スマホアプリ「Sony Headphones Connect」から「外音取り込み」を細かく設定できる

筆者が最も気になっていた機能が、専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を使ってのサウンドカスタマイズ。ソニーが今年の春に発売したワイヤレスヘッドホン「MDR-XB950N1」から同アプリとの連携がスタートしていたが、いよいよ1000Xシリーズに対応が広がった格好だ。

アプリ「Sony Headphones Connect」を使って外音取り込みのレベル調整

アプリ「Sony Headphones Connect」を使って外音取り込みのレベル調整などができるようになった

アプリはAndroidとiOSの両方に対応する。スマホとヘッドホンをペアリングする段階から面倒を見てくれるし、音楽が聞こえてくる方向に変化を加えられるユニークな「サウンドポジションコントロール」など各種サウンドエフェクトが勢揃いする。バッテリーの残量表示、プレーヤーと接続しているオーディオコーデックやDSEE HXのON/OFFなど動作状態の可視化にも役に立ったり、とにかく便利で楽しい機能が盛りだくさんだ。

アプリ「Sony Headphones Connect」とWH-1000XM2

ヘッドホンの様々な機能をアプリで設定できるアプリ「Sony Headphones Connect」。新しい1000Xシリーズはそれぞれに対応の機能が異なり、ヘッドホンのWH-1000XM2はできることが一番多い機種だ

そして、外音取り込み(=アンビエントサウンド)の微調整がアプリからできるようになった。これは筆者がMDR-1000Xを使っていて「欲しい」と思っていた機能だ。

外音取り込みのレベルは、0~20の範囲で1ステップずつ細かく設定できて、その効果は明快に現れる。MDR-1000Xでは外音取り込みが「ノーマル」と「ボイス」のふたつのモードに決め打ちされていたが、新モデルではアプリで設定した「外音コントロール」の値を保存し、ヘッドホンに読み込ませることができる。

ユーザーの行動に合わせてサウンドが変わる「アダプティブサウンドコントロール」機能

ユーザーの活動状態とリスニング環境に合わせて外音取り込みとノイズキャンセリングのレベルをヘッドホンが調節してくれる「アダプティブサウンドコントロール」機能も画期的だ。平たく言うと、「止まっているとき」「歩いているとき」「走っているとき」「乗り物に乗っているとき」という4つの行動パターンがプリセットされており、ユーザーがどの動きをしているか検知すると、それに合わせてリスニングのモードを自動で切り替える。

目玉機能の「アダプティブサウンドコントロール」

目玉機能の「アダプティブサウンドコントロール」。ユーザーの行動状態に合わせてノイキャン効果をヘッドホンが自動で調節してくれる

動きの検出にはヘッドホンとペアリングしているスマホの加速度センサーとGPS情報を使う。それぞれのモードに基本設定値は設けているが、アプリから外音取り込みやノイズキャンセリングのレベルを細かく変更し、保存することもできる。iPhone 7とペアリングして使ってみたところ、「止まっているとき」から「歩いているとき」への切り替えは、15秒前後のインターバルで素速く行われる。電車やバスに乗り込んだときの判断も正確だった。

新モデルの外音取り込みはまさしく最強クラスの出来映えだが、まわりの環境の変化に合わせて外音取り込みの量を素速く変更したくなるときもあった。その場合はスマホを取りだしてアプリを立ち上げるのが煩わしく、そもそも歩きながらのアプリ操作は危険も伴う。本体のタッチセンサーリモコンからも外音取り込みができるようになれば完璧だと思う。

それにしても、これほど多くの機能が加わったアプリが、昨年発売のMDR-1000Xで使えないこと、ユーザーとしては残念で仕方がない。半年以上先になってもいいので、対応を検討してもらいたいと願うばかりだ。