3DMark v2.3.3732(グラフ12~18)

FutureMark
http://www.futuremark.com/benchmarks/3dmark

前回はOverallを1つのグラフにまとめたが、項目が大幅に増えてグラフが無駄に縦長になり始めたので、ちょっと分割する。

まずグラフ12がIceStorm/CloudGate/SkyDiverのOverallである。本来GeForce GTX 1080なんぞを使っている時点でこのあたりの負荷の軽いテストをするのは(グラフィック性能の比較としては)あまり適切ではないのだが、逆にCPUのオーバーヘッドの比較にはむしろ適切である。結果はちょっと面白いものだった。

IceStormでCore i7-7700Kが最高速なのは当然予想ができる。なにしろベンチでは描画処理がMulti-Thread化されていないのだから、とにかく最高速でブン回るCPUが高速である。そこまではいいのだが、なぜかThreadRipperについてはNUMAの方が高速になっている。MemoryのLatencyが利いてきているためだろうか? ただCloudGateやSkyDiverになると、Core i7-7700Kが最高速ではないし、ThreadRipperもNUMAにするとわずかながら性能が落ちるという傾向が出ている。

ではTimeSpy/FireStrike(グラフ13)は?というと、ことFireStrikeについてはUMA/NUMAの差はほとんど見られない。TimeSpyでは若干NUMAの性能が悪いが、これはもう少し細かく見る必要がある。

グラフ14はGraphics Scoreで、とりあえずIceStormでのCore i7-7700Kの突出振りがわかるが、SkyDiverあたりまで行くと殆ど横並びで、負荷の軽いゲームならCore i7-7700Kが有利だが、それなりに負荷が上がると今回取り上げたCPUならどれでも同じ、という感じになっている。これはFireStrike/TimeSpyのGraphics Score(グラフ15)からも明確である。

Physicsを確認すると、IceStorm/CloudGate/SkyDiver(グラフ16)を見る限り、IceStorm程度の軽い負荷だと、これもやっぱりThreadRipper系のメリットが出にくいようだ。もっともマルチコアが不利というわけではなく、Core i9-7900Xが最高速(とは言ってもCore i7-7700Kとの差はわずか)だから、これはAMD系が全般的に遅いというべきか。ThreadRipper 1920Xより1950Xの方がスコアが下回るあたりこれを物語っている。

ただCloudGate/SkydiverになるとAMD系が逆に健闘しており、SkyDiverではThreadRipper 1950Xが最速である。UMA/NUMAに関しては、SkyDiverだとUMA有利、IceStormだとNUMA有利、CloudGateでは大差なしというあたり、扱うデータ量(というか、オブジェクト数)が関係しているのかもしれない。

結構差がでるのがFireStrike/TimeSpy(グラフ17)で、ここではコアの数が多いほど有利という傾向は明白である。もっともFireStrikeではNUMA有利、TimeSpyではUMA有利、とこれまた単純に判断しにくい結果になっている。

最後にCombined(グラフ18)だが、SkyDiverとFireStrikeで傾向が大幅にちがうのはちょっと興味深い。FireStrikeだとCore i7-7700KがCore i9-7900Xを上回るというのもなかなか不思議ではある。逆にFireStrike Extreme/UltraではもうGPUがボトルネックになっているためか、性能差が無いとしてしまっても構わないレベルにおちついている。