さて、前置きが非常に長くなったが本題だ。ロジクールのトラックボールとしては7年ぶりとなる新製品「MX ERGO」が、2017年9月22日に発売された。ここからはその使い勝手を紹介していこう。

トラックボールのフラッグシップ機

今回登場したMX ERGOは、ロジクールトラックボール史上初の「MX」を冠した製品となっている(型番はMXTB1s。トラックボールのMX初号機といった雰囲気がある)。MXシリーズらしく、カラーは黒基調のモノトーンで、ボールもシルバーがかったブラック。高級感がある。

MX ERGO

「MX」の名を冠しただけあって、質感は非常に高い。掌が当たる部分はマット調の塗装が施されている。ベース(底面)は厚手のステンレススチール板で、机に接するベース背面が全面ゴムとなっている事も相まって、非常にどっしりと、安定している。個人的にはモノトーンだけじゃなくカラバリが欲しいが、マウス製品の「MX」シリーズにはカラバリがあるので、今後に期待したい。

上から見たところ

ボール側から見たところ

右側からみたところ

小指部分は凹んでいる

ちなみに「挿し色を入れて見たらどうか?」と、ST-65UPiの赤ボールを入れてみたところ、ボールの大きさが同じで赤のワンポイントも効いており、なかなかいい感じだ。この使い方(ボールの入れ替え)は保証対象外だが、短時間使った限りでは問題なく動作した。

左がST-65UPiのマーブルボールを入れてみた「MX ERGO」、右が通常の「MX ERGO」。ボールの大きさは歴代で変わらないので、こんなこともできるが当然ながら「動作保証外」。だが挿し色が入って見た目はいい感じだ

接続はUnifyingとBluetooth、FLOWにも対応

PCとの接続は、2.4Ghz帯を使用したロジクール独自のUnifyingと、Bluetooth LEが選択可能で、パッケージにはUnifyingのレシーバが1つ付属している。2台のPCと接続設定しておき、本体のスイッチで素早く接続先を切り替えるEasy-Switchに対応しており、UnifyingとBluetooth LE、あるいはレシーバを1つ追加してUnifyingとUnifyingで、家のデスクトップPCと持ち出し用のノートPCの両方に接続設定し、適宜切り替えて使う、といったことが可能だ。

さらに複数のPCで、テキストや画像、ファイルなどのデータを共有できる、ロジクールの「FLOW」機能にも対応している。FLOWは複数台環境の人でないと真価が発揮できないが、UnifyingとBluetooth LEで利用できるのはうれしいし、筆者のようにノートPCで取材をして、そのファイルをデスクトップに転送したい場合などに非常に役立つ。

PC用の設定ソフトウェアLogicool OptionsでFLOWの設定もできる