Live Photosは、写真とシャッターの前後1.5秒の動画を含む撮影モードで、iPhone 8シリーズにも引き続き採用される。新フォーマットの効用は、Live Photosでも実感することができる。

筆頭に挙がるのはサイズの問題だ。動画を含むLive Photosは、通常の撮影よりも多くの保存サイズを必要とするのは言うまでもない。しかし新フォーマットを利用できるiOS 11では、Live Photosがより利用しやすくなる。

非常に単純に比較すれば、iOS 10のころにLive Photosではない通常の写真で撮影したのと同じ容量で、iOS 11の新フォーマットは、動画を含むLive Photosを保存できるようになる。

iOS 10で撮影した写真が2MBだったなら、iOS 11で3秒の動画を含むLive Photosも同じ2MBで済むのだ。もちろん通常の静止画であれば1MBで済むのだが、個人的には全ての写真をLive Photosで撮影しておくことをおすすめしたい。その理由は2つある。

まず1つ目は、シャッターチャンスを逃しても、あとから復活できる、ということだ。iOS 11では、Live Photosで撮影した写真について、動画部分から写真として残すフレームを選び直すことができるようになった。例えば、そっぽを向かれて完全にシャッターチャンスを逃した黒猫の写真。あとから編集で、Live Photosの動画部分を見てみると、シャッターの1秒前はこちらを見ていた。そこで、こちらを見ているフレームを選び直すと、猫の写真を完成させることができた。このように、シャッターの瞬間を逃していても、Live Photosなら安心、というわけだ。

Live Photos編集:失敗写真

Live Photos編集:最適なフレームを選択

2つ目は、iOSの「写真」アプリに搭載されている「メモリー」機能だ。iPhoneで写真を撮影していると、場所や被写体、旅行などのアクティビティごとに、「メモリー」と呼ばれるアルバムを自動的に生成し、ビデオクリップを自動的に創ってくれる。Live Photosを含んでいると、メモリーで生成されるビデオでも、Live Photosの動画が利用される。Live Photosは3秒で統一されているため、まるでシーン切り替えのタイミングまで図ってきちんと編集されたような、統一感のあるビデオに仕上がるのだ。もちろんこのビデオはカメラロールに保存したり、共有することができる。旅行やパーティーなどをiPhoneで撮影し、その場ですぐにビデオにまとめて共有する、といったことが可能だが、その完成度を高めてくれるのがLive Photosなのだ。