の子みたいに双子コーデとかしてみたいね。男でもできるようにするのが腕の見せ所!」と自信たっぷりに答えた。

村田演じる廉に届いたのは「いつからか宗司のことを”宗にい”と普通に呼んでいますが、今は恥ずかしくなくなったんですか?」という質問。「そういえば……」と呼び方の変化に気づいておらず、改めて照れる廉に、宗司は「呼びやすいように呼べよ。俺も宗にいって呼ばれるの好きだし」と優しく声をかけていた。

続いてはGrowthのラジオパートへ。寺島演じる衛が「コウくん(昂輝)のためならどんな無茶ぶりにも答えていきます!」と宣言すると、山下演じる涼太が「それではラップをどうぞ!」と早速の無茶ぶり。衛は「元ニートでもがんばらねーと!」と、焦りながらもきっちり韻を踏んだラップを披露。続いて山谷演じる剣介までラップを振られ、「来てくれたみんなに感謝 その思いみんなに歌にこめて発射!」と、なんとか容赦ない無茶ぶりに応えていた。

山下演じる涼太が二十歳を迎えたことから、「20年生きてきて変わったこと、変わらないことは?」という質問が届くと、涼太は「変わったのは、自分以外の考えを認められるようになったこと。変わっていないのは、自分以外の価値観を持った人を、認めるけれどもぶつかること」と答える。すると昂輝が「そういうところも含めて俺はリョウのことが好きだ」とコメントし、二人の仲の良さを見せつけた。

衛は「作曲の合間にしている散歩でのエピソードを教えてください」という質問に、一度だけおまわりさんから職務質問をされてしまったことを告白。さらにそんな衛に対しての、「Growth結成当初に比べて成長したところは?」という質問に、昂輝は「卵焼きを作った時に黄色の部分が多くなりました」と回答し、会場からは笑いが起こっていた。一転して、剣介は「この4人の中で唯一、芸能活動が初めてなのに、そつなくやっててすごいと思う」と真面目なコメント。これには凉太も「そうだね、衛って実は大人だったんだなって思う」と同意。しかしメンバー最年長の衛は「出会った時から大人でした…」と、悲しげにつぶやいた。

両ユニットのさまざまな表情が見られた「いぶらじ」が終了すると、再びライブパートへ。

古川は「BUZZER BEATER」で、パワフルで色気に満ちた歌声を披露。宗司の大人っぽい魅力に、会場の黄色いペンライトが熱狂に揺れた。続いて登場した山谷は「プラネタリア」で、まっすぐな歌声を届ける。マイクを望遠鏡に見立て、舞台上をステップしながら空に星を探す姿が愛らしい。

最後は山下が「甘き風のプリムラ」を披露。ピンク色のペンライトが揺れる中、幻想的な楽曲を伸びやかな声で歌い上げた。

エンディングでは再び8人とアライヌがステージに登場。10月4日からTOKYO MXほかで放送されるTVアニメ『TSUKIPRO THE ANIMATION』のオープニング映像が公開され、会場が割れんばかりの歓声で包まれた。豊永、土岐らが出演する放送直前特番が9月27日に放送されることも告知され、ますますアニメへの期待が高まる。また、アニメで実際に使用される歓声の収録も行われ、夜の部ではGrowthメンバーの名前を会場全体が大声で叫んだ。

豊永は、SOARAのこれまでを振り返り、「最初は僕と小野友樹くんのツインボーカルでしたが、他の3人もボーカルに加わるようになって、思い出をみんなで共有できることがうれしいです。アニメも始まりますのでこれからも応援よろしくお願いします」とファンに感謝を伝える。

土岐は、「僕が歌ってると、Growthのメンバーみんながそれぞれ感想をくれて、それがGrowthの世界観とすごく似てるなと思います。どんどんやってみたいことも増えていくので、これからもよろしくお願いします」と、ライブの楽しさを振り返っていた。

アライブパーティーもラストスパート。Growthは「空想のレトロ」を披露し、天に昇るような高音のハーモニーで、会場を最高潮の盛り上がりへと導いていく。「離さないように指を結んだ」というフレーズで、 4人が中央に集まって小指を掲げる姿に胸を熱くしたファンも多かっただろう。

SOARAは手を振りながら登場し、「S.O.A.R.A.」を熱唱。豊永が客席にクラップを求め、会場とステージが一体となる。4人はぎゅっとステージ中央に集まり、肩を組んで笑顔で歌った。最後はアライヌとGrowthのメンバーも登場し、全員で客席とともに手を振りながら合唱。大盛り上がりのアライブパーティーは、笑顔に溢れたエンディングを迎えた。