データ活用で何を目指すか

活用するデータは大きく分けて3つ。何を購入したかという「購買データ」、どの店舗で、いつ何時に購入したのか、はたまたソーシャルメディアでどういった行動を起こしたのかなどを知る「行動データ」、天候や気温を示す「環境データ」だ。より多くのデータを集めていくことで、商品開発やマーケティング、店舗開発、顧客サービスに活用していける。

データ活用のための間口を広げるのが今回のロイヤルティプログラムの狙いのひとつ

これでは、スターバックスばかりにメリットがあるようにも思えるかもしれないが、そういうわけではない。一人ひとりの利用者の情報を分析することで、個々人の好みに応じたコミュニケーションを可能にするというのだ。

「Star」を集めて、特典が利用できるというのは、今回の取組みの表層に過ぎない。「スターバックス リワード」に参加することで、期待すべきは、今後、スターバックスがどういったアクションをとってくるのか、にある。スターバックスが求めるのは、お客とのより深い関係だ。多くの人にファンになってもらい、ファンの人にはもっとスターバックスを知ってもらう必要がある。そうした施策がこれからの特典内容にも反映されると思われる。利用者の立場から見ても、ビジネスの動向を見る立場からも、ファンビジネスを展開するスターバックスがどう動くのかが注目されるところだ。

スターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEO