【レポート】

ソニーなのにB2B、健康プラットフォーム化を目指す「FAIT」の正体

1 ソニーの事業開発プログラムが起点に

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ソニーと言えばテレビ「BRAVIA」やゲーム機「PlayStation」、そしてスマートフォン「Xperia」などのブランド名がすぐに思いつく人も少なくないだろう。そのソニーが法人向けに「FAIT(Fit with AI Trainer)」と呼ばれるソリューションをこの10月から展開する。

もちろん、ソニーはかねてから放送機器やカメラセンサーといった分野で高いシェアを誇っており、ソフトウェア販売やソリューション販売でも専売子会社を抱えるなど、B2Bの知見がないわけではない。ただ、このFAITでは従来ソニーが開拓してきたB2B顧客先とは異なり、介護事業者やスポーツクラブ、不動産会社といったあまり馴染みのない領域へ進出する。

FAITとは何か、なぜソニーがこのビジネスを展開するのか。ソニーモバイルコミュニケーションズ IoTビジネスグループ 事業推進部 SF-Project 統括課長の廣部 圭佑氏に話を聞いた。

ソニーモバイルコミュニケーションズ IoTビジネスグループ 事業推進部 SF-Project 統括課長 廣部 圭佑氏

FAITとは?

日本人の長寿命化はもはや説明不要だろう。7月に厚生労働省が公表した調査によれば、平均寿命は女性が87.14歳、男性が80.98歳と、「人生100年」が現実的なものになっていることがわかる。一方で東京大学らの調査によれば、健康上の問題なく日常生活を過ごせる「健康寿命」は2015年時点で73.9歳(この調査における平均寿命は83.4歳)と、生涯を終えるまでおよそ10年間のタイムラグが存在する。

この10年を埋めるための存在がFAITだ。

「Live Longer, Live Happier(長く生き、楽しく生きよう)」をキースローガンに、「スポーツセンサー」や「FAITタグ」というIoTデバイスを用いて「健康PDCAサイクル」を回して健康寿命の長期化を目指す。また、FAITの名称に「AI Trainer」が組み込まれているように、人工知能を活用することでその人に最適なトレーニングメニューを提案するという。ソニーは8月にディープラーニングの統合開発環境「Neural Network Console」をOSS化して公開したが、FAITもこの開発環境を用いている。

廣部氏は、「日本の社会課題として健康寿命の延命をなんとか実現できないか。どういうソリューションで実現できればいいかと考えた時に、ソニー全体のアセットを見渡してできると考えた」と振り返る。構想は2年前、ソニーの新規事業開発プロジェクト「SAP(Seed Acceleration Program)」に応募したところからスタート。ウェアラブルデバイスやテニスセンサーといったセンシング技術と、NNCなどのDeep Learningを組み合わせることで実現できると考えたそうだ。

SAPにこそ選ばれなかったものの、ソニーモバイルコミュニケーションズでIoT事業部が立ち上がるタイミングでヘルスケア事業を手がけることになり、構想をそのまま実現させた。廣部氏は、「SAPとして採用されなくても、あのプログラムによって世に出た製品は少なくない。若手社員であっても、手を挙げることで事業開発や開発手法をプログラムの途中で学ばせてもらえる。SAPは確実にソニー全体にいい影響を与えていると思う」と話す。

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インデックス

目次
(1) ソニーの事業開発プログラムが起点に
(2) ヘルスケアを考えるからこそ「B2B」
(3) 健康の未来予測が実現できるプラットフォームへ

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