【レポート】

SteamVR対応でWindows MRのキラーコンテンツは出てくるか - 阿久津良和のWindows Weekly Report

Windows 10 Fall Creators Updateリリースに合わせる形で、Windows Mixed Reality(以下、MR: 複合現実)デバイスが国内で発表された。現在、大型量販店で購入できるのは、日本エイサーの「AH101」のみとなり、富士通の「FMVHDS1」と日本HP の「Windows Mixed Reality Headset」は11月下旬、デルの「Dell Visor with Controllers」は12月9日発売予定。レノボの「Explorer」は年内発売を予定しているという。

日本国内でWindows MRデバイスは5種類が発売される

基本的なスペックは同じながらも、それぞれの価格は5万円台後半から6万円台と異なる。どのような違いがあるのか、使いこんでみないと断言しにくいが、体験会ではデバイスを装着した時のホールド感などに違いを感じた。メーカーによってヘッドバンド部分の調整方法が回転式ノブを回すタイプや、ベルトを動かして締め付けるタイプと異なり、好みが分かれる。

写真は日本HPのデバイスだが、ヘッドバンド部分はノブを回してアジャストするタイプだ

筆者は何度かMicrosoft HoloLens(以下、HoloLens)を試してみたが、安定感に大きな開きがあるように思う。もっとも、50万円台(開発者向けのDevelopment Editionは30万台)のデバイスとWindows MRデバイスを比べるのは厳しいかもしれない。

日本マイクロソフトは現時点で個人向けHoloLensの提供予定はないものの、長期的には1,000ドル以下の価格帯で発売可能になれば考えるという

さて、そのHoloLensだがMicrosoftはWindows 10 Fall Creators Updateを提供しないことをリリースノートで表明している。意訳すると「HoloLensはWindows 10 Fall Creators Updateのアップデートを受け取っていないが、開発作業は止まっていない。我々はWindows MR全体に適用するための学びと洞察を持ち、Windows MRの没入型ヘッドセットとモーションコントローラは、同じAPI、ツール、コンセプトが両者に適用されるため、HoloLensの開発の大きな入り口となる」といった内容だ。

これはMicrosoftが現行のHoloLens開発者に対して、Windows MRプラットフォームのサポートをうながすと同時に、Windows MR用コンテンツの強化を目指す意味合いがあるのだろう。プラットフォームの普及に欠かせないのは魅力的なキラーコンテンツである。日本語環境でWindowsストアのWindows MR特設コーナーを確認すると約40のタイトルが現れるが、地域を米国に変更すると10タイトルほど増えて約50タイトルを確認できたが、さらなる拡充が望まれる。

Windows MRコンテンツは既に約40のタイトルがダウンロードできる

筆者はまだWindows MRデバイスを所有していないため、各タイトルの内容は未確認だ。しかし、試してみたいというレベルのものはいくつか見つかる。個人的には「The Elder Scrolls V: Skyrim」クラスのゲームタイトルが登場すれば、Windows MRデバイスを即時購入(予約)するのだが、現時点でそのような大型タイトルは見当たらない。

I-IllusionsのWindows MR用ゲーム「Space Pirate Trainer」。価格は執筆時点で1,750円

そこで注目したいのが、Microsoftが10月3日(現地時間)に開催したイベントだ。登壇したMicrosoft Technical FellowのAlex Kipman氏は、Windows MRヘッドセットがSteamVRに対応することを発表した。SteamVRはValveとHTCが開発するPCゲーム向けのVR(仮想現実)プラットフォームだが、先行する「Oculus Rift」「HTC vive」対応タイトルがWindows MRデバイスで動作する可能性が高まったといえる。

米Microsoft Storeでは、HTC VIVEと「Fallout 4 VR」のセット販売を行っている

すでにSteamVRでは、年内に「Fallout 4VR」、2018年に「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」のリリースが予定されているように、ビッグタイトルが控えている。SteamVRとWindows MRがどのように融合するのかいまのところ明確ではないものの、数万円台でAR(拡張現実)/VR/MRすべての世界を体験できるのは大きな進歩だ。HoloLensとAPIレベルで同化し、SteamVRとの連携が期待できるWindows MRの見通しは明るい。

阿久津良和(Cactus)

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