ベンキュージャパンは先ごろ、都内で「Eye-Care」液晶ディスプレイの紹介イベントを開催した。メディアや代理店/販売店向けがメインだが、一部コアなユーザーも招待したという。今回は本イベントに合わせて来日した、台湾BenQのEnoch Huang氏(Assistant Vice President, IT Display Products Business Unit)へのインタビューと、展示製品の一部を紹介する。

BenQのEye-Careディスプレイ紹介イベント会場。7月に発売されたばかりの「EW2770QZ」や、Eye-care機能搭載LEDデスクライト「WiT Eye-care デスクライト」も展示していた

Eye-Careは、目の健康を意識する文化の中で必然的に出てきた技術

―― 貴社がフリッカーフリー対応を前面に打ち出し、Eye-Careの取り組みを鮮明にしたのは2013年ごろだと思います。その後、ブルーライトを減らす機能や、周囲の明るさに合わせて輝度や色温度を自動調整するブライトネスインテリジェンスプラスを搭載するなど、ユーザーの目の負担を軽減するEye-Careの取り組みを進めてきました。貴社がEye-Careを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

Enoch Huang氏 : 当社には企業理念を表す「LIFE」という言葉があります。当社がビジネス活動を行うライフスタイル、ビジネス、ヘルスケア、教育という4つの分野の、それぞれへの関わりを示した4つの言葉の頭文字を取ったものです。

Enoch Huang氏(Assistant Vice President, IT Display Products Business Unit)

ライフスタイルは「Living better(より良い生活)」、ビジネスは「Increasing efficiency(効率の向上)」、ヘルスケアは「Feeling healthier(健康の実感)」、教育は「Enhancing learning(学習の強化)」となります。

Eye-Careは、この理念に沿って商品開発をした結果、必然的に出てきたものでした。このため、特にきっかけといえるものはなく、「より良いものを開発しよう」という企業としての姿勢が現れたものだと考えています。

ちなみにフリッカーフリーとブルーライト軽減はどちらも、TÜV Rheinland認証を得ています(ID:1419033703および1419033704)。

―― ユーザーの間で目の負担軽減に対する意識は高まっているのでしょうか。日本とワールドワイドのそれぞれでの違いなども含めて、Eye-Care製品を取り巻く環境について教えてください。

Enoch Huang氏 : 日本は目に対する健康意識が他の国々と比べてもとても高くなっています。ゲームやマンガなど目に負担がかかる文化が盛んなのも理由の一つでしょう。

グローバルで見た場合、Eye-Careに関するリーディングマーケットは台湾です。台湾は長時間労働の傾向も高く、子供や家族の健康を思いやり、目の健康への投資を重視します。当社のEye-Care製品も大きく伸びています。似たような価値観や文化があるところでは、マーケットポテンシャルが高く、日本もそうしたマーケットの一つです。

一方、欧米も決して目の健康に鈍感な訳ではありません。ただ、「そんなの簡単だ。外に出て遊べばいい」という発想が先に来るようです(笑)。台湾人や日本人だと、仕事を放り出す(PCを見ない)という発想はなかなか出てきません。画面から目を離さずに、問題解決するにはどうすれば良いかを考えるのです。欧米におけるEye-Care製品の展開は、アジアとは別の価値観に基づいた戦略を練る必要がありますね。

左から、Valia Liu氏(Global Business Planning Office, BenQ)、Enoch Huang氏(Assistant Vice President, IT Display Products Business Unit, BenQ)、菊池正志氏(ベンキュージャパン株式会社 代表執行役社長)

―― これまでも、グローバルで今回のようなEye-Care製品を紹介するイベントは実施してきたのでしょうか。

Enoch Huang氏 : Eye-Careに絞ったイベントは今回が初めてです。これまでもトレードショーやイベントでEye-Care製品の展示はしてきましたが、Eye-Careについてきちんと伝えるには、そうしたイベントでは来場者が多すぎました。一人ひとりに十分な時間を取って説明したり、体験してもらうことができません。今後は、今回のような形式も増やしていきたいです。

―― 今後、グローバルで製品展開していくにあたり、Eye-Careの位置付けはどのくらい重視するものになっていくのでしょうか。例えばすべての製品に搭載されるようになるのでしょうか。

Enoch Huang氏 : 基本的にはすべての製品に入れたいと考えています。ただ、製品ごとにターゲットがあります。デザイナーや写真家は厳密な色再現を最重視して、そのためにはブルーライト軽減は常に必要とされる機能にはなりません。e-sportsプレイヤーも、スコアに関わる液晶ディスプレイのパフォーマンス(編注:リフレッシュレートなど)以外は、軽視する傾向が高いです。

ただし、ユーザーによってニーズが異なるとはいえ、長時間利用するときに目が疲れないのは非常に重要です。e-sportsプレイヤーでも、ごく短時間のプレイで出すスコアではなく、何時間もかけて出すスコアを重視する際には、目の疲れはスコアに影響するでしょう。

製品そのもののパフォーマンスは妥協せず、ニーズに見合った内容で、プロダクトごとに目にどのくらい優しくできるか調整して搭載していきたいと思っています。