みちびき4号の打ち上げで実用的になるCLAS

三菱電機ブースでは、準天頂衛星「みちびき」の模型とともに、CLASについて説明されていた。みちびきは準天頂衛星という名が示すように、一基の衛星がおおよそ8時間、日本上空に留まる軌道となっている。10月10日にみちびき4号の打ち上げが予定されており、運用が開始される2018年度(予定)には、準天頂衛星が3機体制となる(注:みちびき3号は静止衛星で準天頂衛星ではない)。

CLASの説明パネル。日本ではCLASサービスが無償で利用できるが、「L6」対応の機器が必要。CEATEC 2017では、別ブースでL6対応製品が展示されていた

さて、GPSには若干の誤差があり、「基準点との誤差を使って」補正する技術がディファレンシャルGPSだ。誤差補正情報の受信方法には色々な方法があるが、GPS受信機だけで補正しようという方法の一つがCLASだ。みちびきからはGPS衛星としての情報に加えて、ディファレンシャルGPSの信号が送信され、CLASの情報も含まれる。計算上は、位置情報の誤差を数センチメートルまで減らすことが可能だ(十分な数の衛星を捕獲している状態で、静止時水平誤差6cm以内の確率が95%、移動体では同12cm)。

CLASは、測量や情報化施工、IT農業での応用が考えられているほか、自動運転にも活用できる。説明員によれば、完全自動運転を行うためには25cm以下の誤差で位置を把握しなければならないが、CLASを使えば余裕を持って対応可能という。なお、CLASは「L6」という今までのGPS受信機で使っていない周波数を用いるため、現在のスマホやGPS受信機では利用できない「明日の技術」だ。