2020年開催のオリンピック・パラリンピック東京大会でオフィシャルスポンサーを務めるパナソニックが10月14日~12月9日まで、東京・有明にあるパナソニックセンター東京で「The Passions~みんなの熱が未来をつくる~」と題した特別企画展を開催する。

10月14日~12月9日まで、パナソニックセンター東京(東京・有明)で開催される特別企画展「The Passions~みんなの熱が未来をつくる~」。1964年と2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関連したエンブレムやピクトグラムなどデザインモチーフを中心に実物と解説を展示

企画展は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が推進する広報宣伝活動の公認プログラム「いっしょに TOKYOをつくろう。」の第2弾として行われる。国際オリンピック委員会(IOC)の協力のもと、1964年の東京オリンピック大会と2020年の次回大会の関連アイテムがデザインを中心に展示紹介される。

会場内は大きく2つのブースに分かれている。「The Passions toward 1964」と称したブースでは、当時アジアで初めて開催されるオリンピックとなった1964年の東京オリンピックのシンボルマークやピクトグラム、アイテムを実物展示すると同時に、それぞれを担当したデザイナーの情熱や思いも紹介されている。

1964東京オリンピックの貴重な資料を展示

1964年の東京オリンピックのエンブレム。簡素でありながらも明快で日本とオリンピックをシンボリックに表現したデザインとして過去のオリンピックの中でも評価が高い。デザインを担当した、亀倉雄策氏によるデザイン工程の映像もプロジェクターで紹介

1964年東京オリンピックの第2号ポスター。亀倉雄策氏はそれまで主流だったイラストのポスターから写真の活用を発案。国立競技場にカメラ4台と東京中から集めた多数のストロボを運び込み、フォトディレクターの村越襄氏とカメラマンの早崎治氏が約3時間かけて撮影し、迫力の一瞬を捉えた

1964年の東京オリンピックで使用された競技と施設のピクトブラム。12人のグラフィックデザイナーが担当し、3ヶ月にわたって制作された

1964年大会の競技プログラムの表紙。エンブレムの他、各競技のシンボルマークがデザインされている

市川崑氏が監督を務めたオリンピックのドキュメンタリー映像の台本。上映時間170分の作品の制作には265人のスタッフと83台のカメラが使用され、撮影フィルムの長さは32万2933フィートにも及んだという

日本選手団が着用した開会式用公式ブレザー。シンボリックな"日の丸カラー"だが、多種多様な赤の中から、屋内外・時間帯を問わず美しい深紅のカラーが探し求められた末に採用された

トーチ台をデザインしたのはプロダクトデザイナーの柳宗理氏。実物とともに、秩父宮記念スポーツ博物館所蔵のデザイン画も展示

1964年の東京オリンピックでメダルなどを贈呈するコンパニオンが着用した着物。高島屋など老舗百貨店の協力によって制作された

各展示物に記された担当クリエイターの名前のプレートをイベントの公式アプリにかざすと、経歴などの情報を閲覧することができる仕組みも採用している

1964年の東京オリンピックでは、エンブレム、ピクトグラム、タイポグラフィーの仕様を詳細に定めた「デザインガイドシート」が作成された。それに基づき、オリンピックでは初となるデザイン上の総合的なアイデンティティシステムが確立されたとされている