2017年10月21日より、国立科学博物館(以下、科博)において「古代アンデス文明展」が開幕する。

これまで、科博でアンデス文明に関する展覧会は5回催されてきたが、「インカ帝国展」、「ナスカ展」など、個別の文化を取り上げてきた。

今回の展覧会はこれまでと異なり、アンデス世界を通史で総覧できる構成が最大の特徴。また、国内ではほとんど紹介されてなかったボリビアのティワナク文化など、知名度の高いインカ帝国に先行する文化の詳細な紹介も見どころだという。

「土製のリャマ像」ワリ文化 ペルー文化省・考古学人類学歴史学博物館
会場入り口で出迎えるのは、アンデス文明と深い関わりをもつリャマの像。愛らしい姿からか、フォトスポットとして設置されている

同展を監修した南イリノイ大学人類学部・島田泉 教授は、「アンデスに人々が根付いた1万5000年前からスペインの侵略が始まるまで、アンデス文明の代表的な文明を9つ選んで紹介しています。その特徴は何か、ほかの文明と比べ何が違うのか、そういった疑問を念頭に置いた構成としています。見学される際は、『アンデス文明とは何か? 』という疑問を思い浮かべて見ていただければと思います」と語った。

監修の南イリノイ大学人類学部・島田泉 教授

ここからは、展示の内容をダイジェストでお届けする。