【レポート】

怖い病気が潜む可能性も! 大食いしても太らない理由を内科医に聞く

1 食べても食べてもやせる病気の正体

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なんで私、ちょっと食べただけですぐ太るの!?

暦も10月になり、秋の気配が色濃く漂うようになってきた。これからの季節はおいしいものに事欠かない。秋の味覚としてさんまや松茸、新米などが控え、冬になればカニや牡蠣などの海の幸が抜群に旨いうえ、さまざまな鍋料理も最高だ。

筆者も「今年は何回あの店で牡蠣料理を堪能できるだろうか」などと「秋冬グルメ」についてあれこれ思案し始めたが、そんな折にマイナビニュース編集部に複数の読者から同じような質問が届いた。その内容を総合すると

大食いをしても太りにくい人とすぐ太る人の違いは何か

となる。確かに「やせの大食い」という言葉が存在するし、いわゆる「大食いタレント」にも太った体形の人をそれほど見かけない気がする。普通サイズや、むしろ細身に見えてしまう人もいる。

人並み以上に食べてもおなか周りや二の腕などに余分な肉がつかず、太って見えない……。おいしいものが大好きな人にとって、これほどうれしいことはないだろう。

では、同じ食事を摂取しても太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜなのか。そして、どうすれば食べても太らない体質になれるのだろうか。内科・糖尿病内分泌内科の山本祐歌医師に聞いてみた。

――年々、自分の体重をキープするのが難しくなってきて困っています。そもそも、なぜ人は太るのか、そのメカニズムを教えてください。

食事として摂取したエネルギー量が消費するエネルギー量を上回ると、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されて太るというのが、基本的な仕組みです。エネルギーは運動したり、仕事したりして消費されるだけではなく、人間のさまざまな生命活動(呼吸や体温調節、内臓を動かすなど)でもエネルギーが使われています。

この生命活動に伴うエネルギー消費を基礎代謝と言いますが、基礎代謝量を上げることが太らないようにするために肝心です。これらのすべての消費エネルギーを上回るほどのエネルギーを摂取、すなわち飲食物を摂取すると必然的に体重が増加します。

もう一つ忘れていけないのが、肥満ホルモンとして名高いインスリンの存在です。私たちが食事で摂取した炭水化物(糖質)は体の中で分解され、最終的にはブドウ糖となって吸収されますが、ブドウ糖は血液を介して全身に運ばれます。

そして血液中にブドウ糖が流れると、膵臓のβ細胞からインスリンというホルモンが分泌されて肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込ませることによって血液中のブドウ糖の量が一定になるように作用しています。このときに細胞に取り込まれたブドウ糖は大半がエネルギーとして利用されますが、それ以外はグリコーゲンとして肝臓や筋肉などに蓄えられます。しかし、蓄えきれないぐらい過剰に糖質を摂取すると脂肪細胞などに蓄えられるため、肥満となってしまいます。

――ということは、いわゆる「やせの大食い」の人は摂取している以上にエネルギーを消費しているため、太らないということになりますよね。

そうですね。大食いをする=摂取エネルギーが多いということになります。消費エネルギーが少なく摂取エネルギーが多ければ太るということになりますが、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば太るということにはなりません。やせの大食いと言われる方は消費エネルギーが多い、つまり「普段の活動量が多い」もしくは「筋肉量が多く基礎代謝量が多い」ということになるかと考えられます。

その一方で、食べても食べてもやせていってしまう病気があります。甲状腺機能亢進症と呼ばれる病気で、この病気になると甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。体の代謝を司る甲状腺ホルモンが分泌過剰になると、代謝が異常に上がり、体の中は常に全力疾走をしているような状態になります。そのため動悸や発汗異常、体重減少などの症状が現れます。

また、糖尿病の人にも体重減少がみられます。血糖値が非常に高い際にインスリンの分泌が少ない、またはインスリンがうまく作用しないと、摂取されたブドウ糖を使うことなく細胞に蓄えられた脂肪をエネルギーとして消費するため、体重減少が起こります。やせの大食いと言われる人たちはこのような病気にかかっているかもしれませんのでご注意ください。

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目次
(1) 食べても食べてもやせる病気の正体
(2) 「太りにくい体」を手に入れるためにできること
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