日本での復活発売については賛否両論だったホンダの新型「シビック」だが、蓋を開けてみると販売状況は好調のようだ。2017年9月の発売以来、受注は月間販売目標の6倍となる1万2,000台に達しているという。シビックの日本復活で手応えを得たホンダが、次に期待するクルマは何か。

日本復活後、販売状況が好調な新型「シビック」

操る喜びを追求したクルマ、2018年夏の納車も?

ホンダのシビックといえば、日本では6年前に販売終了となったが、北米など海外では人気があり、2017年9月には新型「シビック」として日本市場で復活した。新型はホンダが「世界のCセグメントでトップクラスの『操る喜び』の提供を目指して開発」したクルマ。タイプは「セダン」「ハッチバック」「タイプR」の3種類で、価格は税込み265万320円~450万360円となっている。

新型「シビック」のハッチバック

2017年度第2四半期の決算説明会に登壇したホンダの倉石誠司副社長は、このクルマの販売状況について「受注台数は1万2,000台くらい。思っていた以上に顧客の評価を頂いている」と説明。供給が間に合わないくらいの状況だそうで、納車は「セダンが年明け、5ドア車(ハッチバックのこと)は来年4月、タイプRは夏」になるという。これを早めるよう、生産現場にも話をしているそうだ。

タイプRの納車は来年の夏になる見通し

倉石副社長によると、新型は以前より車体が大きくなっていることもあり、昔のシビックを知る人から「これはシビックじゃない」という言われ方もしたそうだが、蓋を開けてみると、出足は好調な様子だ。日本におけるスポーティーなクルマの市場は輸入車勢も含め競争が厳しいが、スタイリングの良さやバリューフォーマネーの高さに言及しつつ、倉石副社長は「十分、対抗できる」との認識を示した。日本復活について賛否両論のあった新型シビックだが、「チャレンジしてよかった」というのが倉石氏の感想だ。

日本復活車種に“二匹目のどじょう”は?

シビックが日本復活に成功したとすれば、次に注目したいのがSUVの「CR-V」だ。ホンダが世界戦略車の1つに位置づけるCR-Vも世界で売れているクルマだが、日本では2016年に販売終了となっており、シビックと状況が似ている。そのCR-Vが、2018年に日本で復活する予定になっているのだ。

東京モーターショー2017に参考出品されていた「CR-V」。日本復活を見越しての展示だろう

ホンダのSUVといえば、日本では「ヴェゼル」というクルマが人気だ。CR-Vとヴェゼルの住み分けが難しそうにも思えるが、ホンダが日本復活車種で2連勝を収められるかどうかには注目したいところだ。