【レポート】

日本マイクロソフト×Marimekko - Surface向けコラボアイテム発売記念イベント

日本マイクロソフトは2017年10月14日、都内で「Marimekko for Microsoft Surface」の発売記念イベントを開催した。フィンランドのアパレル企業であるMarimekko(マリメッコ)とのコラボレーションは、5月26日に開催した新Surface発表会でも、「個性と自由を尊重しながら、日々の生活を豊かにする」をコンセプトにデザインしたとアピールしていた。

6月の時点でシールタイプの「Marimekko for Microsoft Surfaceスキン」を発売済みだが、10月13日からは、Surface ProおよびSurface Laptopに対応した「Marimekko for Microsoft Surface スリーブ」と、Surface Pro用タイプカバーの「Marimekko for Microsoft Surface タイプカバー」を発売済みである。ここでは、日本マイクロソフト 代表取締役社長 平野拓也氏、Marimekko CEO Tiina Alahuhta-Kasko氏、フィンランド大使 Jukka Siukosaari氏によるパネルディスカッションの様子をお届けする。

左から、日本マイクロソフト 代表取締役社長 平野拓也氏、Marimekko CEO Tiina Alahuhta-Kasko氏、フィンランド大使 Jukka Siukosaari氏

MSとMarimekkoが協業に至った理由

平野氏 : (Marimekkoとの協業は)意外な組み合わせに見えるかもしれないが、弊社のミッションでも注力しているのが「働き方改革」。現在の働き方はダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(包括的)、ジェンダーフリー(性別からの自由)などを組み合わせて素晴らしい職場となる。Marimekkoも同様の考えを持っていたことが協業の切っ掛け。

6月に発表した「Marimekko for Microsoft Surface」は、Surface自体が"今までにないデバイス"をコンセプトに設計し、現在ではオフィスに限らず喫茶店などでも見かけるようになった。生産性向上はもとより、仕事でもプライベートでもアイディアや個性を打ち出すため、インパクトのあるファッションブランドとの協業は重要。Surfaceの機能性や美しさとMarimekkoのデザイン・個性が融合し、自由な発想につながるはず。

3名によるパネルディスカッション。平野氏はMarimekkoデザインの靴下を着用していた

Kasko氏 : 1951年に創業したMarimekkoは人々に力を与え、日々の暮らしが幸せとなるようなライフスタイルを提案するため、当初から大胆な色使いと自由な模様を採用してきた。バックグラウンドが異なる人々が共にクリエイティビティを発揮できる環境作りを目指している。

今回はMarimekkoのデザイナーとMicrosoftのデザインチームが取り組み、3製品(スキン、スリーブ、タイプカバー)に対して4種類のデザイン(Unikko:けしの花、Räsymatto:縞模様の現代風ラグ、Siirtolapuutarha:市民菜園、Kaivo:泉)を施している。今回の協業は非常にエキサイティングだ。

平野氏 : 各所でSurfaceデバイスを見かけるようになったが、弊社の社員も個人的に(スキンを)使っている。肌感覚では7対3で女性が多く、ミーティングの雰囲気も華やかになってきた。また、デバイスの使い方もペンがメインの社員もいれば、(タイプカバーを外して)タブレットとして使う社員もいる。この多様性にMarimekkoのデザインが加わることで、ポジティブな雰囲気や楽しさが生まれるのはおもしろい現象だ。

「Marimekko for Microsoft Surface スリーブ」の参考価格は8,240円(税別)。写真は、縞(しま)模様の現代風ラグをあしらった「Räsymatto」

フィンランドはデザインやテクノロジーで有名

Siukosaari氏 : 今年はフィンランド独立100周年という特別な年。(その多くを共に過ごしてきた)Marimekkoは国の歴史を語る"生き証人"である。MicrosoftとMarimekkoは強さや新しさを生み出し、人々に提供することに成功したブランド企業といえるだろう。

(個人的な思い出と断りを入れながら)別荘の内装もMarimekkoデザインで統一し、当時の母親も同じだが、40歳以下の女性は皆Marimekkoを身に付けていた。Marimekkoは女性特有のブランドではなく男性も身に付けるため、社会的性差という考え方も良い方向に変化している。

さらにデザインという文脈で見ると、我が国は自然が身近で魅力的な存在に映る。建築やオブジェクトに限らず被服に取り込まれる部分は、日本人に通じるのではないだろうか。テクノロジーという文脈では、フィンランドに限らず男性は新しい物好きである。(フィンランドの企業であるNOKIAのように)携帯電話も新しいテクノロジーを開発し、IT技術をリードしてきた。

「Marimekko for Microsoft Surface スリーブ」。けしの花を意味する「Unikko」

Kasko氏 : テクノロジーとデザインの関係だが、良いデザインが始めにあり、そこに機能性を持たせるという考え方が浸透している。フィンランドの冬はとても寒く、皆が家に籠もって過ごしているが、その時でもエネルギーを求めているからこそ、元気が出るデザインが欠かせない。

平野氏 : 一見するとテクノロジーという単語は無機質だが、クリエイティブな働き方を支える重要な存在。弊社ではAI(人工知能)から送られてくるレポート(MyAnalytics)で、「今週はAさんと一緒に30%も過ごしている。その必要はあるのか」「参加した会議で20%も内職(別の作業を)していた」と気付きを与えてくれる。(テクノロジーの進化は)クリエイティビティを得る上で重要な存在だ。

発売済みの「Marimekko for Microsoft Surface スキン」。参考価格は4,167円(税別)。「Marimekko for Microsoft Surface タイプカバー」の参考価格は21,400円(税別)

日本の働く人々へメッセージを

Siukosaari氏 : 「自分らしくあれ、そのままの自分であれ」というメッセージを若い方々に送りたい。仕事は自分がおもしろいと思うことを選びなさいと、自分の子どもたちにもいっている。

Kasko氏 : Marimekkoのミッションと同じだが、「仕事は自分が幸せになるために、情熱を持って取り組む」と述べたい。

平野氏 : Siukosaari氏やKasko氏とかぶってしまうが、大事なのはオーセンティック(本物)に「自分の価値観を持つ」こと。テクノロジーという文脈では、「ワークライフバランスからワークライフチョイス」へ変えるべきだ。いずれにせよ自分で選択できる考え方を持ってほしい。

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後の質疑応答で、シールやタイプカバー以外にMarimekkoデザインを展開するか尋ねたところ、「Marimekkoは布や糸一本といった材質にこだわっているため、(デジタル壁紙のような)展開は現時点で予定していない」(平野氏)とのこと。また、Marimekko以外のブランド協業を予定しているかとの質問には、現時点では未定と答えた。

ノートPCでオリジナリティを演出する一つの方法として、天板に好きなブランドのロゴシールを貼っているユーザーは多いと思う。今回のMarimekko for Microsoft Surfaceのように、企業が"自分らしさ"を演出可能にする展開には、興味深いものがある。欲をいえば、より多くのデザインが登場し、選択の幅が広がると一層おもしろくなるだろう。

イベントは一般開放していたため、多く人々がスマートフォンで撮影していた

阿久津良和(Cactus)

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