【レポート】

TRUE、バースデイ公演を熱狂と共に完遂 - 渾身のパフォーマンスに見えた正統派アニメソングシンガーのDNA

1 "音楽の面白さ"を提示したサプライズ入りのライブ前半

草野 虹
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熱唱するTRUE

アニメソングを中心に手がけてきた歌手・TRUEのライブが、彼女の誕生日となる7月15日、東京・恵比寿リキッドルームで開催された。シンガー・TRUEとしてのデビューから3年間で、強い存在感を示すまでに成長した彼女。その魅力が凝縮された熱いパフォーマンスをレポートする。

TRUEの快進撃が止まらない。2014年のデビュー以来、数カ月から半年のペースでアニメの主題歌や挿入歌を担当している彼女は、今や深夜帯の作品を観ているアニメファンにとって、その歌声を聞かない時期がないと言えるくらいの存在感を見せている。また、作詞家・唐沢美帆としても多くのシンガーや声優、キャラクターソングなどに詞を提供しており、非常にハイペースで創作に取り組んでいることがうかがえる。8月25日から27日にかけて、さいたまスーパーアリーナで開催された音楽イベント「Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-」では、尊敬するシンガーソングライター・Minamiとコラボレーションしてみせた。

ラジオ番組『~TRUEのおもてなしラジオ~ 鶴松屋へようこそ』(文化放送)では、アニメ愛に満ちたトークを展開するといったように各方面で積極的な活動を続ける彼女は、2017年2月にセカンドアルバム『Around the TRUE』をリリース。「TRUE TOURS 2017 鶴子と鶴男の三日間 ~Around the TRUE~」と題した東名阪、新宿BLAZE、梅田Shangri-La、名古屋APOLLO BASEでの3公演は全て完売し、人気の高さを示した。

このツアーの追加公演として行われたのが、今回のライブ「TRUE TOURS 2017 鶴子と鶴男のお誕生日感謝デー ~Around the TRUE~」。鶴子と鶴男とは、TRUE自身がお鶴と自称していることから、転じて彼女のファンの男女を指したものだ。開場前のBGMは、THE SEATBELTSによるTVアニメ『カウボーイビバップ』の劇中曲や、Sound Horizonの主宰者Revoが手がけたサウンドトラック。アニメやゲームが好きな彼女らしい選曲に、思わずニヤリとさせられる。

開演5分前、飛行機の風を切る音が次第に大きくなり、ポーンという音と共に流れたのは、機長挨拶を真似たTRUEによる場内アナウンス。ライブ中の禁止行為を注意しながら、3公演を共にこなしてきたバンドメンバーを紹介、熱のこもったグッズの宣伝も挟むと、観客には拍手と笑い声が起こる。ライブに集まってくれたファンを楽しませようとする彼女の心意気が見て取れた。

アナウンスが終わり、壮大なオーケストラのサウンドが鳴り始めると、バンドメンバーが登場。その音色は1曲目「Rainbow The Daydream」のイントロへと繋がった。そんな中、飛行機の機長服をモチーフにした衣装を着たTRUEが姿を見せ、ライブは壮大なミュージカルのように華々しくスタートした。2曲目には「サウンドスケープ」(TVアニメ『響け! ユーフォニアム2』オープニングテーマ)を早くも披露。サビで観客を一斉にジャンプさせ、どんどん熱気をあげるように煽っていく。スカ調の2ビートの「アイワナビ」、4つ打ちのビートとギターリフがバッチリとキマる「RIPTIDE」、強弱の抑揚をつけたボーカルが魅力の「鍵のない鳥籠」の3曲が続き、セカンドアルバム『Around the TRUE』に収録されたアグレッシブなロック調の楽曲が届けられた。

TRUEは、ここで「セカンドアルバムは、音楽で世界一周するような、音楽の面白さを伝えられるような1枚にしたいと思って作ったんです」と解説。続けて「今回のライブではしっとりと言葉を伝えていくようなコーナーを設けました」と口にし、アコースティックコーナーが始まった。

男性のバンドメンバーが一旦退場し、ステージに上がっているのはTRUEと女性キーボーディスト・畠中文子の2人に。椅子に座ったTRUEは鍵盤の伴奏に身体を揺らしながら、しっとりと「ヒカリ」を歌い上げる。曲の終了直後には、男性陣が誕生日ケーキを手にしながら再登場。驚きながらも火を吹き消したTRUEは、「(こういったサプライズは)普通はアンコールでやるもんじゃないの!?」とツッコミを入れ、会場を笑いの渦に包んだ。

ここでTRUEは、ギタリストの鳴風、ベーシストの二村学、ドラマーの岩田GUNTA康彦、キーボーディストの畠中、個々のメンバーにツアーの感想を聞き始める。「もうツアーが終わってしまうのか? 短くないか?」「このツアーでバンドとしての結束が強まって、もう終わるのが名残惜しい」という言葉が出てくるなど、いかにメンバーにとって充実したツアーだったか、そしてどれだけ彼らの絆が強いものであるかが十分に伝わってきた。

「原作を読んで、ヒロイン・クトリのファンになった。『この子のために、わたしも何かしなくちゃ!』と思って作ったんです。そうしたら和田純一監督が聞いてくださって、6話のエンディングになったんです」とのエピソードと共に届けられた「キネマ」(TVアニメ『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』第6話エンディングテーマ)は、彼女の作品に対する愛がそのまま歌の情感となって響いていた。スウィング・ジャズのグルーヴにノッたウッドベースとアコースティックギターの音色が、ゆるやかな空気をもたらした「海底のお城」が、その後に続く。この2曲での、リズム感やグルーヴ、そして感情たっぷりのボーカルは、まさに"音楽の面白さ"を伝えようとするTRUEの意に即したアコースティックによるアレンジがなされていたといえよう。

3曲続いたアコースティックコーナーから、彼女のライブではお馴染みとなっているセルフカバーコーナーに突入。今回選ばれたのは、TVアニメ『マクロス△』で披露された「ワルキューレがとまらない」と声優・南里侑香のシングル「閃光のPRISONER」。いずれもTRUEが唐沢美帆名義で詞を提供した楽曲で、今回のツアー3公演で披露されてもいる2曲だ。観客からも大きな声援が飛ぶ。

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インデックス

目次
(1) "音楽の面白さ"を提示したサプライズ入りのライブ前半
(2) ハングリー精神を見せつけた後半、数々の言葉がTRUE≒唐沢美帆に舞い戻った一夜
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