庭木の剪定は技術が必要な作業です。むやみに枝を切ってしまうと、樹勢が衰えて枯れてしまったり、花や実が実らなくなったりします。庭木の生育を楽しむための、剪定の基本情報とやり方をわかりやすく解説!

剪定ってどうやればいいの?

適切な剪定とは

剪定は、ただ単に樹の枝を少なくする作業ではありません。樹の成長を見越して、好みの形に育つように不要な枝を除いたり、季節ごとに実や花を楽しむための大事な手入れの作業です。樹の生命力は強く、一度枝を切ってもまたそこから新しい新芽を出して成長を続けます。

さっぱりさせたいからと切りすぎてしまうと、そこから細い枝がたくさん生えてくることもあります。適切な剪定とは、樹本来の健康な生育を促し、美しい景観や花・果実の実りを助けるための手入れであるべきです。

どの枝を切ったらいいの?

樹の生育を妨げ、美観を損なう枝を「忌み枝(いみえだ)」と言います。忌み枝にはいくつかの種類があり、これに当てはまる枝が樹にとって不要な枝です。

<基本的に切る忌み枝>
・枯れ枝:枯れている枝。
・ひこばえ:樹の根元から出ている細い枝(株元から枝が豊富に出る性質の樹は除く)。
・徒長枝(とちょうし):樹の幹や枝から勢いよく真上に伸びた細い枝。
・逆さ枝:自然な枝の流れとは逆方向に伸びた枝。
・垂れ枝:下方に向かって伸びた枝。

<バランスを見て切る忌み枝>
・重なり枝:同じ方向へ接近して平行に伸びている2本の枝。どちらか1本を切る。
・車枝:熊手のように1本の太い枝から放射線状に伸びた細い枝。
・絡み枝:他の枝に絡みついている枝。
・立ち枝:横に伸びずに直立に伸びている枝。
・かんぬき枝:十字のように幹から左右対称に横に伸びた枝。
・懐枝:幹に近いところから生えている細い枝。
・胴吹き:幹の根元付近から上方に伸びている枝。樹の上部に栄養がいかなくなる。

忌み枝を見極めることが大切

枝の切り方

枝の切り方によって樹が成長したときの形が変わってきます。3つのポイントに気をつけて切りましょう。

①外芽を残して切る
枝を正面から見て、幹側に生えている新芽を「内芽」、外側に生えている新芽を「外芽」を言います。内芽は幹側に伸びようとするのに対し、外芽は幹とは反対に伸びようとします。横に手を伸ばしたような枝にするには、外側に伸びる「外芽」を残すように切ります。残す外芽の5mm~1cmほど上部を、外側から内側に向かって斜めに切りましょう。

②枝葉を残して切る
細い枝葉がついている枝を切るときは、枝葉をひとつ残して切りましょう。枝葉をすべて切って枝だけ残すと、残った枝は枯れてしまいます。

③太い枝は2個所に切り込みを入れて切る
太い枝を根元から切る場合、上方から切っていくと枝自体の重みで裂けるように折れてしまいます。いったん根元から20cmほど離れた箇所で切り落とし、最後に根元から切り落としましょう。

まず、根元から20cmほどの箇所に下方から切り込みを入れます(直径の半分まで)。次に、その切り込みからさらに少し離れた箇所に、上から切り込みを入れます(直径の半分まで)。切り込みを利用して枝を落としたら、残った枝を根元から切り落とします。

重要なのは枝の状態を見極めながら切ること

剪定のポイント

素人が剪定する際に気をつけなければいけないのが「全体のバランス」です。手の届くところだけ丹念に切り落とし、手の届きにくい上部はそのままというのもありがちです。特別な図形に整える場合を除いて、上から下にいくにつれてボリュームが大きくなる、樹の本来の形になるよう剪定しましょう。

<失敗しないためのポイント>
・上から切っていく
・全体を見ながら切る
・左右対称にしない

下から切っていくと、上にいくにつれてさらに短く切る必要があり、枝を切りすぎてしまいます。上から少しずつ切り落としていきましょう。美観を楽しむ樹の場合、家の中と外から見たときの形、つまり樹から離れて見たときの印象が大事です。

少し切ったら樹から離れて全体のバランスを確認しましょう。また、樹本来の美しさを引き出すためには、幹から出る枝を左右対称にはしないことです。十字架を縦に並べたような樹よりも、左右に伸びた枝が互い違いのほうが美しく見えます。

迷ったら剪定サービスがオススメ

剪定というのは知識と技術を要する作業です。少し大きな樹になると、忌み枝の見極めから切り方まで考えながら剪定する必要があり、意外と時間がかかってしまいます。樹の形や状態はひとつとして同じものはありません。ベテランの植木屋でさえ「剪定は一生勉強」と言うぐらい難しい作業です。

「たかが枝を切るぐらい」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、年月をかけて成長する樹がどのように成長していくかを的確に予測しながら切るのには、長い経験と熟練の技術が必要なのです。お気に入りの樹が枯れてしまうのを避けるため、ご自身での剪定を迷ったらプロに依頼した方が安心でしょう。

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著者プロフィール: くらしのマーケット

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