Appleが新本社Apple ParkのSteve Jobs Theaterで発表した新型スマートフォン、iPhone 8のシルバーモデルをレビューする。

iPhone 8 シルバー 256GBモデル。ガラスの背面を再び採用し、光によって表情を変える。しかし塗装にもこだわり、陶器のような美しい白を再現している

手に取った瞬間、iPhone 8を選んでよかった、と感じることができるデザインの満足感、今までと同じ手に馴染むサイズの中に、iPhone Xと同じプロセッサの性能、そして進化を感じさせるカメラの搭載は、Appleのスマートフォン10周年を記念するモデルであり、デザインからARまで、全てに満足できる1台だった。

iPhoneは2014年モデルから4.7インチ、5.5インチの2つのサイズを選ぶことができ、その販売台数を大幅に伸ばしてきた。iPhone 8シリーズでもこの2つのサイズの展開が継続された。iPhone 8は4.7インチのRetina HDディスプレイを採用するスタンダードモデルだ。 デザインはこれまでアルミニウムのユニボディを3年間採用してきたが、ついに変更が加えられ、背面にもガラスが採用された。表面にはガラスの光沢が浮かび、光の反射で様々な表情を見せる。金属ボディでは味わうことができない味わいであり、以前ガラスバックを採用してきたiPhone 4の時代を思い起こさせる。ただその塗装は大幅に進化しており、シルバーモデルを手に取ってみると、陶器のように真っ白なボディに光沢が浮かぶ。

iPhoneの背面には認証マークなどが排除され、シンプルに「iPhone」と書かれるだけになった。美しいガラスボディをよりすっきりとした印象に仕上げている

またセンサー類が備わっているはずの前面上部は、カメラとイヤーレシーバーとなるスピーカー以外に、1つしか黒い穴が開けられていない。他のセンサー類は塗装の下に隠されており、よりスッキリとした見た目を実現した。

iPhone 8の受話スピーカー部。カメラとセンサーの穴の2つしか開けられておらず、塗装の下に隠す技術を採用したようだ

7000シリーズのアルミニウムを採用したフレームにはアンテナラインがあるが、背面にこのラインはない。ガラスボディでよりデザインをシンプルに仕上げることに成功している

4.7インチのRetina HDディスプレイは、1334×750ピクセル、コントラスト比1400:1、P3に対応する広色域で、自然でありつつ、発色の良さと明るさを兼ね備えた高精細表示を誇る。またiPad Proに採用された環境光に合わせてホワイトバランスを調整するTrue Toneディスプレイも採用された。夜の時間帯に刺激の少ない温かみのある色に調整するNight Shift機能とともに、iPhone 8は夜のゆったりとしたくつろぎの時間を演出してくれる。

本体底部と通話に用いるイヤーレシーバーの2つのスピーカーによってステレオ再生を実現するが、iPhone 8では低音の表現を豊かにし、音量もこれまでより25%大きくなった。ベッドサイドやテーブルで友人を囲んで、あるいは防水機能を生かしてバスルームなどで音楽を聞くとき、iPhoneのスピーカーが活躍することになる。