【インタビュー】

投資ファンドによる買収計画が破談 - それでも我が道を突き進むLattice

既報のとおり、米国のFPGAベンダであるLattice Semiconductorは、9月13日(米国時間)付けで、2016年11月に発表していた中国資本の投資ファンドグループ「Canyon Bridge Capital Partners」への13億ドルでの売却が、CFIUS(対米外国投資委員会)の勧告を受けたトランプ米大統領が発した大統領令を受けて、破談となった。

その後、Canyon Bridgeは、英国のGPU IPベンダであるImagination Technologiesの買収を表明するなど(米国に拠点があるMIPS事業部は対象外)、積極的に半導体分野に向けた投資を行う様子に変化は見られない。一方、はしごを外された形となったLatticeだが、意気消沈しているのかと思うと、実はそうでもないという。そんな同社が、これからどういった方向に向かっていくのかについて、同社日本法人ラティスセミコンダクターにて代表取締役社長を務める吉田幸二氏に、話を聞く機会をいただいた。

CEATEC JAPAN 2017の同社ブースにて来場者への対応をしていたラティスセミコンダクター代表取締役社長の吉田幸二氏

--現在のLatticeはどのような状況になっているのでしょう?

吉田氏(以下、敬称略):これまで、社長兼CEOのDarin G. Billerbeckの指揮の下、売り上げ規模の拡大を達成してきましたが、基本は変わりません。事業の方向性としても、これまでのエッジ・アプリケーションへのフォーカスに変わりなく、低消費電力、低コスト、高セキュリティを実現できる28nm FD-SOIの製品開発にも変更はありません。

もともとFD-SOIの開発は、Canyon Bridgeとの話が持ち上がる以前から進められているものですし、同社のLattice買収がなくても、影響を受けることなく、進められる計画になっていました。

また、FD-SOI以外も含めて、カスタマに提示しているロードマップにも変更ありませんし、経営の体制の変更もありません。元々、カスタマには、今回の買収の結果にかかわらず、ロードマップの変更はないことを伝えてありました。そのため、これから大丈夫なのか、といったご質問などはほとんどいただいていないのが現状です。

--今回の買収が承認されなかったことについてはLatticeとしてはどう捉えているのでしょうか? もう1つの動きとして、8月にHDMIの設計チームと、子会社のSimplay Labsを米INVACASに売却しましたが、今回のCanyon Bridgeとの関係はあるのでしょうか?

吉田氏:近いうちに弊社幹部が来日する予定ですので、ご説明の機会を持たせて頂ければと考えています。

--売り上げ規模は毎四半期ごとに伸びていますが、GAAPベースの損失が続いています。こうした状況を踏まえると、新たなパートナーを探すことになるのでしょうか?

吉田氏:この点についても弊社の幹部よりお話しさせて頂けるかと思います。GAAPベースの損失については、将来的には改善できると思っております。市場の環境としても、大手FPGAベンダが、クラウドとの親和性を高める方向性を示していることもあり、カスタマの多くが、自動車や産業機器といった市場に向けたレガシー製品を含めた長期供給について不安を持っており、そこをコミットする我々を重宝がってもらっていると思っております。すでに、昔のマイコン・ASICを我々のFPGAにリプレースするといった動きも加速しており、そうした動きを追い風に出荷数自体も伸びていることも、黒字転換が可能と言える背景には存在しています。

また、次世代の28nm FD-SOI製品では、LUTが従来よりも数倍程度増加する予定ですが、我々はプロセッサを搭載する方向性を現在は指向していません。5GにおけるベースステーションなどにおけるASICのコンパニオン・チツプという役割を果たすには、その程度の規模のニーズが存在します。そうした意味でも、我々は今後も独自の立ち位置で存在感を示し続けられるのではないかと考えています。

--最後に、日本のカスタマの皆様に一言メッセージをいただければと思います

吉田氏:Latticeは今後も、FPGAとワイヤレスを2本柱として、しっかりとしたビジネスを行っていきます。ですので、心置きなく、心配なく、カスタマの皆様は、我々を活用していってもらえればと思っております。 --ありがとうございました

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