キッズデザイン賞が今年も決定! - ファミリーに優しい受賞作品を一挙に紹介

子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた商品などを顕彰する「キッズデザイン賞」。11回目となる今年度の受賞作品は298点となり、9月25日、優秀作品34点が発表された。表彰式会場に展示されていた受賞作品の中から、編集部が注目したものを紹介しよう。

ベビーカーが置ける「西武鉄道 新型通勤車両40000系」が最優秀賞に

今年度、キッズデザイン協議会が内閣総理大臣賞(最優秀賞)に選んだのは、「西武鉄道 新型通勤車両40000系」(愛称: スマイルトレイン)。現在、所沢～豊洲間(平日)、西武秩父～元町・中華街間(土休日)を走る全席指定の「S-TRAIN」で導入されている車両だ。

コンセプトは、「人にやさしい、みんなとともに進む電車」。ベビーカーが置ける空間が用意されているので、安心して子連れでのお出掛けができそうだ。大きな窓には子どもの身長に合わせた手すりが設置されており、親子で車窓からの眺めを楽しむこともできる。

公共交通における子連れでの移動が社会問題化している中、ベビーカーを置ける空間構成や子どもが好む窓の外の景色が見られる窓の高さなどが評価されたという。

アイデアやこだわりが詰まった商品

2017年度は、保育施設における取り組みや企業向け商品・サービスの受賞が目立ったが、消費者として手に取りやすかったり、利用しやすかったりするものも多数ある。

このうち「ドクターレーベル ベビーキャリア」(アイデス)は、産婦人科医・小児科医の協力のもとで作られた抱っこひも。生後1カ月から使え、子どもの成長に合わせてサイズを調整することができる。「保育園で多く採用されている商品で、肩や腰への負担が少ないと評判です」(中井範光 代表取締役社長)。サンプルを20個作り、100人以上の人で試験をして、快適性を追求したという。価格は税別1万8,000円となっている。

また、アイデア商品といえるのが「携帯型ジュニアシート マイフォールド」(ダッドウェイ/Carfoldio Ltd.)。大人用のシートベルトでは正しい位置で固定できない、けれどもチャイルドシート使用義務期間(6歳まで)は過ぎている……。そんな時に便利なジュニアシートだが、持ち運びしにくいことがネックとなりがちだ。

このシートは座面をシートベルトの高さまで持ち上げるのではなく、シートについている3点の器具によりシートベルトを正しい位置に誘導・固定するので、コンパクトな形状・軽さ(重量約700g)が実現できたという。価格は税別8,300円となっている。

病院やショッピングセンターなどでの導入が見込まれるという「授乳チェア HugHug」(パラマウントベッド)も、利用できる機会があるかもしれない。子育て経験のある女性デザイナーが開発した商品で、授乳クッションを載せるのに最適な高さにアームレストを設置。さらに、授乳の邪魔にならない長さに設定しているそうだ。

ICTを活用した子育て支援サービスも続々

ここまでは商品を紹介してきたが、利用しやすいICTサービスも数多く見られた。例えば「駅すぱあと for Pigeon.info」(ピジョン/ヴァル研究所)は、電車を利用する子連れ・ベビーカーユーザーに向けたサービス。乗り換え回数が少なく、乗り換え時間に余裕を持たせた「やさしい経路」を案内してくれるほか、エレベーターや多目的トイレなどの情報も閲覧できる。

健診や予防接種の記録などをデジタルで残せ、自治体(2017年9月時点で15自治体)からの情報も届く「母子健康手帳アプリ」(ひまわりの会/NTTドコモ/博報堂DYメディアパートナーズ)、そして、子連れでのお出掛け情報を提供している「いこーよ」(アクトインディ)も、子育て世帯にとって力強いパートナーになってくれそうだ。

なお、今回受賞した作品は以下の表の通りとなっている。

子育てを支える商品やサービスは、日々進化している。自分のライフスタイルにあわせて、活用してみてもいいかもしれない。