【インタビュー】

さあ、新しい「仮面ライダー」を始めようか - 東映・大森Pが語るエグゼイドとビルドの"二か年計画"

1 "トゥルー・エンディング"の試み

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『仮面ライダーエグゼイド』が10月15日に開催されたステージイベントでファイナルを迎えた。劇中に登場するライダーたちは発表当初、歴代でも「これってライダーなの!?」と物議を醸したビジュアルだったが、終わってみれば脚本・高橋悠也氏の手がける巧みなストーリーに乗せられちゃった視聴者が続出。従来のライダーファンに加えて新たなファン層を獲得し、派生作品、アイテムを含めてビジネス面でも成功を収め大団円となった。

そして現在、『エグゼイド』の勢いそのままに最新作『仮面ライダービルド』を放送(毎週日曜あさ9:00~9:30)。本作では、「悪の組織」「人体実験」といった原点『仮面ライダー』の要素を媒介にしながら、新たなライダーの世界が作り出されている。今年はイベントでもエグゼイドとビルドによる「バトンタッチ会」が行われ、映画『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』でも謎が残されるなど、従来になかった結びつきが見られた。

東映の大森敬仁プロデューサー 撮影:宮川朋久

2作品でプロデューサーを務めているのは、東映の大森敬仁氏。ライダー・戦隊シリーズで多くの作品に携わり、『仮面ライダードライブ』(2014~2015年)でチーフプロデューサーに。一つ間をおいて『エグゼイド』『ビルド』と連続で作品を担当するが、近年一人のプロデューサーが連投することは珍しくなっている。『ドライブ』が完成したときに"仮面ライダーとは何か"という意味を知ったという大森氏は、『エグゼイド』『ビルド』は"二か年計画"だったと振り返る。新たなライダーをめぐるプロジェクトはどこへ向かうのか、大森氏を直撃した。

――まずは『エグゼイド』の見事な完結について。テレビ最終回よりも早く映画でトゥルー・エンディングを見せ、やがてテレビの最終章で「え、これって本当に映画につながるの?」と思わせながら最後の最後で全部つなげてみせる手法は非常に斬新でお見事でした。この仕組みを思いつき、実行に移した経緯とは。

そういっていただくと大変うれしいですね。最初は、今回のテレビシリーズが8月いっぱいで終わっちゃうというところが発端になっています。

――8月に終わるというのはいつごろ決まっていたのですか?

決まったのは映画を撮る直前くらいだと思います。そこで、8月いっぱいで終わるとすると、これは今までにないチャンスだと考えました。テレビが最終回を迎える時に、もう映画をやっているので、その今回だけの条件を生かさない手はない。"真のエンディング"という表現をしましたけど、「映画で最終回をやる」というのは今回の企画としてなによりも正解なんじゃないかと思いました。

そうしてまずガワだけを決めて、内容は3月くらいから考え始めました。その時はまだ、テレビのエンディングと映画のエンディングを別のもの、パラレル的なものにすることを考えていたり、映画が公開される8月頭の時間軸で、テレビから枝分かれしたエンディングを見せるという企画もありました。

それから脚本の高橋さんに2、3回映画のプロットを書いていただいた後だと思うのですが、テレビの話も映画の話も汲んだ上で"最終回後"の話を見せれば本当に"真のエンディング"になる。それがいいんじゃないかという話をしました。

テレビシリーズを作る上でも、映画の公開週に見た人の見心地を多少気にしないとマズイので、その時点でのライダーたちの関係性は変えず、ただ少し内容としてはつながらない、違和感が残るようにしています。8月毎週の放送を見ていくと徐々につながっていく、徐々に"味が変わっていく"ようにすることはできないかという狙いで、それを踏まえて細かいところを高橋さんが詰めていってくれた感じです。テレビを書くときには僕らももう映画のエンディングがわかっていたので、逆算して「ここでこの要素を入れるとつながるだろう」という話はしていました。

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インデックス

目次
(1) "トゥルー・エンディング"の試み
(2) 想定外だった貴利矢の人気、黎斗の狂気
(3) 仮面ライダーで前年の反省を生かすことは「できない」
(4) ビルドはなぜモチーフを決めなかったのか
(5) いま、この社会で仮面ライダーを作るということ
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