Appleが11月3日に発売したiPhone Xのレビューを何回かに分けてお届けしている。第2回目は、少し使い込んだ上で、iPhone Xに乗り換える上で最も大きな変化となる、取り去られたホームボタンを代替するインターフェイスについてだ。

まずは、iPhone Xの基本的な操作方法をまとめたこちらの動画をご覧頂こう。ホームボタンなしの操作をどのように実装したのか、おわかり頂けると思う。

Fingertips without Home Button - iPhone Xのホームボタンなしの操作を試す

AppleはiPhone登場からの10年間、iPad、iPod touchなど、他のiOSデバイスにも「ホームボタン」を採用してきた。画面を点灯させたいとき、ホーム画面を表示させたいときに押すボタンであり、困ったらここを押す、というiOSデバイスユーザーの共通認識を作るものだった。

iPhone 8を見てみると、その役割は膨大で、世界で最も多忙なボタンとなっていた。

当初のホーム画面を表示する役割に加え、マルチタスク機能が追加された以降は、ダブルクリックでアプリ切り替え画面を表示させる機能が割り当てられた。さらに、Siriが登場すると、ホームボタン長押しでSiriを呼び出す機能が登場した。生体認証Touch IDが搭載されると、ホームボタンはそのセンサーを兼ねた。Apple Payはロック画面でのダブルクリックで呼び出しとなった。iPhone 6シリーズで大画面化が進み、ディスプレイ上部に指が届きにくくなったことから、画面全体をぐっと手前に引き下げる「簡易アクセス」は、押し込まないダブルタップという繊細な操作方法が割り当てられた。

その他にも、アクセシビリティの「ズーム機能」などを呼び出すショートカットはトリプルクリック、スクリーンキャプチャはサイドボタンとホームボタンの同時押しといった具合で、アプリの操作ではない、端末全体のグローバルな操作を、ホームボタンに割り当ててきたのだ。

iPhoneの前面にある唯一のボタンということで、Appleは端末の操作そのものに必要な多くの役割を、このホームボタンに任せてきたといっても過言ではないだろう。それ故に、このホームボタンを廃止するというのは、Appleにとって大きなチャレンジだったはずである。