世界中のボクシングファンが注目するビッグマッチが行われる。3団体統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が、元2階級制覇王者のサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)と対戦する。この2017年最大の戦いと言われる「WBA・WBC・IBF3団体統一世界ミドル級タイトルマッチ」。一体、どんな試合展開になるのか? 大のボクシングファンで、現地で試合を観戦するというお笑いコンビ・くりぃむしちゅーの上田晋也に試合の見どころを聞いた。

上田晋也

――ゴロフキンvsカネロ戦が決まった時の気持ちをお聞かせください。

興奮しました! パッキャオvsメイウェザー以来、世界が一番見たいカードが実現するわけですから。この試合は絶対に面白い試合になりますので、ボクシングを見たことのない方も、ぜひご覧いただきたいですね。

――まず、ゴロフキンのストロングポイントは?

的確にピンポイントで強打を打ち込めるところ。ジャブも強いし、右のクロス、左フック、ボディでも倒せるし、もちろん顔面でも倒せる。理詰めのボクシング、詰将棋のようなボクシングで、『ゴロフキン竜王』と言いたい。豪打だけでなく緻密なところもストロングポイントだと思います。

――では、カネロ・アルバレスはどうでしょうか?

強打のコンビネーション。一発一発が全部有効打ですし、ガードも固いですし、攻防のバランスも取れていて、なんでも揃っている『ネットショッピング』のような選手です。

――上田さんはどちらが勝つと思いますか?

両方、完成度の高いボクサーだと思いますが、僕はゴロフキン。あのウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ/3階級制覇王者)の17連続KO防衛に並ぶ選手が、僕が生きているうちは出てこないだろうと思っていた。そうしたら新記録はならなかったけれど、それに並んでくれた。だから、ゴロフキンには最大のリスペクトをしています。

――試合展開を予想してください。

やはり、フィジカルやパワーではゴロフキンが上。序盤からゴロフキンがプレッシャーを掛けていくと思います。どうしてもアルバレスは、軽い階級から体重を上げてきて、ナチュラルウェイトではないので、これまで経験したことのないプレッシャーを感じるんじゃないかと思いますね。

―― アルバレスはどう戦えばいいでしょうか?

様子を見たり、アウトボクシングでさばこうと思わないほうがいいでしょう。ゴロフキンは距離を取ろうとする選手の詰め方がうまい。それにブロックでしのげると思わない方がいい。ゴロフキンはブロックの上からでもガンガンに行くでしょう。だからジャブも打たれないようにして、打ち終わりに的確にリターンを打ち返せるかが、勝負の鍵になると思います。

現チャンピオンのゲンナディ・ゴロフキン(左)と挑戦者のカネロ・アルバレス

――勝敗結果はどう予想されますか?

もう、ゴロフキンは連続KO記録を狙う必要がないので、丁寧にジャブから入って、KOを狙わない試合になるでしょう。でも、そのことでスキがなくなって、逆にKOの確率が高くなると思います。それで10ラウンドKOでゴロフキンと予想します。

――世紀の一戦と言われた、パッキャオvsメイウェザー戦と比較してどうですか?

あの試合は素晴らしかったですが、大方の予想通りの試合展開、結果でした。今回は結果も内容もいろいろな予想があり、どっちに転ぶかわからない。試合の内容では、この試合がパッキャオvsメイウェザー戦を超える名勝負になるのではないかと思っています。


3団体統一王者ゲンナディ・ゴロフキンとサウル・カネロ・アルバレスのタイトルマッチの模様は、9月17日(10:00~)からWOWOWプライムで生中継される。