【レポート】

和歌山市駅、駅ビル解体進む - 南海線・JR線の改札口も分離、便利になった?

南海電鉄の和歌山側のターミナル、和歌山市駅は南海線(南海本線・加太線・和歌山港線)とJR線(紀勢本線)の列車が乗り入れる。「市駅」の愛称で親しまれ、JR和歌山駅とともに和歌山市の表玄関として機能してきた。現在は「和歌山市駅活性化計画」にもとづく改修工事が始まり、JR和歌山駅をしのぐ規模だった駅ビルの解体も進んでいた。

解体工事の進む和歌山市駅の駅ビル

和歌山市駅は1903(明治36)年開業の歴史あるターミナルだ。解体の進む駅ビルは1973(昭和48)年開業の3代目駅舎。高島屋(2014年閉店)を核テナントとする「南海和歌山ビル」という名称の複合商業ビルだった。

しかし近年、和歌山市駅の利用者数は最盛期の約3分の1に落ち込んでいたという。そこで和歌山市と南海電鉄は、駅の再生を目的に「和歌山市駅活性化計画」に着手。2020年をめどにホテル・商業施設・図書館が入った新駅舎がオープンする予定となった。

今回、筆者は南海加太線に導入された水色の「めでたいでんしゃ」(10月7日から運行開始)の撮影会・試乗会を取材するため和歌山へ。加太駅へ向かう途中、和歌山市駅で一度下車し、駅ビルの外観を観察した。駅ビルの解体作業は4月から始まっている。まだ全面的に解体されていないものの、ビルの下部は覆いで囲われていた。全体的に塗装は色あせており、老朽化がひしひしと感じられた。

1973年開業から40年以上にわたり親しまれた和歌山市駅の駅ビル(写真は2015年撮影)。2階改札口への階段を覆うアーチ状のゲート空間も特徴だった

解体工事の始まった駅ビル付近に、和歌山市駅の歴史や「和歌山市駅活性化計画」の概要など紹介するパネルが設置されている

水色の「めでたいでんしゃ」は加太駅での撮影会の後、報道関係者向けの試乗会として加太駅から和歌山市駅へ。復路も和歌山市駅で乗り換えることになった。

和歌山市駅のさまざまな変化に戸惑う人も

一連の改修工事の中で、和歌山市駅では7月15日に2つの変化があった。ひとつは改札口が2階から1階に移されたこと。それまでエスカレーターや階段を使って2階の改札口に上がる必要があった。改札口が1階に移った結果、階段を上り下りすることなく、そのまま改札口および2~4番線ホームへ行けるようになった(5~7番線ホームへの移動は跨線橋を利用)ため、利便性が大きく向上している。

新設された南海側の改札口に4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)対応の案内表示器があり、これを見て行先や時刻を確かめる外国人観光客の姿も見かけた。今後さらに改修工事が進むことで、誰でも使いやすい和歌山市駅に生まれ変わるのだろう。

2つ目の変化は南海線とJR線の改札口が分離されたことだ。かつての和歌山市駅は、JR線を利用する場合でも南海線の改札口を通らなければならず、和歌山~和歌山市間では「ICOCA」などのICカードも使えなかった。

改札口の分離にともない、JR線ホーム(2番線ホーム)に南海線からの連絡改札口とJR線改札口を設置。あわせてJR線改札口から駅出口へ専用通路が設置され、南海線の改札口を通ることなくJR線を利用できるようになった。JR線改札口は「ICOCA」などのICカードにも対応しており、和歌山~和歌山市間も「ICOCA」などで乗車できる区間に。ただし、こうした変化からまだ日が浅いせいか、観光客を中心に戸惑う人もいる様子だった。

和歌山市駅のJR線ホームは改札口が完全に分離された

和歌山市駅の構内図。JR線改札口からも駅出口への専用通路を設置

新設されたオープンカウンター型の改札窓口

多機能トイレも新たに設置されている

南海線の和歌⼭市駅では、他にもオープンカウンター型の改札窓口や多機能トイレ設置などの変化が。どちらも使いやすく、とくに駅を訪れた観光客は重宝するだろう。今後は駅ビル解体工事を経て、2019年度に市民図書館を中心とする公益施設棟、2020年度にホテル棟・商業棟が竣工予定。和歌山市駅がどのように変化していくか、目が離せない。

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