【レポート】

[Veritas Vision]SDSでストレージハードウェアに挑むVeritas - オブジェクトストレージ発表

統合データ保護ベンダーを標榜するVeritas Technologiesが、戦略「360度データ管理」戦略の下、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)など新たな分野に挑んでいる。9月20日まで米国ラスベガスで開催された「Veritas Vision 2017」では、オブジェクトストレージ「Veritas Cloud Storage Platform」などを発表、「3年ごとのハードウェアの更新が不要となる」とハードウェアベースのストレージベンダーを攻撃する場面も見られた。

Veritasはデータ管理全体の技術を提供する戦略「360度データ管理」を打ち出している。データの保護、それにデータとアプリケーションの移行、ストレージの最適化(SDS)、事業継続、規制遵守、可視化を含むもので、Veritas Visionの基調講演で、同社エグゼクティブバイスプレジデント兼最高製品責任者(CPO)のMike Palmer氏はSDS、規制遵守、可視化など、"新たなVeritasの姿"について話した。

Veritas 最高製品責任者(CPO) Mike Palmer氏

ストレージ・ハードウェアベンダーを攻撃

データの増加により必要となるストレージは、悩ましい問題だ。25%の企業が今後3年、(加工されていない)生のデータが50%から200%成長すると見込んでおり、この1年でVeritasの顧客のデータ容量は10%以上増加したという。データは増えるとともにその重要性も高まっているが、データの保存先として一般的な手法だったハードウェアベースのストレージの価格は低下していない。一方で、クラウドベースのストレージの価格は低下している。

こうした状況を解説しながら、Palmer氏はさらにハードウェアにつきものの更新サイクルについても指摘。Dell EMCを名指ししながら、「ハードウェアベースのストレージは、ソフトウェア定義ストレージやクラウドベースのストレージより60~70%割高だ」とし、「ハードウェアの購入は現実的とは言えない」と述べた。

3年の買い替えサイクルなどからハードウェアベースのストレージはクラウドやソフトウェア定義よりも60~70%割高になるという

Veritasは2016年秋に非構造化データ向けのSDS「Veritas Access」を発表している。「コモディティのハードウェア上で動き、3年の更新サイクルはない。新機能もどんどん追加している」とPalmer氏はメリットを挙げる。SDS分野では新参に見えるが、実は1980年代にUNIX向けにSDSを開発していたことも明かした。

この日は、Accessの導入をさらに簡単にするアプライアンス「Veritas Access Appliance」を発表した。ファイルベースのSDSで、データの増加に合わせてスケールアップとスケールアウトが可能。バックアップとシームレスに統合でき、自動的に非構造データを分類できる機能も組み込んだ。コンプライアンスのリスクを下げ、機械学習などを利用することで分類したデータからより良い洞察を得られるという。

数々の機能の中でもPalmer氏が「革新的」と強調したのが、「Veritas Storage Controller」だ。単一のポリシー主導インタフェースを利用して、レガシーストレージの管理やオーケストレーションができるという。

SDSでは発表済みの「Veritas HyperScale for Containers」および「同 for OpenStack」も紹介された。「われわれのソリューションを採用すれば、顧客は自社のワークロードに最適なハードウェアを選択できる。コストを削減して価値を最大限にする永続ストレージを提供する」とPalmer氏は述べた。

同氏が行ったもう1つの発表が、同社初のオブジェクトストレージ「Veritas Cloud Storage」だ。無限の拡張性、データのインデックス化と分類、データ分析と意思決定、自動ワークフローなどのインテリジェントな機能を持ち、TCOの削減を実現するという。

Palmer氏は、「Veritasは20年間、ストレージベンダーに対し、彼らのハードウェアに価値を提供するソフトウェアを開発してきた。今後は、これらを顧客に提供していく。これにより、SDS、最終的にクラウドへ移行することを支援する」と自信を見せた。

GDPR対策のためのリスクアナライザーを無償提供

データの可視化については、2016年に発表した「Veritas Information Map」を紹介した。同製品は、非構造化データがどこにあるのかなどの情報環境を視覚的に表示するもので、IT担当やエンジニアだけでなく、法務やビジネス部門もデータの状況を理解できるという。これまではバックアップデータのみだったが、新たに20種類のデータソースから情報を収集できるようになったことが発表された。

情報の地図を作る「Information Map」では、バックアップデータから外部のデータも対象にできるようになった

Palmer氏によると、大企業のデータのうち50%以上はダーク、つまりディスクやテープにあるデータだが誰が作成したのかわからないとのこと。3年以上更新されていないデータは41%を占めるという。

「データの保護、ストレージだけでなく、可視化が必要」とPalmer氏。可視することで、不要なデータと必要なデータがわかり、誰がアクセスできるのかなども理解できる。これこそが、欧州で2018年5月に施行に入る「EU一般データ保護規則(GDPR)」遵守のための第一歩になるという。

Palmer氏は、施行に入った2018年末の段階でもGDPRが影響する企業の5割以上が規制遵守できていないだろうという調査会社の予測を紹介しながら、リスク分析ができる無償のツール「Risk & Compliance Analyzer」を提供することも発表した。

「Risk & Compliance Analyzer」。事業部ごとのリスク評価、データの動き、プライバシーインパクト評価などがわかる

Palmer氏は最後に、「企業にはデータという資産がある。現在これは価値を生んでいないが、Veritasはデータから価値を生むための技術を提供する」と締めくくった。

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