赤ちゃんの洗濯物は大人と分けるべきか、悩んだことはありませんか? 「洗剤を選ぶ時に気をつけるポイントは?」「いつまで分ければ良いの??」といった洗濯にまつわる疑問を抱える人は少なくないと思います。今回は、赤ちゃんの洗濯物について、小児科医の竹中美恵子先生に聞きました。

なぜ、いつまで洗濯物を分ける必要がある?(画像はイメージ)

Q.赤ちゃんの肌は大人に比べてどんな特徴がありますか?

うまれたての赤ちゃんの肌は皮膚が薄く、刺激に弱いという特徴があります。その特徴から、具体的には乾燥しやすい、べたつきやすいなど、周りの環境の変化に弱いと言えます。

Q.洗剤を使う際には、どのような成分に気をつけた方がいいですか? 洗剤が原因で肌に炎症を起こすこともありますか?

洗濯用洗剤が原因で皮膚の炎症を起こす子どももいるので注意が必要です。特に合成界面活性剤は洗浄力が高くなるなどの効果があるため、多くの洗剤に含まれていますが、皮膚への刺激があるので、赤ちゃんの洗濯物への使用はできるだけ控えた方が良いでしょう。

また洗剤の成分ではありませんが、大人の洋服に入っていることの多い「ホルムアルデヒド」が皮膚炎やアレルギーを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。子どもが小さいうちは、できるだけ大人のものと分けて洗濯した方が良いでしょう。

Q.何歳まで赤ちゃん用の洗剤を使うべきですか?

アレルギー学会では1歳以下が最も皮膚が弱いとしているので、1歳を過ぎるまでは赤ちゃん用の洗剤を使うことをお勧めします。また、柔軟剤による肌のかぶれも多いため、赤ちゃんの洗濯物には使用しない方が良いかもしれません。

Q.アトピーなど、肌トラブルを抱えた子どもの洋服を洗うときには、さらに注意が必要でしょうか?

まず、すすぎ残しを防ぐために洗剤の量は過剰にならないようにした上で、すすぎ時間を長めにしてください。雑菌予防のためには、できれば天日干しすると良いでしょう。アレルギーの内容によっては、外に干さない方が良い場合もあるので、注意が必要です。

Q.洗剤を変える時に気をつけることはありますか?

洗剤を変える時は、必ず赤ちゃんの皮膚の様子を見てください。洗剤と柔軟剤、漂白剤などを合わせ使いしている場合、一度に複数を変えてしまうと、何が原因で皮膚の状態が悪くなったのか分かりにくくなってしまいます。必ず1種類ずつ変えて、その都度様子に変化がないか確認するようにしてください。

1回目で変化がなくても、使い続けると炎症が出る場合もあるので、慎重に様子を見てあげましょう。

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会、日本アレルギー学会、日本小児皮膚科学会に所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている。