PCMark 10 v1.0.1275(グラフ1~3)

FutureMark
http://www.futuremark.com/benchmarks/pcmark8

ファーストインプレッションではOverallのみだったが、今回はテストグループの結果も紹介したい。まずOverallを見ると、Expressではore i7-7700Kが最高速で、マルチスレッド系テストが加わるとRyzen系が盛り返す。しかし、それでもCore i7-7700Kにすら及ばないという結果である。

この原因は何か? ということでDetail(グラフ2)を見ると、大きく性能差があるのがDigital Contents Creationである。ただRyzen 7 1800Xはそれなりに健闘しているあたり、別にAMDが苦手ということも考えにくい。

Digital Contents Creationは、Rendering&Visualization/Video Edition/Photo Editingの3つからなるが、結果から分かるのは、Photo EditingとVideo EditingでRyzen ThreadRipperの性能が低いということである。そこでVideo Editingの生の結果を見たのがグラフ3である。

GoとかDownscale、DeshakeなどCPUの処理に関してはそれほど大きな性能差が無いのに、OpenCLを使ったDownscaleとDeshakeが異様に悪いのが、Video Editingの性能の低さに繋がっている。Photo Editingでもこれは同様で、とにかくOpenCLの結果が悪い。

さらにResult画面を確認してみると、Ryzen 7 1800XではOpenCLデバイスとしてGeForce GTX 1080が使われている(Photo17)のに対し、ThreadRipperではなぜかCPUで動作している(Photo18)。

Photo17:ちゃんとPhoto EditingとVideo EditingのDeviceはGeForce GTX 1080をOpenCLで使っていると示される

Photo18:Ryzen Threadripperではご覧の通りOpenCLが使われない。とはいってもSpreadsheetsやVideo Conferenceでは見ているので、GeForce GTX 1080が見えていない訳ではない

性能が低く出ている理由はこれなのが明白なのだが、ではなぜGeForce GTX 1080をOpenCLとして使えないのかは原因がつかめなかった。SpreadsheetsではGeForce GTX 1080を利用できているから、OpenCLとして認識できない訳ではなさそうで、いまのところはThreadripperの癖としか言いようが無い。

逆に言えば、OpenCLを使わない限りにおいては、それほど大差が無いという言い方もできる(グラフ3を見る限り、Ryzen 7 1800Xと同程度のスコアを期待しても問題ないように思える)訳で、とりあえず「OpenCLを使わなければ、そう大きな差はない」ということになる。

それを除くと想定どおりというか、こんなもんだろうという感じだ。またNUMA/UMAの違いもわずかで、大きな性能差とは言いがたい。普通に使う分には意識しないで済む、というあたりか。