【インタビュー】

Veritas最高製品責任者が明かす、AWSではなくMicrosoftと最初に提携した理由

Symantecから分社したVeritas Technologiesは「データ管理ソリューションベンダー」であることを標榜する。その実現に向け、新たな戦略「360度データ管理」を策定し、同戦略に基づく製品の提供にこぎつけている。その立役者が最高製品責任者を務めるMike Palmer氏だ。Palmer氏にVeritasがフォーカスしている分野について話を聞いた。

Veritasの最高製品責任者を務めるMike Palmer氏。VeritasのCEOであるBill Colemanの片腕として製品戦略を担当する

--「360度データ管理」においてMicrosoftと提携した。今回の提携は何を意味するのか? どうしてMicrosoftを選んだのか?--

Palmer氏: Veritasはソフトウェアベンダーであり、多数の技術を統合することを得意とする。NetBackupではさまざまなアプリケーションをサポートしており、ストレージでもあらゆるOSを、クラスタサーバでもさまざまなアプリケーションをサポートしている。異なる技術の連携を支援することがわれわれの役割だが、クラウドでも同じことをする。クラウドにおける戦略は、顧客がさまざまなクラウド事業者を利用することを支援することだ。

そこで今回、長年のパートナーであるMicrosoftと最初に手を組んだ。Microsoftはエンタープライズの顧客を理解しており、われわれはエンタープライズの情報管理において最大手だ。ともにチャネルを理解しており、営業がどのように行われるのか、どのように契約が行われるのかなどについても共通の理解があった。だが、どこかの事業者を優先させるわけではなく、最終的にはすべてのクラウドで同じようなことを実現していく。

--パブリッククラウドの最大手と言えばAmazon Web Services(AWS)だが、Microsoftのほうが組みやすかったということか?--

Palmer氏: AWSは顧客にフォーカスしているが、独自のアプローチをとっている。AWSと顧客との関係は、エンタープライズベンダーと顧客との関係とは少し異なり、顧客とのエンゲージやサポートなどについて深いレベルの話をしていない。

すべてのクラウドをサポートするにあたっては、それぞれに対応を変えて特徴を理解しなければならない。現時点では、それを行うのはMicrosoftが最も簡単だったが、今後数カ月でAWSとはバックアップなどの分野で統合を深めていく計画だ。関係は良好で、われわれのデータ可視化ツール「Information Map」はAWS上で動いている。

日本ではソフトバンクと話をしている。ドイツではDeutsche Telekomと提携しているが、日本もドイツのように、国内のクラウド事業者を好む傾向がある。

--UI刷新のための「Design Program」を発表した。その特徴を教えてほしい--

Palmer氏: Veritasはさまざまな製品を提供しているが、それぞれルック&フィールが異なる。他の製品との統合を意識したものではなく、また、顧客の作業が簡単になるようにも設計されているとは言えない状態だ。

Design Programは既存のカスタマーエンゲージプログラム(Customer and Partner Engage program)の一部として展開するもので、製品の機能や体験についても顧客から早期のフィードバックを求める。

ポイントは大きく2つある。1つ目として、Veritasの製品を使うのはバックアップ管理者、クラウド管理者、開発者などさまざまだが、ユーザーを理解したい。2つ目として、ユーザーの作業は何であり、それをどうやって簡素化できるかを考える。例えば、バックアップ管理者は2万7000もの機能をシンプルかつ直感的に使いたいと思っておりこれを支援する最善のワークフロー、インタフェースを提供したい。

UI刷新の目標は、製品がきちんと統合されることだ。Veritasの製品分野は拡大しており、顧客が今後さまざまなことにVeritasの技術を使うにあたって、難しくなるのではなく、簡単にならなくてはいけない。そうでなければ、使ってもらえない。

すでに「Information Map」では新しいインタフェースを導入しているが、今後、他の製品も直感的、かつ、選択肢に答える形で設定できるようなものにしていく。

--360度データ管理ソリューションの今後の計画は?--

Palmer氏: 「NetBackup」においては2017年中にストリーミングツールを提供する。「Cassandra」などのNoSQLデータベースのバックアップのための技術となる。

パブリッククラウド向けスナップショット管理製品「CloudPoint」では、Veritasのストレージ機能を使い、データ保護のためのストレージスケールアウトを行う機能も実現する。

*--日本市場についてはどう見ているか? *--

Palmer氏: 日本では、サポートやドキュメンテーションなどにおいて、言語の対応が重要だ。だが、これは英語圏以外では同じであり、日本固有の取り組みとしては、日本のベンダーが自社製品とわれわれのストレージソフトウェアをセットにして提供することを進めている。日本企業は日本のベンダーから調達することが多く、日本のベンダーとの協業をしっかり行っていく。

日本は品質を重視する市場であり、Veritasは高性能の製品を提供し、信頼性がある企業と見てもらっている。このような高評価は日本のベンダーとの協業でも優位となっている。

--オブジェクトストア「Veritas Cloud Storage」を発表したが、この分野では後発となる。その戦略は?--

Palmer氏: 開発者はハードウェア技術について知りたいと思っていない。ディスクを理解したいと思っていないし、その上に構築したいとも思っていない。そこで、あらゆる種類のインフラで利用できるオブジェクトストアの提供を決定した。だが、Veritasは1990年代からソフトウェア定義に取り組んでおり、他社より先だと思っている。

差別化のポイントはたくさんある。アーカイブからプライマリへの流れでは、アナリティクスと機械学習が重要になる。Veritasのオブジェクトストアでは、インテリジェントな管理としてコンテンツとアクセスを追跡し、オブジェクトストアを組織化してプライマリのデータソースのように扱うことができる。ペタバイト級にスケールする製品であるため、小規模なベンダーと競合するつもりはなく、クラウド規模で戦う。オンプレミスで開発したらクラウドとののリンクが必要になる。われわれが狙うのは、開発者がストレージに容易にアクセスできるような、ハードウェアを問わないストレージ市場だ。

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